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凛として

ラピスラズリを溶いた空

天候という現象の真ん中を抜け

透影を仰ぐ

ひんやりとした木立に二人

甘い罪を共に犯して


水晶体の中で

催涙の源をすり抜けて

泳がされた日々は

ぐにゃりと歪む

片方ずつ

明日という現象を分け合えば

例えば

ほらもう

我らが彼方


水の世界は

程よく循環している

土を潤すその様は

太古の産物を活き活きとさせ

深い森の中では

天秤に絡まる白蛇が

あなたと私を試しているのだ

優雅に

その光る体をくねらせながら

細く撓る長い舌より  

ポトリぽとりと

垂らす水銀 


三角座りでかの歌を

うたった日々は

莟の中の後ろ姿

水を湛えたその星に  

月を読む頃

あなたの隣に

アマリリス咲く

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