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政治・社会

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政治・政策や社会関連の記事
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記事一覧

文化盗用"cultural appropriation"について

 こんばんは。Sagishiです。  今日はあまり気が進みませんが、文化盗用"cultural appropriation"について話していこうと思います。あまりにも軽率な意見をもつひとが多すぎるので、自分自身の考えをまとめるためにも書こうと考えました。 1 文化盗用とは 文化盗用"cultural appropriation"というのは、わたしの理解では、他国・他文化のnation(共同体)あるいはunity(団結)の核心的アイデンティティを無理解・無遠慮に侵害・毀損し

社会保障費は『10兆円』抑制しないければならない

 こんばんは。Sagishiです。  今回は「社会保障費」について書いていきます。 1 国家財政は破綻状態 まず大前提として、日本の財政が事実上の破綻状態に陥っていることを自覚しなければなりません。上図はR3年度の歳入出ですが、特例国債で37兆円を発行しています。特例的な予算措置である「新型コロナ対策予備費」と事実上帳簿から除外しても問題ない「債務償還費」を除いたとしても、17兆円ほど歳入が不足していることになります。  つまり17兆円の純赤字です。これを表にまとめると

規律ある積極財政への転換

 こんばんは。Sagishiです。  今回も、経済などについてだらだら個人的な考えをまとめようと思います。 1 マクロ経済政策の失敗 日本はこの30年ほどほとんど経済成長ができていません。その結果として給料が上がらず、しかも少子高齢化社会に伴って社会保障費の増大が著しくなり、多くのひとの可処分所得が減り、内需まで沈降傾向にあるという、大きな問題に直面しています。  この日本経済の低成長の原因は、プラザ合意を端緒にしたバブル経済とその崩壊時に、マクロ経済政策(金融政策およ

消費税を下げちゃだめな理由

 今日はのんびりと経済などに関する個人的な考えをまとめます。 1 富裕層ほど得をする よく「消費税を下げるべきだ」的な議論を目にします、わたしの支持政党である国民民主党も、消費税の時限的な5%への減税を公約に書いています。れいわに至っては「消費税廃止」というぶっ飛んだ主張をしてますね。  が、わたしは消費税は下げるべきではないという立場です。理由は「コストが異常にかかるわりに、狙っている効果が出ないから」です。  例えば、消費税を3年間だけ10%から5%に下げるとします

政策考論:103万の壁の適正化

 こんばんは。Sagishiです。  今回は、政治に関する政策・課題について、つらつらと検討を書いていきます。 ・103万/130万/150万の壁の適正化 年収が103万を越えると、所得税の支払い義務が発生します。そのため、パートタイム労働者は税金の支払いを敬遠して、年収を103万以下に抑えようとします。これを「103万の壁」と言います。  この制度は1987年から開始しましたが、当時の東京都の最低賃金は497円でした。現在の1041円とは倍以上の差があります。よって、

政策考論:児童手当

 こんばんは。Sagishiです。  今回は「教育政策」に関する記事を書いていきます。その中でも、「児童手当」に焦点を当てていきます。 1 児童手当の仕組み 児童手当は、0~3歳まで月15,000円、3~15歳まで月10,000円を給付する制度です。一人あたり198万円を支給することになります。  制度理念としては、「子ども・子育て支援」「家庭・生活の安定」を目的にしています。また、「格差是正」「教育機会平等の確保」などの役割も持っており、「社会」が「子ども」を支えると

政策考論:エネルギー安全保障

 こんばんは。Sagishiです。  今回は政策関連の記事で、テーマは「エネルギー安全保障」です。あまり一般的に馴染みはない話かもしれませんが、やっていきます。まぁ、平たく言うと「車や電気を毎日使えるのはなぜか」という話です。 1 エネルギーの輸入先 車などで使う「ガソリン」や、火力発電で使う「天然ガス」「石炭」、こういったものはエネルギー資源と呼ばれています。  電力において「火力発電」の比率は7割に達しており、非常に高いです。それだけ日本は「天然ガス」「石炭」に依存

政策考論:エネルギー政策・自然エネルギー100%は可能か

 こんばんは。Sagishiです。  衆院選を終えて、いよいよわたしは政策議論をより深めていきたい気持ちでいます。今回の衆院選は、野党勢力は「量的議論」が多く、「質的議論」まで踏み込めていない印象がありました。  一律給付金の金額や財政出動の規模、教育への予算の拡充などが、非常に議論のなかで大きなウェイトを占めていました。しかし、ここには「質的な議論」があまり含まれていません。  例えば「教育」であれば、「GIGAスクール構想の推進・発展」「オンライン教育の推進と教育の

立憲民主党の政策をチェックする

 こんばんは。Sagishiです。  今回は国民民主と維新に引き続いて、立憲民主党の政策を見ていきます。 1 重点政策について 重点政策である『政権政策2021』(pdf)を確認します。政策の基本設計にあたる資料です、文章が多いため抜粋して記載します。 ①新型コロナ関連 ・医療/介護従事者への一時給付金の支給(20万) ・低所得者への一時給付金の支給(12万) ・事業規模に応じた持続化給付金の支給 ・コロナ関連対応の司令塔を官房長官に集約 ・「危機管理・防災局」の設置

日本維新の会の政策をチェックする

 こんばんは。Sagishiです。  前回の記事『国民民主党の重点政策をレビューする』に引き続いて、今回は日本維新の会の政策を見ていこうと思います。 1 日本大改革プラン 2021年5月17日に公表された、維新の新しい看板政策『日本大改革プラン』。説明が非常に難しく、複雑な政策です。簡単に表現するならば「税制・労働市場・社会保障の一体改革」をする政策です。詳細は「日本大改革プラン202109完成版.pdf」を参照。 ①フロー課税重視からストック課税重視に移行する(貯金の

国民民主党の重点政策をチェックする

 こんばんは。Sagishiです。  さて、衆議院が解散されました。10/31に投開票になるので、今回は政治についての記事を書いていこうと思います。  「国民民主党」は9/15に、衆院選に向けた重点政策を公表しています。今回は公表された政策を読んで、個人的な意見を書いてきたいと思います。 1 まず前提から まず基本的な考えですが、わたしは現実的で、健全な力強い野党が必要だと思っています。そのほうが日本の政治にとって良いからです。なるべく、野党を支持しようとわたしは思って