マガジンのカバー画像

好きな写真について

35
好きな写真とは? その問いに対して、自問自答しながら考えているnoteです。
運営しているクリエイター

記事一覧

好きな写真について #35

ゴールデンウィークに撮った写真を確認していると、何枚か通行人を写した写真があった。人が居るだけで、街が生きているように感じる。誰もいない街の写真は、人の気配は感じられるけど、なんとなく物足りないというか、寂しく感じることがある。街と人を一緒に撮れば良いというわけでもないから、経験や価値観が加わることで撮影者それぞれが見た街の写真になるんだと思う。 あとになってから気付くことが1年に何度かある。青と白のパラソルは、この写真だけだと、ここに存在していて、ブルーシートや、ホワイト

好きな写真について #34

スナップ写真のワークショップ開催案内がTwitterに流れてくることがある。『すてきな切り取り方』といった宣伝文句を見るたび、あなたのすてきは私のすてきと必ずしも一致しないのにと思ってしまう。写真をどう撮れば良いか悩んでいる人に対して救いの手を差し伸べているように見えて、実は可能性を潰してしまう恐れがあることを真剣に考えている人は多分少ない。私たちは悩める子羊を救っているんだという意識があるから。残酷だよね。 ボクには写真を教えることなんてできないし、教えてもらおうとも思わ

好きな写真について #33

好きを意識していると、無意識の好きに気付けない可能性がある。 存在するものすべてを好きか嫌いで判断していたら、もう一生をそれに費やしてしまうだろうから、ボクたちは何も判断しないために存在すら意識していないフリをして自分を守っている。その意識していないものの中に、好きな写真が含まれていても不思議ではないし、きっと含まれている。では、なにがキッカケとなって感情の変化が起こり、好きな写真が現れるのだろうか。メカニズムの解明を1,000文字程度の文章しようとすることが無理な行為かも

好きな写真について #32

ボクがショア様の写真に憧れるようになってから、まだ5年くらいしか経っていません。だから読者の皆さまの中には、「ショア様??」という方もいらっしゃるだろうから、まずはこの写真集を読んでみてください。 本当にその辺の風景や、知り合いを撮っているような写真ばかりで、「刺激が少ないなぁ」という感想をもたれる方もいると思います。ボクはその刺激の少なさに惹かれ、同じように撮りたいと思える写真がたくさんありました。それまでのボクはSNSで1、2秒しか見てもらえない環境で如何にして興味を引

好きな写真について #31

父と母と一緒に喫茶店で桜を見た。 お昼に子どもたちと近所の公園で走り回った後、妻と子どもたちは習い事に出掛けた。実家に用事があったボクは、その時間を活用することにした。LINEで「あと1時間後くらいに家に行きます」と母に連絡すると、「駅まで迎えに行こうか?」とすぐに返事があった。ボクは、「桜を撮りながら向かいます」とメッセージを送った。「はーい」という返事を見ると、迎えに来てもらった方が良かったのかなと思ってしまう。 踏切を渡って一つ目の交差点にある桜はすでに満開だった。

好きな写真について #30

FUJIFILM X100Ⅵ通常版の購入を見送ることにした。現行機を所有しているボクは、限定版で撮れることがX100Ⅵに求めていたものであり、通常版ではそれを満たすことができない。高画素になったといっても、GFXや他社のフルサイズ機にも劣る。高画素機を手にするなら、1億画素以上という強い思いがある。そして、何より今撮りたい写真はX100Vで撮れるし、これで撮れない写真のことを考える気にもならない。それくらいいいカメラなんだ、X100Vは。 ISOを1000まで上げているから

好きな写真について #29

何を撮っても好き。記録されている写真は、ボクが興味をもった風景だから当たり前のことだけど、パソコンに取り込んだ後に一手間加えることもある。FUJIFILM X100Vを使い始めてからそろそろ4年が経とうとしている。jpegで完結させるためにカメラの設定を微調整を始めたのは去年くらいだったかな。SNSへの投稿頻度は下がっているけど、写真を撮りたい欲は日に日に増していて、今日も朝、昼、夕方と雨の中、近所の似たような場所を散歩していた。時間が変われば、明るさも変わるし、そこに在るも

好きな写真について #28

このタイトルで何本目書いたのか調べる時間が惜しい。あと4日で2023年が終わってしまう。一年前から、「好きな写真」について書きながら考えてきたけど、結局よく分からなかった。 分かったことといえば、気分や体調で見たくなる写真が異なることや、嫌いな写真はどんな状態で見ても嫌いだということくらいだろうか。どんな状態で見ても好きな写真ってなんだろう? ショア様の写真集であっても、仕事が忙しくて余裕がないときに見ると良さを味わうことができない。やはり家族の写真だろうか。仕事休んでクラ

好きな写真について #27

6年ぶりの個展がいよいよ明日から始まります。慌しかった先週が嘘のように、とても静かです。乾燥機が動いている音とキーボードに触れる音しか聞こえません。音楽を聴かずにnoteを書いているのは、ヘッドホンを付けるのが手間だと言うこともあるけど、部屋の中で聞こえる音を意識したいと思ったからです。 ボクは今、文章を書いています。自分がここに在ることを意識しなさいと教えてくれる仏教の本がたくさんあります。流し読みで気になる部分しかちゃんと読んでないから、本質は理解できていないと思います

好きな写真について #26

来月大阪で開催する個展に向けて、毎晩冊子の制作を進めている。進捗をXで共有することで誰かに見られているプレッシャーを掛ける。そんなことしなくても作れるんだけど、深夜のテンションで投稿してしまう。いいねが付くことはほとんどない。承認欲求を満たすどころか、誰にも興味をもってもらえてないんじゃないかと不安になることもあるけど、直接ボクにメッセージを送っていただいた方に支えられながら頑張っています。100万個のいいねより、1通のメッセージがボクに勇気を与えてくれる。 約2ヶ月ぶりに

好きな写真について #25

心がザワザワしている夜。そのまま言葉を吐き出してはいけない。それなのに今朝も通勤電車で毎日noteを書かず、kindleでニーチェを夢中で読んでいた。背中には、ブレイディみかこさんの「他者の靴を履く」が入っているのに、今朝はそんな気分だった。作業机には、単行本版もあるけど、いつでもニーチェに触れられるように、amazonポイントでスマホにお招きした。「ツァラトゥストラかく語りき」。ボクが読んでいるのは河出文庫版だ。黄色い背景に鳥のシルエットが描かれた表紙を見た瞬間にときめいた

好きな写真について #24

昨年、12月23日から「好きな写真について」というタイトルでnoteを書いてきた。不定期更新ではあるが、これで24本目。毎日note更新の合間に、写真について感じたことを残したいと思ったときに書くことが多い。写真を撮ったり、見たりした後に、考える時間を確保できたとき、なんとなく残しておこうと思うと、前回の記事を検索し末尾の番号を打つ。ちなみに前回を振り返ってみると、「いままで気にしたことのなかった存在に気付いた写真」が好きだと書いてある。 街は生き物だから当然だろと思うけれ

好きな写真について #18

前回から1ヶ月以上も間が空いてしまった。 好きな写真について考えなかったわけではない。何度か書こうとしたが、途中から話が逸れて、タイトルを変更してしまったものがいくつかある。だから、今日は強い意志をもって書き終えたい。先に目次を書けば、話が逸れる心配もないのでそうする。どんな内容を書くか決めてないのに、目次を決めることがどれだけ馬鹿げたことかは実際に取り組んでもらえると分かりやすいと思う。まず、目次になりそうな言葉が出てこない。それでも何か書けば、それをキッカケに思考をスタ

好きな写真について #19

もう何度目になるだろう。iPhoneからツイッターのアプリを削除しました。スクリーンタイムを確認すると、SNSに費やしている時間はInstagramとFacebookを合わせて10分。自分でも驚いてしまうほどの変化でした。Facebookはキングコング西野さんの記事を毎日読みたいので、アプリがiPhoneから消えることは考えられません。彼のように人生をエンタメに全振りする生き方は真似できないから、追体験したい気持ちが表れているのです。 iPhoneに触れる時間は減りましたが