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コーヒー31:コーヒーの歴史(20世紀)

おはようございます。
昨日の0℃からのぶり返しのせいか6℃の朝はとてもマイルド。日差しも気持ち良くて、いつもはnoteを書いた後にやる植物たちへの水やりを先に上げてきた。

さて、人類がコーヒーを発見してから19世紀までの、「飲み物として」と「生産地として」の広がりを見てきた。今日は現代に繋がる20世紀の出来事を見ていこう。

20世紀

イタリアでエスプレッソが誕生

お湯で煮出すのでははく蒸気圧を利用してコーヒーを抽出する方法、エスプレッソを完成させ世に広めたのがイタリア人、ルイージ・ベゼラその人だ。
ただ忘れていけないのは、このアイディアを最初に形にしたのはトリノの発明家アンジェロ・モリオンドだということ。彼が自身のカフェテリアで、大勢のお客に素早く対応する目的で1884年に蒸気式カフェマシーンを作ったのがそもそもの始まり(それにしても、カフェを経営する発明家ってかっこいい)。only oneだったオリモンドの機械を、他のカフェテリアでも多くの注文に対応できる様にアイデアを改良して工場での生産に踏み切ったのがベゼラという訳だ。

(利権関係は大いに気になるけど)ベゼラはこの蒸気圧を利用した業務用機械の特許を1901年初めて取得、1906年にミラノで開催された万国博覧会で「CAFFE ESPRESSO」と大きく描かれた看板と共に世界に紹介した。
彼の機械の最大の特徴は、それまでの機械がポット単位でコーヒーを抽出していたのに対して、コーヒーの粉を詰めるフィルターホルダーから抽出された1杯又は複数杯のコーヒーを直接カップに注ぐというものだったこと。取っ手付きのフィルターホルダーと抽出をコントロールするバルブという組み合わせは現在のエスプレッソ・マシンにも踏襲されている。

1903年にこの特許の使用権を得たデシデリオ・パボーニは、1905年に商業ベースでの機械製造を開始しました。客の求めに応じて一杯ずつ濃厚なコーヒーを抽出するパボーニ社の機械は、客の求めに応じて一杯ずつ煮出す方式のトルココーヒーに馴染んだイタリアのカフェを中心に好評を博し、他の業者もこれに追随しました。あまり待たされるのが得意じゃないイメージのあるイタリアだけど、「コーヒーは一人一人に一杯ずつ丁寧に出されるもの」というベースがあったからこそ、このエスプレッソスタイルは受け入れられ、より根付いていったのだと思われる。今としては彼らの文化としての誇りさえ感じられるし、様々な飲み方で親しまれている。

エスプレッソという単語の語源についても「急行、急速」を意味するという説と「特別に、あなたのために」を意味するという説に分かれている。しかし、すぐ提供できて、一杯ずつ丁寧に抽出して出す訳で、きっとその両方の意味を持たせた、イタリア人のシャレのようなものだと思う。バールなどで注文が入れば、すぐ横でガンガン叩いて前のエスプレッソの粉を捨て新しい粉を落とし込みぎゅっと上から抑えてからマシンに回し込む。スイッチを入れればものの数十秒で自分のためのエスプレッソが出てくる一連の作業は何度見ても飽きないエンターテインメント性がある。

因みに僕が愛用しているマキネッタ(コンロで使える直火式のエスプレッソメーカー)は、1933年当時出回っていた洗濯をするための道具(lisciveuse)からヒントを得たアルフォンソ・ビアレッティによって発明された。ビアレッティの名前はマキネッタのトップメーカーとして今も残っている(カバーで紹介している、右手を挙げたトレードマークのヒゲおじさんのモデルもビアレッティ)。
91年の歴史の中で自分も10年使っていると、その歴史を共有できている様で余計に愛着を感じてしまう。

アメリカはインスタントコーヒーを製造

一方、1773年のボストン茶会事件以来、コーヒー最右翼(言い過ぎ)となっていたアメリカではまた違った動きが。
1914年から始まる第一次世界大戦に先立ち1907年、インスタントコーヒーがアメリカで軍事用品として製造される様になる。そりゃ常に死のプレッシャーと戦わなければいけない戦士達には、せめて日常のリラックスタイムを思い出せる(そして同時にカフェインで気分を高揚させられる)コーヒー位手間をかけずに飲ませてあげたい(そもそも戦争しないのがいいんだけど)。
もちろんお湯を沸かすだけで自分の好きな濃さでコーヒーが作れてゴミも出ないとなれば、その手軽さで世界的な人気を生み、第二次世界大戦後幅広く消費されるようになる。

バリスタ選手権開催

ロンドン開催のヨーロッパのコーヒーコミュニティの代表者会議で「ヨーロッパ
コーヒー協会(SCAE: Specialty Coffee Association of Europe)が1998年結成される。
そして、2000年にSCAEモンテカルロ大会で第1回世界バリスタ選手権(WBC)開催に至る。

ヨーロッパスペシャルティコーヒー協会(SCAE)は、スペシャルティコーヒーの共通基準を作ろうとする同じ趣旨で1982年にアメリカのコーヒー関係者が集まってできた「アメリカスペシャルティコーヒー協会(SCAA: Specialty Coffee Association of America)と2017年に合併、スペシャルティコーヒー協会(SCA: Specialty Coffee Association)となった。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

7世紀から始まったとされるコーヒーと人間の歴史を4回に分けて簡単に見てきた。その歴史はかなり濃く、多くのキーパーソン達のアクションによってバトンが繋がれて、今ではこの魅惑の茶色の液体は世界の隅々まで人がいるところにはどこにでも行き渡っている。
紀元前2700年ごろから飲まれていた(葉っぱを煮出す)お茶と比べれば歴史は長くないが、同じ様に世界中を虜にしているコーヒー。
今日も日本までコーヒーを届けてくれた人たちに感謝しながら週末のカフェタイムを楽しもう。



僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い週末を。

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