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人の話を聞くときは、

高校生の時の野球部の監督は国語の先生で、私はマネージャーだっけど、きっと監督が先生じゃなかったら途中で辞めてたと思う。


申請について担任の連絡ミスで、大学の推薦が取れなくなったことがあった。

大学は正直どこでもよかったし私自身は、"まぁしゃーないか。"くらいで普通に過ごしてたある日、担任に呼ばれて謝罪を受けた。


今さら急に…?と思ってよくよく話を聞くと、先生が私が推薦取れてないのを書類で知って、担任に怒ってくれたらしい。でもそんな話、まったく聞いていなかった。


先生はそういうかっこいい事を裏でしてくれている人で、いろんな生徒に慕われているやさしい先生だった。


私は多分、人の話を聞くときにやたら頷く。就活の時に他の就活生が不動を貫く中、私だけやたら頭が動いていたから印象がよかったと言われたことがある。


社会人になっても頷きすぎかな?と思うことは多々あるけど、もう身体に染み付いてこれが自然になっちゃった。


なんでそんなに頭をブンブンするようになったかというと、監督の教えだから。


冬の練習が終わった夕方のグラウンド。みんな足を肩幅に開いて、手は後ろに組んで、帽子を取ってじっと話を聞く。

あまり練習後のミーティングで長々と話をするタイプではなかったけど、その日はちょっと長かった気がする。


「お前ら、話聞いてんのか?人の話を聞くときは、しっかり目見て、頷くもんなんだよ。」


その日から練習後のミーティングは、大量の坊主頭がブンブン動くようになった。最初はみんなぎこちないんだけど、段々身について自然な動きになっていくのは列の一番後ろから毎日見ててわかった。


先生はやさしかったけど、部員にはいつも本気で向き合ってくれていた。だから怒られることも当然あった。

でもその教えが7年経ったいま、いろんな場面で役に立つ。


私は誰がなんと言おうとも、先生のことが今でもすきだし、沢山のかけてもらった言葉をずっと覚えていると思う。

もう少し大人になったらお酒でも飲みながら、一緒に話せたらいいな。