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小説の一部公開

1.0 戦争と平和の哲学小説『アメリカ解放大戦争』

現在、自分は以下の小説を執筆中で、今日、第一章・第二章の修正を完成させました。一部を紹介いたします。宜しければご覧下さい。

00_アメリカ解放大戦争_戦争と平和の哲学小説(表紙)-1

00_アメリカ解放大戦争_戦争と平和の哲学小説(表紙)-2

1.1 第一章『世界の退廃と惨状』

 戦後、世界中で十大国による植民地政策が実施された。十大国は、虐政を敷いて、莫大な巨万の富を獲得した。
 まず、虐殺・強姦・強制移住等の手段で、先住民を絶滅させる民族浄化が実施された。しかし、広大な土地の維持と、安価で質の良く、死亡しても問題が無くて、直ぐに代用できる労働力の確保するため、民族浄化は中断されて、新たに強制労働政策が実施された。
 植民地で、児童からまだ働ける老人に至るまでの人々を労働者として強制的に集めて、衣食住を維持するためだけの必要最低限の低賃金しか支払わず、早朝から深夜まで酷使し、徹底的に搾取した。
 反抗する者達は、見せしめとしてその場で取り押さえられ、鞭で瀕死状態になるまで打たれたり、火で火傷させたり、歯を抜かれたり、目や耳を薬品で焼かれる等して、懲罰を受け、疲労や病気・障碍を負って働けなくなった者達は、自殺か餓死かを強要された。人々の死体は、燃料代わりとして焼かれたり、現場によっては、その場で土に埋められたり、川や海にそのまま遺棄された。また、高齢者達も、働けない場合には、即刻殺害された。
 次に、高等教育や学問、娯楽や旅行、そして先住民達の亡国の言語や文化を学び知ることも厳禁することで、強制的に同化させていき、反対や抗議等する者達は、すぐさま逮捕・投獄され、場合によっては、その場で即刻射殺されることもしばしば行われた。
 そして、学問や教育を秘かに行ったり、抵抗運動や独立運動を企てたり、暴動や反乱を起こす者達は、「内乱罪」として処刑された。生きたままの場合は、公の場で、四肢切断されては、傷口に熱湯を掛けられて、最後には瀕死の状態の中で焼殺されて、遺体は数日間晒され、病死・戦死・自殺した場合は、遺体は公の場で焼かれて、同様に数日間晒された。
 こうして、世界中の植民地化された亡国の人民は、物理的にも身体的にも、文化的にも精神的にも、徹底的に破壊されては、隷属化させられて、生きる喜びや楽しみはもちろんのこと、怒りや憎しみ、悲しみや哀しみ等までもが無くなっていき、こうして、独立戦争が勃発する可能性はほぼ無くなった。
 その後、1793年に、十大国の本国で労働力を確保するために、日本軍国主義国は「技能実習」・「特定技能」という国際奴隷貿易制度を創設する提案をした。この提案はすぐさま十大国で受け容れられて、創設と運用された。
 この制度により、植民地で、児童達は、親から強制的に取り上げたり、青年達や大人達は、家族や知人を人質にされて、強制的に本国へと連行され、男子達や男性達は、劣悪な労働環境にて、過酷で危険な重労働を強制された。また女子達や女性達は、主に性奴隷として搾取された。
 男子達や男性達で、衰弱や大怪我したり、重病や障碍を患ったり、女子達や女性達で、性病に感染したり、妊娠した者達は、「使えない物」としてすぐに殺処分され、反抗したり、逃亡する者は、発見次第、その場で射殺され、集団や組織によるものであれば、「内乱罪」として処刑された。
 また、「芸能界」と呼ばれる、植民地人に芸を強要して、嘲笑や蔑笑を誘おう娯楽文化が、十大国の本国で誕生した。
〖第一章 世界の退廃と惨状〗(p.26-p.27)
 1790年から1829年までの間は、十大国は人類史上、空前絶後の黄金時代にあり、それと同時に、人間世界は人類史上、空前絶後の退廃時代であった。
 そんな時代の中で、インカ帝国は、植民地戦争で唯一独立を維持し続けることが出来た国であり、そして、人類に残された唯一の希望の国であり、さらに、世界の運命を変える可能性と偉力を秘めた国であった。
 後に、インカ帝国の人民は、植民地戦争で唯一独立を維持しているという誇り・志半ば亡くなった世界中の先人達への悲悼・本当の独立と自由の獲得と本当の平和と幸福を実現させる大志を懐きながら、十大国による、軍隊を用いずに虐遇し続ける戦争と、虚偽や欺瞞に満ち溢れた平和を、終わらせるために、一世紀近くに亘る忍耐と準備をし、そして、断行するのであった。
〖第一章 世界の退廃と惨状〗(p.28)

1.2 第二章『世界の退廃と惨状』

「ですが…私はこう聞いております、
『反は道の動であり、弱は道の用である。天下の万物は、有より生じ、有は無より生じる』と。ですから、私は道の動きに遵って、本能と時世に反しては、国家や社会、組織や集団、常識や多数派の言語や概念を去って、道の用である、弱いが誠なる徳を養い育てて、強くしていき、そしてその徳を用いて、死や形而上の世界といった無の世界に留学して、心を純化させては、意を誠にして、内界で善き有を成して、内界で万物を生じさせていきます。
 また、私はこう聞いております、
『諸々の事象は過ぎ去るものである。だからこそ、怠ることなく修行を完成させなさい。』と。ですから、私は、怒りや憎しみにいつまでも心身を焦がさず、悲しみや悼みにいつまでも心身を浸からせずに、また再び立ち上がって、新しい内界の時空の創造と、新しい外界の時空に適応していきます。
 さらに、私はこう聞いております、
『より良い者は、貧しくても、利口な少年の方であり、老いて愚かになり、忠告されなくなった王よりも良いのだ。』と。ですから、私は、暗愚で、悪辣な時世に屈して迎合し、安全で優勢だが、暗愚で悪辣になるよりも、貧しくて惨めであり、早死や惨死するかもしれないが、徳を以て学び知っては、苦しく辛くて惨めながらも、楽しくて正直に幸せに生きる方を選びます。
 そして、私はこう聞いております、
『天を怨みず、人を尤めず、下学して、上達する。』と。私は、天命を知り、人性を知り、確りと現実を生きて学び続け、死に向かっている途中で、着実に、成長と進歩していきます!」
〖第二章 微かな希望と断行〗(p.42)
「よう頑張った!よう頑張った!生きてくれて、本当にありがとう!私を信じてくれて、本当にありがとう!
 私はこう聞いている、『日に新たに、日日に新たに、又日に新たになる。』と。毎日どころか、毎秒ごとに、世界は新しくなっているのだな!
 そして、私はこう聞いている、『朝に道を聞けば、夕に死んでも可なり。』と。死んでしまったら元も子もないが、学ばなければ同じく元も子もないな。
 これからどうなるかは、分からないが、明斗君、君はこれから、私をはじめ、また再び新しい人々と出会っては、色んな新しいことに臨むことになって、その度に、また新しい学習および知識・経験を得るのだ。
 苦しいことや辛いこと、悲しいことや憤ること、難しいことや危ないことにまた多く遭うのだ。それと同時に、その間に一生懸命に努力や挑戦していくことで、自分を愛して大切にしてくれ、そして自分が愛する大切な人々と逢うことになるのだ。だから、生きようね、楽しく幸せに!」
〖第二章 微かな希望と断行〗(p.43)

2 紹介文献

 第二章の会話に登場する格言は、以下の先哲からの御言葉である。

3 結語

このお盆に、3章から一気に完成に向けて、頑張るぞ!

目 次‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   1
序 文‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   2
第一章 世界の退廃と惨状‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   4
第二章 微かな希望と断行‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 29
第三章 本当の平和への道‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 44
第四章 愛国心と国家奉仕‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第五章 徳治と国家の幸福‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第六章 絶望の祖国大戦争‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第七章 相思相愛の団結力‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第八章 大反撃と大解放へ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第九章 大決戦と新時代へ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第十章 和解と友好の開始‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

4 紹介文献

「戦争は緊急事態だから何でもあり」という軍事的リアリズムに抗し、他方で絶対平和主義も採らず、ギリギリまで道徳を貫きつつリアルに戦争を見つめ、その重みと責任に耐えようとするウォルツァーの代表作。

ありがとうございます。心より感謝を申し上げます。