今、振り返る19世紀からの思想の歩み(4)
確かに、東京オリンピック(第18回、1964年10月10日~24日)は、記念に値するオリンピックだった。冷戦という政治社会にうんざりしている世界中の人びとに、日本が平和をうたう戦後復興をアッピールする、最高の機会になった。閉幕式に見せた世界の選手たちの混じり合った行進など、感動の極致と言っても過言ではないだろう。クーベルタンの言葉が繰り返されたし、オリンピックが文化の先端を切り開く花道になったような明るさを投げかけた。(但し、マラソンの円谷選手を決して忘れてはならないだろう