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音楽文の終わりとインターネット・ワンダーランド

ホットケーキがパンケーキと呼ばれるようになったり、フリスビーがフライングディスクと呼ばれるようになったり、ロスタイムがアディショナルタイムと呼ばれるようになったり、パーカーがフーディーと呼ばれるようになったり、生きていると対象はおなじでもそれを指す言葉は変わっていく場合があるということがわかってくる。 いままで存在していたものにべつの新しい名前をつける。そこにはいろいろな理由や意図があるのだろうし、それを名づけているひとがどこかにいるんだよなと思うのだけど、rockin'o

    • ラルクをめぐる冒険 - L'Arc-en-Cielはその音楽にてなにを描いたのか、なにを伝えようとしたのか、という話がしたい

      音楽文が終わってしまうのでなにか投稿したい。最後はラルクについて書こう、最後なので音楽文の華である歌詞引用芸で散ろう、でもラルクの歌詞って雰囲気を味わうもの(失礼)でしょ? 改めてなにを歌っているのかちゃんと全曲目を通してみるか、という気分で書きました。強引でも妄想でも、落ちがつけられてよかったです。 音楽文掲載日:2021/9/2 中学三年の秋に、担任である数学の先生が僕の席の近くにきて拾い上げたのは、そのころリリースされたばかりのL'Arc-en-Cielの『虹』の8c

      • ロックバンドがまた始まるために。 - 『GRAPEVINE FALL TOUR』神奈川県民ホール公演を観て

        2020年の冬の終わりくらいからは避けて通りづらい大きな話題があり音楽文が書きにくい感じになり投稿ペースががくんと落ちてしまいます。ライブがなくなっても音源について書いてみたりすればいいわけなのに、なんか気力や関心が奪われた感じで指が進まなかった時期でした。その状況でなにを書けるか考えるべきだったといまは思うのですが。 音楽文掲載日:2020/11/12 手指をアルコールで消毒して、チケットはじぶんでもぎって、座席はひとつ空けでとなりに座るひとはいない。 2020年11月1

        • 彼女がかわりに歌ってくれた - 初音ミクと僕の音楽について

          書くのがすごくたのしかった初音ミク作文、音楽文においては基本的に月間賞を狙うという気持ちがあったのだけど、この文章は"知るか"みたいな感じで好きに書けたのでたのしかったです。いつも"知るか"という姿勢でいるのがいいのかもしれません。 音楽文掲載日:2020/10/15 浅葱色の髪をした彼女はボーカルとしてライブをしたりロックフェスやミュージックステーションに出たりするのだけど、本来はVOCALOIDと呼ばれる音声合成技術をもちいたボーカル用のソフトウェア音源のひとつであり、

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          軌跡の果てに - GLAYの25周年記念ベストアルバム『REVIEW II ~BEST OF GLAY~』のレビュー

          7,000字超あり、投稿してきた文章のなかでいちばん長いですね。GLAYについてはいくらでも書けるし、このバンドの話をしているときがいちばんたのしいです。 音楽文掲載日:2020/3/27 GLAYのメジャーデビューを25周年を記念したベストアルバム『REVIEW II ~BEST OF GLAY~』がリリースされたので、つい発売日に買って聴いてしまう。アルバムぜんぶ持っているというのに。 このバンドによって発表されたベストアルバムは1997年の『REVIEW』、2000

          軌跡の果てに - GLAYの25周年記念ベストアルバム『REVIEW II ~BEST OF GLAY~』のレビュー

          和田唱の話がしたい - TRICERATOPSの和田唱がソロ活動で聴かせててくれたもの、観せてくれたもの

          和田唱さんがこの文章に対してツイートをしてくれていて、二十年来のファンとしてはこみあげてしまうものがありました。じぶんの大好きなミュージシャンについて書いておきたいという動機で記したのだけど、対象とした方に読んでいただけたというのは、この文章の望んでいなかったひとつの達成なのかもしれません。 音楽文掲載日:2020/2/7 TRICERATOPSのギターボーカルである和田唱がソロ活動をはじめるということを聞いたのは一昨年のことで、そのときはちょっと驚いたことを憶えている。

          和田唱の話がしたい - TRICERATOPSの和田唱がソロ活動で聴かせててくれたもの、観せてくれたもの

          母とQueen - Queenに夢中になる母と、それを見守る息子の一年

          書いてきた音楽文のなかでもこちらはかなり気にいっているやつで、こういう質感のある文章をもっとうまく書けたらなと思っています。 音楽文掲載日:2019/12/17 母はさだまさしが好きで、とくにロックを聴いたりすることはなかった。 そんな母が、あんたQueenって知ってる? と訊いてきたのは今年の三月、僕の部屋に遊びにきたときのこと。 もちろん知ってるし映画も観たよ、Queenがどうしたの。と返すとなんでもテレビの特集を観たとかで気になっているのだという。母とQueen、意

          母とQueen - Queenに夢中になる母と、それを見守る息子の一年

          東京ドームはべつに広くは感じなかった。 - 『BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark』東京ドーム公演を観る

          音楽文投稿生活中はライブを観る=ライブレポートを書いて投稿するみたいなマインドになっていたのは事実で、その分ライブ中の集中が増したりもするのだけど、無心にたのしめないのでは疑惑みたいなものもないわけではなく謎の葛藤がありました。でもまあ、言葉にして記録するというのは概ねいいことです。 音楽文掲載日:2019/11/14 ライブが終わって、ぼーっとしたまますっかり寒くなった空の下でしばらく突っ立っていた。頭のなかでごちゃごちゃになっていた聴いたことや観たことの断片を、すこしで

          東京ドームはべつに広くは感じなかった。 - 『BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark』東京ドーム公演を観る

          ヒプノシスマイクの話がしたい - ヒプノシスマイクという声優とラップが化学反応の果てに大爆発しているプロジェクトについての話がしたい

          当時知ったばかりのヒプノシスマイクについて息抜き的に文章を書いて音楽文に投稿したら最優秀賞を受けてしまった。あまりrockin'on向きな話題ではない気もしてまったく期待はしていなかったので、受賞を知らせるメールを受信したときは噓でしょと笑ってしまったことを憶えています。 音楽文掲載日:2019/10/4 2019年11月・月間賞 最優秀賞 男性声優たちがラップをしているユニットがあり、それがたいそう流行ってるらしい。ということは年の離れた友だちから聞いた。 ふだんはロッ

          ヒプノシスマイクの話がしたい - ヒプノシスマイクという声優とラップが化学反応の果てに大爆発しているプロジェクトについての話がしたい

          夢の飼い主の話 - BUMP OF CHICKENにおける夢の描きかたについて

          GRAPEVINEが描く"光"特集につづいてBUMP OF CHICKENが描く"夢"特集です。といいつついっこまえの音楽文の最優秀賞受賞記念作文みたいな気持ちで書いているので、じぶんの"夢"の話もしてしまっています。ハイになっていたので……。 音楽文掲載日:2019/9/25 音楽の歌詞に取り上げられやすいテーマのひとつに“夢”がある。 これは登場する頻度のベスト3に入るかはわからないけれど、ベスト10には余裕で入りそうな気がする。 ためしにじぶんが曲を管理しているiTu

          夢の飼い主の話 - BUMP OF CHICKENにおける夢の描きかたについて

          ハッピーエンドだけどエンドじゃない - ランクヘッド『plusequal』ツアーファイナル恵比寿リキッドルーム公演の不完全なライブレポート

          音楽文投稿生活での目標は最優秀賞を受けることだったので、受賞できてとてもうれしかったしほっとしたところもありました(この月は100編くらいの掲載で最優秀が2編とかでした)、3掲載目で入賞できたからこれはいけるのでは? と思ったけどそこから長かったですね……、ランクヘッドでいただけたのもうれしかったです。 音楽文掲載日:2019/7/31 2019年8月・月間賞 最優秀賞 開演予定時刻の19時をすこしだけ過ぎて始まった一曲目は「白い声」、メジャーデビューシングルでありバンドが

          ハッピーエンドだけどエンドじゃない - ランクヘッド『plusequal』ツアーファイナル恵比寿リキッドルーム公演の不完全なライブレポート

          ナードマグネットに賭けてみたいみたいなところがある - ロックバンドはどん詰まりなんかじゃないと思いたい

          ギターボーカルの須田さんが感想をツイートしてくれてうれしかった。このように音楽文はrockin'onが企画していることもあり、個人でやるより耳目を集めやすいようで、こういういいことがあったりしました。 音楽文掲載日:2019/7/18 舞城王太郎の小説に『ビッチマグネット』という名前の物語があって、この題はどういう意味かというと主人公の弟がそういう女性を引き寄せてしまうので、友達からおまえはビッチを吸い寄せる磁石つまりビッチマグネットである、と命名されたところからきている。

          ナードマグネットに賭けてみたいみたいなところがある - ロックバンドはどん詰まりなんかじゃないと思いたい

          天体観測観測 - BUMP OF CHICKENの「天体観測」の観測を

          一曲にしぼって書いてみようと思い立ち、好きすぎて避けていたバンプから天体観測について書いてみました。でもひさびさに読み返したら歌詞の引用はしていない、びびっていたのかもしれません。あとそういえば昨年(2022年)リリースされたこの曲の再録版、とてもよかったです。 音楽文掲載日:2019/7/11 BUMP OF CHICKENのあたらしいアルバムが2019年の7月10日にリリースされる。 タイトルは『aurora arc』とのこと。“aurora”はオーロラで“arc”は弧

          天体観測観測 - BUMP OF CHICKENの「天体観測」の観測を

          ランクヘッドの話がしたい - ランクヘッドというバンドをひとりのリスナーがどう聴きどう見てきたのかということについての話がしたい

          ランクヘッドのボーカル、小高芳太朗さんがブログにて"ライブのチケットの売れ行きが芳しくなさすぎて、このままだといままでのような活動の継続が危うい"と公開されたのを受け、なにかをしたくなり近所のジョナサンで夜明けまで書いたランクヘッドへのファンレターです。 音楽文掲載日:2019/6/21 アルバイト先の本屋の有線放送で、はじめてその声を聴いた。 切なくて、逼迫していて、尖っていて、でも何かを訴えるような力強い歌声だと思った。僕は思わず別の(有線を司る)フロアの社員さんに内

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          そのあり余るバイタリティーで平成の世を駆けた君よ - GLAYと平成

          もうすぐ平成が終わりますというタイミングで仕事が9連休くらいあり、時間があるから平成にちなんだなにかを書こうかと考えて思いついたのはGLAYでした。歌詞を引用しまくっているんですが、探したというわけではなく書きたいことに合う一節が自然にすっすっと浮かんできたのがおもしろかったです。 音楽文掲載日:2019/5/6 音楽はもちろん時代とともにあって、時代が変われば音楽の有り様も変わったりする。音楽が時代を動かすなんてことは……基本ないと思うのだけど、ごくまれにあったりしただろ

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          ヒゲとメガネのあやしくてすてきなおじさん - J Mascisの来日公演を観る

          ライブレポートは賞味期限がありそうだから再掲してもどうなんだろうか? と思っていたのですが、誤字脱字の確認のためにこの文章をひさしぶりに読み返したら僕自身があの日のライブのことをけっこう思い出すことができたから、それだけでよかったのかもしれない。いや、よくないですね……。 音楽文掲載日:2019/4/24 僕はじぶんのことを“おじさん”と云わないように心がけている。もう三十代も後半を迎えているため、だいたいの角度においておじさんにカテゴライズされてしまう昨今、難しい姿勢かも

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