わだこ

看取り士。 散在する感情から 凝縮した言葉たちを そのときの温度そのままに。

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最近の記事

どこまでも個人で。

仕事でジャンジャン電話が鳴ってみんな笑えないくらいヘトヘトになっているとき、 「どんなに過酷でも19時(就業時間)は来ますから。ちゃんと終わります。」と言った人がいた。 その考え方が大好きだと思った。 別の日、恋愛相談をしに来た高校生にその話をしたら目を真ん丸くして「ほんとだ!」と言って喜んで帰った。 それぞれ繋がっていないけど。 それぞれ別々で個々人だけど。 私もあなたになれないけど。 同じ時代をみんな一緒に生きていく感覚がとても心地よかった。 その時その場所の

    • 愛しい腫瘍

      愛しい腫瘍 右卵巣の腫瘍摘出手術をした。 小さい子のこぶしくらいの腫瘍。 担当医に頼んで見せてもらった画像。 一見グロテスクな形相だけど 愛おしくて涙が出た。 もう一度お腹に戻して、ゆっくり元に戻してあげたいという衝動も起こったくらい… 人間は60兆個の細胞から出来ていて、正常な細胞には自滅するプログラムが埋め込まれている。時期がきたらちゃんと自分で死ねるようになっている。 がん細胞はそのプログラムを与えられていない。細胞分裂のときにプログラムのコピーミスをされて生ま

      • 自分軸を持ったら自分がなくなった話

        私はこれが好き、これは嫌い。 これは得意、これは苦手。 好きだからやってる。私は私!! そんな時期もそれなりに前向きで充実していて、周りから褒めてもらえることも多かった。 でも、いまの場所から振り返ると ちょっと自分に言い聞かせていたり 思い込もうとしていたところもあったと思う。 (前向きに…前向きに…) (大丈夫…上手くいく!…)とか。 忙しくしている自分のことも好きだった。 頑張っていて、期待に応えることが出来て、褒められる自分のことだけが好きだった。 ✽+†+✽

        • コロナ隔離のその前に…

          書くべきかずっと考えていたことです。 志村けんさんのお兄さんが志村さんの遺骨を抱え、取材に応じる姿に胸が締め付けられました。顔も見られず、骨を拾うことも出来なかった遺族の心の傷を思うといてもたってもいられませんでした。 ものすごく考えにくい、ものすごく厳しい ものすごく辛い文章になります。 大袈裟だと笑われてもいい、 縁起でもないと怒られてもいい、 変な奴だと言われて終われるなら本望です。 【コロナウイルス感染による病状悪化時に対する意思表明について】です。 読める人

        どこまでも個人で。

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          1本

        記事

          お花見の「悪」

          モヤモヤを書き記す。 コロナ拡大が不安視される最中、 感染を厭わず外出し、集う人たちへの バッシング。 個人の感情は横に置いておいて。 「感染させる可能性がある事を理解して」 「強制されないと自粛できない若者」、 なかには 「大切にされてきた経験がないのだろう、可哀想な人たち」 という記事も目にした。 無知で、感染も恐れず、自分勝手に振る舞う人たちは「悪」なのか? 先にあったように、大切にされた経験がないために人を思いやることが出来ないのかもしれない。確かに。

          お花見の「悪」

          誰かの幸せ 誰かの犠牲

          「テセウスの船」最終話を観て。 何の気なしに言ったことややったことで 誰かが一生抱えていくような傷を与えてしまうこともあるよなぁ…と思った。 そこに故意や思惑がなくても。 たとえ相手のことを想っていても。 直接的に、間接的に。 宮沢賢治は 「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と言っていて、 太宰治は 「幸せでいるためには他人に対して無知で鈍感でなければならない」と言っている。 (私の解釈だけれど) 真反対のことを言っているようだけど、 根っこ

          誰かの幸せ 誰かの犠牲

          生きている意味も使命もない

          …あなたの生きる意味とは? …あなたの持って生まれた使命とは? というのをよく聞くし、よく見るのだけど、 そもそもそんなものないのだ思う。 意味も使命もなくて ただ生まれてきたのだけど、 そこに【ものすごいこと】が起こっている。 *☼*―――――*☼*――――― ある物理学者の「人間原理」という理論がある。かなりざっくりだけど「宇宙の年齢は、今およそ138億年なんだけど100億年前後でなければ、(元素の関係で)人間は生まれることが出来なかったはず。」みたいなことを言っ

          生きている意味も使命もない

          対極にいても根っこは同じ

          1年で150冊 本を読む 、と 静かに掲げて4ヶ月。 週に3、4冊ペースですが早々にちっちゃい脳みそがギュウギュウです。 何事もいったんゼロに立つ 練習をするために、 ・同じテーマの本を5、6冊読む ・真逆(両極)の立場のものを選ぶ ということを意識しています。 そんな試みのなかで、私の中で 確信に近付いていると感じることがあります。 それは 「両極に立っていても掘って掘って掘っていくと2つのシャベルがぶつかる時がくる!」ということです。 永遠に交わることのないと

          対極にいても根っこは同じ

          愛してるって……何?

          愛とか幸せとかの類のものは 香りや気配のように、 その場に漂うものだと思っています。 なので、 それが動詞になった途端に怯んで ちょっと後ずさりしてしまいます。 愛「している」状態って… 幸せ「にする」って何するの… ものすごく美味しいものを食べたとき 食べさせてあげたいなーと思ったり、 美しいものを見たとき 一緒に見たいなーと思ったりすることが 『愛』だと思っていた頃もありますが、 いまの 愛「している」は、 『笑いがでる』です。 不得手なことや、奮闘していると

          愛してるって……何?

          有無を言わさず取り上げる大人たちへの代償は...

          ネットを騒がせた『香川県議会ネット・ゲーム依存症対策条例』。「ゲームはダメ」ということではなく依存症を防ぐ目的、ということらしいです。 平日60分、休日は90分と子どもたちのゲームプレイ時間を県条例で制限するものですが、保護者や学校の債務とし罰則規定は今のところないようです。監視面の実効性から見ても無理があるし、結局注意喚起に終息するのでは?と予想しています。 WHOはギャンブル依存症と同様、ゲーム依存を病気と位置づけています。定義として「ゲームのやりすぎで日常生活に支障

          有無を言わさず取り上げる大人たちへの代償は...