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ガジュマルの樹の下の、イスラム教徒の華麗なるファッション


ヴァンドゥンガンの高原リゾートで一泊した帰り、ちょうどお昼時で
KOTA LAMA歴史地区を車で通りがかっていた

ドライバーに地区の入り口で降ろしてもらい、ランチはいつもの〈SPIEGEL〉で済ませようと路地を歩いていると、黒山の人だかりにぶつかった


歴史地区の、撮影で最も有名な裏路地に集まるひとびと(KOTA LAMA 2023年6月2日撮影)


よくみると、ひとりの若い女性に注目が集まり、プロと思しきカメラマンが真剣にファインダーを睨んでいる

その女性はイスラム教徒の証であるジルバブで頭部を覆い、濃い色のサングラスをかけてモデル然としたポーズをきめている

ここKOTA LAMA歴史地区は、約300年にわたって続いたオランダ・コロニアルの風情を強く残したスマランの観光エリアでもあり、映画やドラマ、音楽のPV、ファッション誌のシューティングなどが盛んに行われるエリアで、この裏路地は巨大なガジュマルの樹が白壁の外壁に絡みついていることもあり、特に人気の撮影スポットなのだ


KOTA LAMAのシンボルでもあるガジュマルの巨木(2022年)


ちょうど撮影がひと段落したところで、アシスタントと思しき髪を茶色に染めたインドネシア人の若者と目が合い、何の撮影をしているのかを訊いてみた

残念ながら雑誌名まではわからなかったが(ひとえにわたしの語学力のせい)
ファッションシューティングの最中とのことで合計で3名の女性モデルが待機しており、そのうちの椅子に腰かけていた2人が、わたしの話を聞いていて、彼女たちはやや胸を張ってにこう教えてくれた


ーMuslim The latest fashion!!
(イスラム教徒の最新ファッションよ!!)


異教徒のわたしにしてみれば、イスラム教徒の女性のみなさんのファッションはどれも同じにしかみえないが・・・

などということはもちろん口には出さなかったが、その2人が問わずに教えてくれたところによると、最近の流行の傾向は”レトロ”にあるらしい

確かに彼女たちが着ているワンピースの細かな花柄だったり、先が尖ったヒール、大ぶりのサングラスが60年~70年代のレトロな雰囲気を醸し出しているように思える


待機中のモデルさんとカメラアシスタント


やがて休憩しに来たメインカメラマンもこちらにやって来て、わたしも一眼レフを首から下げていたこともあり、ダメ元で何枚か撮影してもいいかと尋ねるとこちらが拍子抜けするほどあっさりOKしてくれ、脇で数枚だけ撮影させてもらうことに


なかなか堂に入ったポーズ


イスラム教徒の最新ファッション


待機中の2人

時間にしては3分に満たなかったと思うが、興味深い撮影に参加させてもらい、もうこれ以上は彼らの邪魔になるに違いないと思え、撤収ー

しかし、どこの国籍や宗教が異なるとしても、着飾った女性の堂々とした姿はいつでも美しく、そして光り輝いて見える



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