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イスラム国家バングラディシュでホームステイしてみた④前編

イスラム教国バングラディシュ

イスラム教ってどんなイメージがありますか?
なんだか得体の知れないという恐ろしいイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本という国はどちらかと言うとアメリカ側(西側、キリスト教側)に属している国なので、どうしてもアメリカ側からの情報を浴びる機会が多いのですよね。
したがってイスラム教といったらテロや戦争、ハマス、イスラム国やアルカイダなど負のイメージが先行しがちです。
ABBはこれまで「インドネシア」「マレーシア」「トルコ」「エジプト」「バングラデシュ」とイスラム教の国を渡り歩いてきました。

イスラム教徒。
その実態はメディアで作られた負のイメージとはかけ離れていて、その中の多くの人は平和を愛する優しき人々だということを今回の記事で伝えさせて下さい。

駅のホームを闊歩する犬。
ブレててすまねぇ。

話は逸れますが、実は過去にテロと言ったら日本人という時代があったのはご存じでしょうか。

[1] 昭和47年5月31日のテルアビブ空港乱射事件
[2] 昭和48年7月20日の日航ジャンボ機乗取り事件
[3] 昭和49年1月31日2月6日のシンガポール・クウェート事件
[4] 昭和49年7月26日のパリ偽造旅券事件
[5] 昭和49年9月14日のハーグ・フランス大使館占拠事件
[6] 昭和50年8月4日のクアラルンプール米領事館,スウェーデン大使館占拠事件
[7] 昭和52年9月28日のダッカ日航機乗取り事件

約50年前、日本赤軍が世界中の空港で銃を乱射するは、ハイジャックするは、大使館を占拠するはやりたい放題、今では信じられないことですが「テロと言ったら日本人」「また日本人か!」という時代があったわけです。
じゃあ50年前の普通の日本人はどうなのかというと、99.999%の日本人は無関係で、平和を愛しているわけです。
イスラム教徒についても同じであって、ハマスやヒスボラなどの過激組織が目についてしまいますが、そのような組織は本当に一握りの中の豆粒のような物です。

イスラム教徒は全世界で20億人以上いると言われています。
多くは発展途上国の人で、急速に経済発展を続けています。
日本でもスカーフを着用している観光客を目にすることが多くなったと感じる方も多いのではないでしょうか。
安くなり続ける日本と拡大し続けているイスラム世界。
東南アジア、南アジアだけを見ても、
インドネシアが2億8000万人。
バングラディシュが1億7000万人。
パキスタンが2億3000万人。
マレーシアが3400万人。
そして彼らの多くは親日家です。
10年後20年後の近い将来。
経済力をつけた彼らが大挙して日本に押し寄せて大金を落とす未来はもはや既定路線です。

彼らの文化の代表的な話は豚肉を食べないということ。
現状私の住む山形市にはイスラム教徒の食文化(ハラール)に対応した飲食店が知る限りではありません。
観光業従事者の方、飲食関係の方、
これからの数十年は、
「イスラム文化を理解する物が業界を制する」
と言っても過言では無いかもしれません。
※このあたりの話は後程書きたいと思います。
ということでイスラム教の国であるバングラディシュの地方都市クミッラでホームステイをしてきたのでその様子をお伝えします。

一行はクミッラへ。

ABBとガイドのイクラムは彼の実家にある地方都市クミッラへ向かうために長距離バス乗り場に向かいます。
バス乗り場っていうかだたの道に無造作にバスが鎮座していて乗員が何か叫んでいます。
多分「このバスは○○に行くぜ!」的な感じなんだと思いますが行き先を表示する看板も無ければ英語も見当たりません。

バングラディシュの路上の様子。
ヤヴァイです。

なんかもう全てが意味わかんないです。
イクラムがいなかったらバスになんか乗れない。
彼がいて良かった。

バスに乗る前に飲料を買うイクラム

バスに揺られること約二時間。
一行はクミッラに到着します。
地方都市なので多少は人も少なくゆっくりしているのかと思いきや、、
ここにも人しかおらん笑
恐るべしバングラディシュ。

イクラムの実家のベランダから。
中心部から少し離れるとのどかな風景もあった。

オートリリクシャー(三輪バイクを魔改造したような乗り物)でイクラムの実家に向かいます。

イクラムの家は比較的裕福な家庭。
だけれども停電は頻繁に起きるし、シャワーは水のみだ。(暑いから良いんだけど。)
兄のマムンさんは日本に留学し、定住しビジネスを始めているし、イクラム自身も日本へ働くために準備をしている。
貧しさから逃れる手段はバングラディシュを出て日本で働くこと。

ABB「イクラム。君はなんで日本に行きたいの。」

イクラム「俺はダッカの大学を卒業したんだけどさ、バングラディシュには待遇の良い仕事が無いんだ。フルタイムで働いても月給200ドルの仕事しかないのが現実なんだ。」

ABB「でも君には奥さんと幼い子供がいるよね。」

イクラム「ああ。俺が日本に行った後に二人を呼ぶ予定なんだ。日本で働いたら毎月どの位の給料がもらえるんだい」

ABB「レストランの仕事だと、たくさん働けば1500ドル位は貰えると思うよ。」

イクラム「うん。俺はこの国が好きだしたくさんの友達もいて楽しく暮らしている。でも俺は男だから金を稼がなければならないんだ。」

イクラムと奥さんのNahida
右はそのお父さん

イスラム教の国では男が働き、女が家事を行うのが当然のこと。
夕飯を準備するのは女性。食事後に洗い物をするのも女性。
私は客人として扱われ、イクラムやそのおじさん達と食事の提供を待ち、食卓を囲む。
バングラディシュのカレーは本当に美味しいし、珍しい日本人を前にして話に華が咲く。
だがそこに女性の姿は無い。
女性陣がご飯を食べ始めるのは我々男性達がそれを済ませた後だ。

今の日本の家庭でこれをやったら新妻は確定で逃げて行くでしょう。
田舎だとこういった風習は残っているとかいないとか。
100年前の日本のような価値観、考え方がバングラディシュにはある。
ABBにはこの文化を遅れているといった批判をする意図は全くないということを予め伝えておきたい。
これが彼らの文化だから。

バングラディシュの食卓。

戦争に負けた際に若い女は戦利品として軒並み連れ去られてしまう。
女性が髪を隠すのはそれを防ぐため。
一夫多妻制が認められているのは戦争で男が死に、女があぶれてしまうため。
豚肉を食べないのは昔の食肉加工の技術では完全に安全な食べ物であるとは言えなかったためだ。
イスラムの教義には合理的な理由がある。

時代に沿わない習慣もあるなと思うことはあるが、それが彼らの考えなわけで敬意を払いたい。

「客人を丁重にもてなせ。」
「困っている人を助けよ」

イスラムの教えの根本。
それは人間として正しいことを行いなさい。
ということ。

宗教とは道徳。
日本人の道徳=自分がされたら嫌なことは人にはしない。
イスラムの道徳=神の教え。

なのである。




















日本赤軍

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