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G20の中にドラえもんは潜んでいたか

世界最遅G20考察


環境問題なんて骨太テーマを扱う仕事をしていると、G20みたいな瞬間風速的な盛り上がりを見せる機会は、世間様に目を向けてもらうチャンスです。
特に今年はプラスチック問題の時流が高まっている中で、しかも日本の大阪での開催なので、普段のG20よりも注目度高めでした。

今回は、もし自分がG20みたいな国際会議の議長だったら、これを試して国内外に「でかした!」と言わせた方が、面白いんじゃない?という視点です。外野席でワーワー揉めているよりはね。

G20、どう報道されていたか
「結局何も決まらなかった」
「議長国として果たせたか」
賛否様々な立場のメディアがG20を褒めたり責めたり総括していました。

「プンプン!何やってんだー」
と、首相や政府を甘やかすことなく厳しい目で常にプレッシャーをかけ続けるという役割は、必要ですよね。

そういった褒める責めるはそれをお仕事にされている方々にお任せして。
お祭りが終わっていくのを見ていて、ふとこう思いました。


もし私が、あなたが、安倍首相の立場だったら?


もっと成果を出せたでしょうか?

他国が「日本やるじゃん!」と感じることができて、国民が「でかした!」と思えるG20って、どうすればよかったんだろう、という視点で書いてみようと思います。
ちなみに、先に読み進めて頂ければお分かりになると思いますが、これは首相よくやった賛辞でも、批判コメントでもありませんのであしからず。


「スネ夫」にちやほやされた「ジャイアン」が付け上がって新たな嫌がらせに出たようなもの

BLOGOS 2019年07月02日 08:36 五十嵐仁さんの記事より引用


なかなか厳しいですね。

「ホスト国としてどうか。国際社会の評価を下げる」「相手を脅しながら、予測できない交渉をするトランプ氏とうまくやっている数少ない人物」Asahi Digital 2019年6月29日17時00分 の記事より引用
https://digital.asahi.com/articles/ASM6X3W4HM6XPTIL01P.html


他国の記者の感想をインタビューするという面白い視点。


「金持ちだけど非力で仲間がいない」日本が世界の尊敬を集める術 JBpress 2019.6.28 朝比奈一郎さんの記事より引用

新興国が経済的に力をつける中、2008年にリーマンショックがあったため、「経済について首脳同士も話し合わなければ」ということでG20サミットがスタートした


「へぇー、G20ってそうだったのか」というWiki要らずの豆知識と、まぁよくやった方だと思うよ?という視点

実際のところ、YahooニュースやTwitterトレンドで上がってくるのは批判記事が多くなっちゃいがちですが、論評としては賛否様々あったということになりますね。


G20とは、会合ではなく儀式だった


安倍首相がどうだったかは置いといて、そもそもどんな結果を期待していたのでしょう。
正味たった2日間しかない中で。

宇宙ゴミやら移民やらプラスチックやら気候変動やら。貧困/格差をめぐる国際社会の争いの火種を、国のトップ同士が集まっただけで何かを解決できるとは、まず考え辛いです。国のトップという立場がお仕事なわけで、その分野の専門家ではないんですから。

夏フェスみたいに面白そうだから行くのではなく、
「とりあえずやっておいた方が良さそう」だから行く。
お盆や、初詣みたいな、儀式に見えました、重役会合というよりかは。
Gishiki 20。

G20は何かを変えられる場だとは、これっぽっちも思っていなかったとすら思える、そんな考えが如実に出たまんま行動に出た人もいました、そう、みんなを引きつけてやまない米大統領ドナルド・トランプ。


問題が起きなければ、面白がられることはない


自国では選挙戦に突入したばかりのトランプ大統領が、G20直後に金正日委員長に「会いに行こーっと」とツイートしたことから、一気に話題がかっさわれました。
メディアもそっちに目を奪われた。メディアが慌てふためく様子すらネタになってました。
プロレスのヒール役かの如く問題ばかり起こして、日本語メディアでも話題に事欠かない現職大統領の選挙戦略の始めの一手である。事前に周到な用意をしていたのが伺えました。
目を奪われても無理もないですね。


問題だから人は面白がる。
問題が起きなかったら面白くない。


よくよく考えれば当たり前。
せっかく日本にまで行って「みんな仲良しだよねー」で終わって帰ってきただなんて、大統領選始まってるのに、有権者が注目しているのに、できないわけです。


「選挙でえらい忙しい最中に、どうせ日本までわざわざ行かなきゃだし。よっしゃ、せっかくだから北朝鮮寄ってから帰ろ。よく見てろ他候補者たちよ、君たちが相手にするのはこんなことやれてしまう俺様だ」
※ 偏見まみれの心の声


もし自分が彼の立場だったら。
大統領選に出馬している当の本人だったとしたら。
彼を当選させた有権者の一人だったとしたら。
そんな立場になってみて考えてみると、候補者としていかに効果的な一手で、いかに応援している有権者に「でかした!」と思わせたことでしょう。

人が目を向けるのは常に、パッと見で分かりやすい「でかした!」感があったかどうか
我々日本人は、代表者である首相の発言や行動に、そのような思いを抱いたことがここ最近あったでしょうか。
ちょっと褒める責める脳を一旦ストップしてみて、どっち派的な主義主張から離れて、考えてみましょう。

例えば、リオオリンピックの時に、次は東京だってことで安倍首相がマリオになって土管から出てくる演出。あれは結構ウケてましたよね。
日本人的にも、我らがマリオでウケてたからナショナリズム的にも「でかした!」の1つと言えるのかも。どっちかっていうと首相は一演者なだけで、企画した電通さんの手柄なんでしょうけど。

G20で成果があったかなかったか評価は人によるでしょう。
目に見えた成果はなかったかもしれないが、水面下でどんな交渉ごとがあったかは(もしあれば)これから徐々に分かってくるでしょう。政治的な外交成果は時間がかかるものですから、その時がくるまで寝かせて置いておくとして。 

では、なぜ国際社会の中で外交官を演じている安倍首相に(身内からのヨイショ以外からは)不満の声が絶えないのか、に目を向けてみます。
それは、


問題を起こさないから。


問題を起こすから、面白い。
日本とアメリカ、安倍首相とトランプ大統領を見ていると、絵に描いたようなスネ夫とジャイアン。
ドラえもんを見てて、スネ夫が主人公のストーリーってあんまり思いつかないですよね。スネ夫は基本的になびいてばかりで問題を起こす張本人ではないです。でものび太よりはキャラがハッキリしてます。
「親が金持ちなだけのいけ好かない奴」
問題を起こすのは、いつもジャイアンかのび太。
問題が起きて、パッとしないのび太が、ドラえもんの道具で思いもよらない奇跡でカウンターパンチを繰り出す。
誰もが知ってるそんな定番のやりとりに、私たちは世代を超えて目を向けてしまいます。

言いたいこと、伝わってますでしょうか。
少なくとも、「問題起こして迷惑をかけろ」ではないことはお分かりいただきたいのですが。
「でかした!」って何か。それは、


ドラえもんの道具


ですよね。


私たちの中で、国際会合という全世界が注目(していたかどうかは置いておいて)する中で、メディアや有権者から諸手を上げて「でかした!」と喜んでもらえる仕切りっぷり、もしくはドラえもんの道具のような未来を感じさせるアイデアを実現させられる人は、どれだけいるんでしょう。
当事者でもなく責任もない者が、外野から、「ここがダメだった安倍首相」と報じるその論理には、確かに理屈が通る考察も見受けられます。特にアンチからすれば「待ってました」でしょう。
しかし「私ならこうまとめてこんな結果を出せた」というところまで踏み込む記者や野党議員は、掘ってみても中々見つかりません。

「いや、それは自分の仕事じゃない」

確かに。おっしゃる通り。
ただ、その返し言葉の先に、ドラえもんの道具が飛び出る予感も湧かないのも事実。
ポイントは、良かった悪かった、正しい正しくない、という発想から、
ボーッとスマホの画面を通して観察している私たちが、思わず「でかした!」と飛び上がる面白さを追求してみているわけです。
こういった時事が、ドラえもんの道具のような未来を感じさせるアイデアで面白くなったら、今の報道やTwitter上で交わされている刺々しい議論よりは、もう少しだけニンマリできて、もう少しだけ希望を感じられるようになるんじゃないでしょうか。

「政治家にゃムリムリ」

ふむふむ、確かにそんなフューチャーなのはムリな政治家もいるかもしれませんね。


そんな政治家を私たちが選んでいるわけなので、つまり私たちがフューチャーじゃないってことになってしまうんですけどね。
私は、私たちオトナがドラえもんの道具を求めるか求めないか次第だと思っています。

関心あるオトナが面白くないから、無関心層は現実を面白がれない??

この仮説は、G20だけに留まらず、様々な社会問題に通ずると考えています。また別途深堀りしていきたいと思いますので、ここではひとまずこの辺で。


G20の中にドラえもんは潜んでいたか

G20に話を戻しましょう。
無関心層が面白がるネタってどこに転がっているんでしょう。
しきりに報道されている米中韓との関係は、間違いなく関心層用のネタです。
記者が関心持っちゃったネタ、つまり数字が取れそうなネタに、関心層が寄っている、とも言えます。

例えば、G20は、米中韓以外の国と日本との関係にフォーカスを当てる良い機会だ、という視点はどうでしょう。
20って、他にどんな国がいたんだっけ?他の参加国との交流で面白かった話ってないの?20も集まっていればきっとあったはず。

G20@大阪に先立ち、G20財務@長崎があったんだから、
副大統領・首相が集まる副G20とか。諸葛孔明的立場の要人たちによる参謀G20とか。
ご高名な有識者の方々とは距離があるとはいえ、一応"意識的関心層"の自意識がある一般凡人の私ですが、
もしこんな20があったら、つい見てしまうと思います。
でも、無関心層が「でかした!」と感じるほどではないですね。うーん。

逆に無関心層向けの入り口としてはいいかもと思いつつも、「でかした!」まではいかない「へぇ〜」ぐらいな視点だなと思った記事がありました。

昭恵夫人がプロデュースしたという、20人のファーストレディーを集めての「配偶者プログラム」

鯉の餌やり、人力車に乗せる、などなどは正に「へぇ〜」。
でも、各夫人のお召し物もカラフルで集合写真の絵だけでも、スーツxおじさんだらけのよりは、ちょっとは面白い。
このネタで一番面白かったのは、なぜ夫人会でなく配偶者プログラムなのかと言うと、
イギリスのメイ首相の旦那さんのフィリップさんがこの中で、夫人達とお戯れになっている点でした笑
いやはや国のため奥様のためとはいえ、地獄の一日だったことでしょう。
フィリップさんおつかれさまでした!


「でかした!」は国民の視野を広める
メディアだって、お金を稼がなきゃならないんだから、視聴数/率、購買数に目を奪われる。それは否定しません。
ただその代償として、国民の視野も広まることはないわけです。
日本は来年のオリンピックを前に大チャンスだった前哨戦で、世界の国々や日本国民を期待させるドラえもんの道具レベルのインパクトを演出できたのでしょうか。

会場で、隣の晩御飯のでっかいしゃもじ持って突撃インタビューするヨネスケみたいなレポーターが、どんな議論が内々にされたのかに突っ込んでくれたりとか。せっかく大阪でやってるんだから伝家の宝刀「大阪のおばちゃん」的リポーターが、陽気な南米人が引くぐらいガンガン絡みに行く絵は面白そうだけど、
すごいまじめな方々からは叱られちゃうかもですね。


分かってます。国際会議だからある程度規制かかってたであろうことぐらい。


なぜ「でかした!」にこだわるかって、要は、面白がってもらう方が実は国益や評価が高まるんじゃないのかなーと思っているからなんです。
国の威信に関わるみたいな「イシンて何それうまいの?」的な意地を気にして、挙げ句の果てに日本人同士で「良かった いやいや良くなかった」と内輪揉め。

「完璧だった byトランプ(以上終わり)

なんて茶番で終始してしまうよりは、、


「日本って相変わらずクレイジーで面白い」


と思ってもらえた方が、私的には「でかした!」と思えます。



日本人というイワシの群れ


イワシのように、集団行動で空気を重んじておとなしくて礼儀正しいのが日本人の得意技だけれども。
なんで海外の人たちは忍者や侍を未だに面白がってくれるのかって言ったら、私が思うに、クレイジーで変なんだけど面白いから。

国の威信や誇りも大事だとは思いますよ。もちろん。
ただせめてG20の最中も後も、日本人同士で揉めてるよりは、せっかく遠い島国まで来てくれた海外の要人達が、「たこ焼きうまかった」以上の感想を持って帰ってもらえたかどうかって。
私たち日本人自ら当事者意識持てるかどうかって。
そういう国の威信に関わる瞬間にこそ、しっかりヒットを打てるかどうかだと思うんです。

まさかのスネ夫に頼るのではなく。私たち日本人イワシ群はどう泳げば、ドラえもんの道具のような感動を産み出せるんでしょうね。

そんな視点で、その時大阪にいれずに羨ましがりながら、眺めていたのでありました。

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#印象は事実に勝る 石井祐介

国際環境NGOで働く人。自ら進んで環境/社会問題なんてものに携わってるけれども、"怒り"や"責め"で訴えてもこの国の風土や性格には機能しないことに気付き、新たな切り口に活路を見出す。それは"面白がる"ってこと:)
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