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そのお仕事依頼、反社会的ではないと確信できますか?

「え、おいしい仕事ですね!やります!」

先月、ライター交流会に初めて参加した。ライターに執筆の仕事を仲介している企業が主催し、ライター同士の親睦を深めたり、主催者から直接仕事をもらったりする会だ。そんな中で、主催企業側の女性がある仕事を紹介してくれた。

文字数1,000~2,000時で、記事単価は3,000円ほど。テーマはほぼ自由。報酬はそこまで高くない。でも記事は外国語に翻訳されて海外向けに発信されるので、コピペをしても全く問題ない!どう、いい仕事でしょう?

この仕事に、WEB広告の仕事とライター業務の両立で多忙すぎると話していた男性が食いついた。「え、おいしい仕事ですね!やります!」と女性に話していた。たしかに、コピペがOKで報酬が悪くない仕事は珍しい。ライターの彼が言うように、おいしい仕事かもしれない。

仕事を紹介してくれた彼女も、依頼元ははっきり分かっていないらしい。とはいえ、ライター業を始めたばかりのわたしにとって、受けておいて損はない仕事のはずだ。わたしは「おいしい仕事」と発言した彼に倣って、仕事を紹介してもらうようお願いした。後日、日本の観光地の紹介文を書いてほしいと言われたので、コピペを交えながら原稿を作成した。これで報酬を得られるなら、やっぱりいい仕事に違いないと思った。

だけど、本当にこの仕事はおいしいんだろうか?

依頼主の顔がなかなか見えないライティング案件

連日ニュースで、お笑い芸人の闇営業が報道されている。暴力団や詐欺グループなどの反社会的勢力から報酬を受け取ったのが明るみになり、芸人たちは解雇や活動休止となってしまった。ヤフーニュースのコメントを見ると、彼らにはかなり多くの批判が寄せられていた。

闇営業は当然やってはいけない行為だ。でも、わたしは芸人の彼らを批判できない。ライターやライティングの仕事でも、闇の仕事があっても不思議ではないと思うからだ。

女性から紹介されたコピペOKの記事執筆の仕事は、依頼主がどこのだれか分かっていない。女性が仲介しているので、今後も相手の素性がわかる機会はないだろう。ただもし海賊版の商品を販売する企業だったら、観光サイトを作っている暴力団などの反社会的勢力だったら、わたしは闇営業ならぬ「闇ライティング」をしている可能性はあるのではないか?相手の顔が見えない以上、ゼロとは言い切れない。

かつてクラウドワークスを利用してライティングしていた時は、もっとひどかった。契約書も結ばずに、どこの誰が依頼しているのかもわからない記事執筆を依頼されていた。ライターの個人情報の管理がどのようにされているのかもわからない。そもそも依頼者が個人なのか、どこかの企業に所属しているのかも分からなかった。もしあの仕事の中に反社会的勢力の依頼が混じっていたとしても、全然不思議ではない。

おいしい仕事にすがりたくても、疑う気持ちは忘れずに

今後ライティング業の比重を増やしていけば、少しでも楽に稼ぐために「おいしい仕事」を望むようになるだろう。そしていい仕事を紹介されたら、ラッキー♪と思って飛びついてしまうかもしれない。

ただ受ける前には、まず「本当?」と疑う気持ちは持つようにしたい。文字にすると当然のことのように思えるけど、その当たり前を忘れてしまったからこそ芸人の闇営業の問題が起きていると思う。

未来に傷がつかないよう、ちゃんと疑って選ぶ勇気は持っていたいな!

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