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【おすすめ本の紹介】小野寺史宜さん『ひと』を読んで

小野寺さんの本を初めて読んだ。文調にリズム感があり、サクサクと読めた。

この本は、様々な登場人物を通して人間の本質が如実に表されているのではないかと思った。

動物は、自分が生き残るために、自分の子孫を残す為に、相手を陥れることを平気でする。
進化して感情が発達した人間は、生きるために、利益の為に、相手を巧みに陥れる。
それが、悪かと問われれば、上記から悪ではない気がする。

優しい、包容力がある人が、良い人だと決めつけたのも人間で、それが社会で生きていく上で必ずしも良いことかと言えば、そうではない場合もあり、俗世でよく言われる『世渡り上手』とは、これらの善悪を巧みに使い分けられる人を指すのではないだろうか。。。

と、この本を読んで大学時代に感じた感情が蘇って来た。

人それぞれ、譲ることが出来るものと譲れないものとがある。それらをお互いが理解しあい、受け入れる事で、今を大事に生きることが出来るのではないだろうか。

お人好しの聖輔(主人公)にも譲れない感情があって嬉しかった!

素敵な本を見つけることが出来た❣


✻おすすめです!ご興味ある方は、是非一度手にとってみてください。


【すきな言葉】
✥「悲しみがきっちり二倍になるわけじゃないことがわかりました。きっちり二倍になられたら、人は本当につぶれちゃうんだと思います。」
↑両親に先立たれた聖輔が言った言葉

✥「プラスが生まれたときよりマイナスが消えたときのほうが人はずっとうれしんだってわかったよ。一億円の宝くじが当たるより一億円の借金がなくなるほうが、たぶん、うれしい」

✥急がなくていい。一つ一つだ。急がないが、とどまらない。そんなふうにやっていけたらいい。先は大事。でも今も大事。先は見なければいけない。でも今も疎かにしたくない。だって僕は、生きてる。


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