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2年ほど経った…

はじまりはなんだったんだろうか?
よく回想することがある…

コトの発端はダイヤのキングとハートの9だったのかもしれないし,そのカードのコトではないかもしれない.いろいろな記憶を辿ってみても,思考は分散されて結果的に今という瞬間に回帰する.

生き方とか,そういうものを誇れるような人間ではないコトは理解している.

ドブネズミみたいに美しくなりたい.
写真には映らない美しさがあるから…

ブルーハーツのヒロトはそんなことを言っていた,こんな歌詞が好きで,好きに生きてきた…
すこしそんなドブネズミの話を書いていこうとおもった.

続けていけるかなんてはわからない.
風の向くまま気の向くままに生きてきたから.

出所してから2年が経った…
社会復帰はできてるのかもできてないのかも自分ではわからない.
だいたいのコトはフィクションだから,こんな冗談のようなコトがあるだなぁという感覚で読んでもらえたらいい.

2013年だったかな?
11月のどこかの週の火曜日の朝の8時ぐらいに,十数人の人が玄関の扉に立っていた.
2人ぐらい作業着を着ていて,白い紙を両手で拡げたオトコがjellycarlo だなと確認をとってきた.
「ああ,そうだよ」
「逮捕状が出てる.ネズミとネコは知ってるか?」
「知ってるよ.ガサでしょう.どうぞ」
と言って家へ招き入れた.

十数人の刑事捜査官が部屋へ上がって約一時間ぐらい部屋からPCだとか携帯だとか口座だとかを押収物として見つけていく。

オレはタバコをふかしながら眺めていた…
さてと,どうしようか…
ある程度は決まっていた.
覚悟というようなカッコいいものではなくて,いつか逮捕されるコトはわかっていた,オレはこのことをどこかで望んでいたのかもしれなかった…

「jelly」
と捜査官に呼ばれて覚醒剤を吸引していた道具をみせられ
「コレはなんだ?」
と尋ねられた.
「あん?ソレは脱法ハーブを吸ってたヤツだよ」
とテキトーなコトを言ったのを覚えてる.

捜査官が押収物を集めてクルマにオレを乗せた.
逮捕状が読まれた.罪状は詐欺罪だった.
とあるインターネットサイトで被害者からお金を振り込ませた内容が書いてあった.
刑事が間違いないか?と尋ねてきた.

「しらねぇ」

オレの口からでたのはコノ言葉だった.

「そうか,容疑者として逮捕する」
と刑事はそう言ってオレは手錠をかけられた.

覚醒剤の切れ目ですこし疲れていた.
捜査本部は何処か遠くの行ったコトのない場所だった. 行ったコトのない警察署へクルマで連行された.

夜の8時を回っていた.青く薄暗い取調室で経緯を聞かれた.刑事は経歴書のない調書はないから黙秘権はないと言った.
切れ目で疲れた脳みそでテキトーなコトを言ったのを覚えてる.
刑事もテキトーに言ったことと違うコトを調書に書きテキトーな感じで手印しろと促す.

「オレの言ってるコトとぜんぜん違うじゃないっすか」
「いいから押せ」

ふざけてんなよっ,と笑って呟いて,めんどくせぇから手印をした.
やっと寝れるなぁと顔を上げて蛍光灯を見たら1本の蛍光灯が鈍く光ってた.

ここから約4年娑婆に出ることがないなんて,おもってもみなかった…


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