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ムスメの思い

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ザ•昭和の父と母をもち、フェミニズミという言葉が広まる前に思春期を過ごした、もと若いムスメ。  詩、エッセイ。
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記事一覧

富士登山

富士山に特別な思い入れを持つ人は多い。母もそうだ。山開きだの初雪だので、富士山がテレビに…

ハナミズ キの花 見せてあ げたくて 【3行短文詩】

ハナミズ キの花 見せてあ げたくて 半日 の時差で 電話を 届ける スマホに 皺の増 え…

【詩】 髪を伸ばす

髪を伸ばす 年頃のきれいな娘に なりたくて 髪を伸ばした 反抗的な強い女と 思われたくて 髪…

昭和育ちなのに浮かばない #あのころ駄菓子屋で

ひもつき飴、フーセンガム、ジューC、ベビーラーメン。 駄菓子の思い出を掘っても、出て来る…

今は昔の悔い #100文字の世界

おばあちゃんが ぼけ出したころ 「ぼけ」はまだ新しいことで 私はただ気味悪かった やすこも…

父を迎えに #100文字の世界

毎月のはじめ 雑誌の出る日は待ちきれなくて 仕事帰りの父を迎えに お兄ちゃんと駅へ行く 学…

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【詩】 骨拾い #ブラックポエムフライデー

不謹慎な表現あり、です。ブラックポエムフライデーに参加しています。 🥢 🥢 🥢 「骨拾い」 丸焼けのローストファーザー 実はなく さながら標本骸骨 これから旅に出られます 係の人の声で支度始まる 無事にたどり着けるよう 脚から入れていきますと 父の骨を箸で拾い 送り出す 箸から箸へ 落とさぬように 甥が緊張して うっかりしませんように おとうさんに「コリャ」とか言われそう 丈夫でしたなあ 脚が 骨がしっかりされとる

フェミニストをきどるおばさんへ

先に「あと書き」 これは、アラサーのわたしが書いていたものです。当時、詩を書いていたノー…

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小さかった兄の一番古い記憶 (100文字ノスタルジア)

ヤスコと呼ばれる生きものが うちに来るのを待ちわびた メロンパンをわけてやろう 妹をかわい…

帰りたくない #100文字の世界

あの人のアパートにいて 帰りたくないのに 終電が出るから送って行くよって言われた 優しい…

トンネルの女 #100文字の世界 #春風怪談

サイクリング部のトレーニングで丘や峠を走る。トンネルがあると必ず出る冗談。夜にここを通る…

「友達に差をつけろ」

「友達に差をつけろ。」 中学生の時に見たコマーシャル。通信講座かなにか、成績や受験に関わ…

思い出のムック本「ワタシズム宣言」

「ワタシズム宣言」という本があった。 もっと自分にわがままになれ、という、当時の若い女た…

ローリングストーンズを追う兄を追って

スピンドクターズが演奏するのを、私は一度だけ、兄と一緒に見たことがある。二人とも、結婚や子供などは、まだ気配どころか興味さえなかった頃だ。 大学を終えて就職した兄は、転勤も残業も多い会社に勤めていた。その兄が、2回だけ、3日以上連続の有給休暇をとったことがある。そのどちらもが、ストーンズの米国公演を見るためだった。 最初のは、私が米国に行った年だ。日本公演をしたことのない最後の大物バンド。まだ演奏している今から思うと、そこまで切羽詰まらなくてよかったのだが、兄は、メンバー