「作品に罪はない」という山下達郎の態度は、本当にジャニーズへの忖度なのか?
𝑡𝑒𝑥𝑡. 養老まにあっくす
どこから書き始めようか。まず、「作品に罪はない」ということについて。最近見た「TÁR」という映画の中に格好の題材があった。こんな場面だ。ターはジュリアード音楽院に講師として招かれている。講義の中で彼女は、マックスという学生の前でバッハの平均律を弾いてみせ、「この曲は知っているわね?」と訊ねる。するとマックスは、「自分はBIPOC(黒人、先住民および有色人種)であり、パンジェンダー(男性でも女性でもない第三の性)なので、20人もの子供を妻に産ま