こんにちは。
本日の東京は晴れ。ミッドサマーDVD鑑賞にふさわしい、青空が奇妙に映える秋晴れです。

以前から気になっていたものの、グロが苦手なため劇場での鑑賞は避けて、そのまま見る機会を逃していましたが、TSUTAYAの会員更新で準新作一本無料とのことで、鑑賞。
メンタルに影響を与える可能性が高いと聞き、周りを巻き込みたくないのでひとりで見ました。

ネタバレを大いに含むので、未鑑賞の方はご注意ください。
これから仕事で時間がないのに、どうしても「見た直後」に文章にしておきたくて……やっつけ仕事ですが、書きます。
誤字脱字、解釈違い、その他勘違いやミス等あったらすみません。

一個人の考察として、「へえ、こんな感想もあるのね〜」と、読んでいただけたら幸いです。

【更新しました】
10月2日の深夜1:05、加筆修正して再投稿しました！

◎はじめに。妹の無理心中でグサグサきた。

物語の冒頭で、主人公の女性ダニーあてに妹から不穏なメールが届きます。
妹は双極性障害であり、親とともに自死すると思わせる内容。
それに対する反応で、姉であるダニーも、精神的に不安定なことがわかります。実際、抗不安薬を飲むシーンも。
電話で、恋人や友人にも取り乱しながら話しています。恋人・友人ともに、少々呆れている様子。

それを見て、妹の行動、めっちゃわかるー！！！と、心から共感しました。

わたしのnoteを読んでくれている方なら、ご存知だと思いますが、わたし自身も「機能不全家族育ちであり、親・きょうだいとの関係は良好とは言えない」からです。

なので、妹は精神障害に追い込まれるような育児をした親に対する恨みがあったから、無理心中を選んだのでは？と。

姉に対してはどう思っていたのかわかりませんが、恋人との電話で、
「どうせ、いつもの構ってちゃんだろ？気にするな」
と言われていたので、度々SOSを出していたのに本気で取り合わず、「自分を救ってくれなかったことに対する不満」はあったように感じたので、姉だけ残すことで、それも復讐だったのか？と、邪推。

◎カルト村に仲間を誘い込んだ学友、ペレの真意は？

他の方の考察で「善意だったのでは？」とありましたが、わたしはそうは思いませんでした。
村では「よそ者の生贄も4人必要」みたいなことを言っていたので、完全に、そのために利用したんじゃないか？と思いました。
それを、「村に対する善意」と、捉えることもできますが、わたしは無宗教なので、その感覚は理解できません。

ただ、ダニーに対する善意は、感じました。恋人のクリスチャンよりも、ダニーの生育環境や現在の心情を気にしている様子だったし……。
でもこれも、「傷心のダニーをうまく誘導した？」ともとれます。難しいですね。

【追記】
アマプラで見直してみたら、ダニーが老人の自死を見て「こんなところは嫌、もう帰る！」と取り乱してる時に手を握って説得していたり、女王になった時に「おめでとう！」と言いながらどさくさに紛れて口同士の熱烈なキスをしていたので、好きだった＝村に引き入れたかったのかもしれません。

◎北欧5カ国を旅したわたしによる、勝手な偏見ですが、めちゃリアル。

情景描写や、自然の中の風景、白夜の雰囲気、ドラッグへの対応等、色々とリアルだなーと感じました。
どの国で、どこまでが合法だったかは今は覚えてないし調べる余裕もないのですが、北欧は意外とクレイジーで面白い国々ですよ。
北欧神話、ヴァイキング、音楽ではブラックメタルも人気で、「狂気」が溢れています。

日本人のマジョリティが思い描くであろう、「お洒落なインテリア、ムーミン、IKEA、大自然、生活水準が高い♡」みたいな良い面だけでなく、色々と裏の雰囲気もあるのです。。

なので是非、旅好きな方はツアーではなく個人的にバックパッカーとして行ってみてほしいです。

◎追記。不妊治療中の人はイラッとしそう。

DINKsであり、トランスジェンダー（以後TG）でもあり、24歳で結婚→現在37歳になった著者は、この13年間、「不妊に悩む人たちのリアルすぎる本音」を、耳が痛くなるほど聞いてきました。
やはり、子持ちや、子を望んですんなり授かった人には言えない、心の闇があるのだと思います。
それはもう、ここには書けないような罵詈雑言も聞きましたし、呪いの言葉さえ聞いてしまいました。。
なので、それと比べるとホルガ村の人々はやはり、心が汚れてないのかも。

そしてわたしはTGゆえに「裏切らない・抜け駆けは絶対にしない」と思える、安心感もあるのだと思います。（実際にそう言われたこともあり）。

なので、この映画では「一回のセックスで妊娠する」とか、行為に及んだ女性が「赤ちゃんを感じるわ！！」などと言うシーンに、かなりイラつくのでは？と想像しました。

村では占星術なども取り入れている＝日本で言うオギノ式？のような、「この日にセックスすれば高確率で授かる」日を選んでいるのだろうなーとは予測できますが、それでも、ねえ？苦笑

◎追記。キリスト教徒へのアンチテーゼがすごい！！

これは、他の方の考察記事を読み確信へと変わったのですが、キリスト教徒に喧嘩を売っている？と思うシーンが満載です。
実際、わたしの親しい人にプロテスタントガチ勢の子がいますが、彼は「絶対にこの映画は見ない！」と言っています。

無宗教のわたしが、なんの予備知識もなく初回を見た時に、最終的に生贄になる男性の名前が「クリスチャン」なことに、違和感を感じていました。
そして思い返すと、

・72歳になったら自死をする→キリスト教では自死を禁じている
・死んだ老人は赤ちゃんに生まれ変わる→輪廻転生を信じていない
・なんの罪もないクマを儀式のために殺す→無駄な殺生も禁じられてる
・一番ひどい目にあって殺される人の名前がクリスチャン→言わずもがな

教えについて、間違いがあったら申し訳ないのですが、無宗教者の一般的な（むしろ、乏しい）キリスト教の知識……程度でお読みくださいませ。
もちろん、信徒の方でも人によって聖書の解釈は異なると思いますし。

ちなみに、わたしが読んだ記事はこちらです。とても読み応えがありました！
やはり、自然崇拝や北欧神話を重んじるホルガ村は、アンチキリストな考え方って解釈もできそうです。（殺されたメンバーはキリスト教徒の多いイギリス・アメリカ人でした）。

https://filmaga.filmarks.com/articles/73476/

◎追記。カルトにありがちな「強烈な出来事への、熱烈な共感」

わたしはヨガを長年やっているので、スクールによっては宗教色の強い場所も見てきました。それこそ、下手したらカルトじゃない？と思えるレベルのクラスも。。

他、旅でもそれを感じました。いわゆる「日本人宿」と呼ばれる、外国に点在する日本人が集まる安宿ですが、独自の意味不明なルールがあったり、ボス的な存在の長期滞在者が幅をきかせたりしていて、早々と脱出した経験も何度か。。苦笑
（治安の悪い国だと、どうしても使わざるを得ない状況もあったのです……。もちろん、全ての日本人宿がそうではありません。ごく一部です）。

それらに共通するのは、喜びや悲しみ、苦痛や成功体験を「わかりやすく共感する」でした。
ヨガだと、きつい呼吸法やアーサナをマスターできた時。旅なら、強盗に遭った等の恐怖体験など。自身の喜怒哀楽を共感してもらえると、人は救われます。
この映画でも、そんなシーンが満載です。

そういうことを繰り返されると、人って不思議なもので、「共感してもらえる＝自分が受け入れられた！認められた！」と思い込み、自分でも気付かないうちに信者になってしまうのですね。

わたしはめちゃくちゃ我が強く、可能ならば何かの宗教に入るよりは、自分が教祖になりたいと思う派なので（あ、本気ではありませんよ？どっちかで言うならば、です）ヨガやバックパッカー旅にハマってても、その辺は大丈夫です。

◎ラスト、ダニーのクリスチャンへの愛を感じました。が、それを超えるカルトの狂気。

ラストで「戦いに勝ち、女王になった主人公ダニーの選択」に、カルト教団のカオスを感じました。

一般的に、男女の恋愛で浮気をした場合、男性は浮気をした恋人や配偶者本人に対して怒り、女性は浮気相手の第三者に対して怒ると言われています。

作中で、ダニーとクリスチャンの仲はあまり良好ではないけれど、薬漬けにされて第三者の女性と強制的にセックスをさせられたクリスチャンを見て、ダニーは嘔吐するほどのショックを受けてました。
その点で、個人的には「あ、まだ愛情、あるんじゃーん」と、感じたのです。
愛情がなければ、
「うわっ、何やってんのあいつ？きも……無理。同じ空気を吸いたくないし、視界にすら入れたくない！見なかったことにしよう」
で、終わると思うんですよねえ。。（離婚しているわたしの友人・知人（元）主婦達の台詞そのまんまです！苦笑）

わたしが、オープンリレーションシップという特殊な生活・LGBTQ当事者・博愛主義的な恋愛観を持って生きているので、マジョリティがどうなのか？よくわからないのですが、あのシーンを見て、「まだダニーはクリスチャンを愛していた」そう思ったのです。

ですが、最終的に、ダニーは恋人のクリスチャンを生贄に選びます。
そして、クリスチャンは殺されたばかりのヒグマの毛皮を被らされて、生きたまま焼かれるという、悲惨な最期を迎え、彼の入れられた建物ごと、焼け崩れます。
それを見てダニーは笑顔になって（カルト教団に救われて）映画は終わるのです。。

昔、北海道をツーリングで旅していたときに、遭難しかけて迷い込んだキャンプ場で、地元猟友会の方に、駆除・解体したヒグマの死体を見させてもらったのですが、獣臭・死臭がエグいのですよ。。それを思い出して、
「ダニー！！！あんた、酷すぎるよ！
クリスチャンはヤク漬けにされて、仕方なくヤったっていうか、利用されただけだったのに！！」
と、思いました。

でも、ダニーのその選択は、カルト教団によって洗脳された故なのだろうなーと、わたしは思いました。

洗脳されていなければ、クリスチャンを生かし、その後、女王の権限で寝とった女を殺すくらい、できそうじゃない？と思ったので。
殺すまではNGでも、何かしらの罰は与えられそう。。

◎おわりに。

時間のある時にリライトするので、興味のある方はまた後日、読んでいただけたら嬉しいです。→10/2 25:05、リライトしました！
一応、これにて【完全版】とさせていただきます。

怖いし、グロいし、精神に悪影響を与えそうだけど、教養として見る価値はあるな！とも思いました。
でも、自己責任でお願いします。

最後まで読んでくれた方、ありがとうございました！！