見出し画像

ひたすらに帰路を辿る。

ひたすらに帰路を辿る、辿る。
この時間なら当たり前かもしれないけど。

今日は20時から彼と飲みに行く約束をしていた。
それを楽しみに今週は仕事を頑張った。

なんとか終わらせて
待ち合わせの時間にも間に合った。

楽しい時間を過ごした。
それなのに。

私は今帰路についている。
喧嘩した訳でもない。

追い出された訳でもない。

ただ、先に彼が酔い潰れてしまって
孤独を感じたのだ。

ただ、それだけ。

この世に一人取り残されたような。
ひとりぼっちになってしまったような。
そんな気持ちに苛まれた。

それにまた追い打ちをかけるように
エアコンのリモコンが見つからず。

寒い部屋で体育座りをしながら、
ただただその時間を過ごした。
気がつけば手先足先は冷たくなっていた。

思わず彼の家用の寝間着から
私服に着替えた。
外に出る準備をした。

そして今。

私は自分の家に向かう電車に向かっている。
こんなに思いきった行動は初めてだ。

彼の目にはどう映るのだろうか。

でも、そんなことより
自分の気持ちを守るため、帰ってきてしまった。

酔い潰れた彼を介抱するのが
今のいっぱいいっぱいな私には辛くて。

むしろ私が
この心のケアを望んでいたのに。

こんなにも疲労困憊な私の心を
癒してほしかったのに。

それくらい、自分の気持ちに
余裕が無いということ。

こんなに働いて、
一体何が生み出されるのだろう。
ストレス?嫉妬?責任感?嫌悪感?罪悪感?

それとも自分のできることを
他人から否定されたくないという"自尊心"?

そんなもの、こっちから願い下げだ。

……明日の朝になったら謝ろう。
思い切って自分の家に
帰ってきてしまったこと。

そんなに深い意味はないけれど、
酔い潰れた彼を介抱するほどの気力は
今の私には残っていなかったということ。

ちゃんと、ちゃんと伝えよう。

とりあえず泥酔している私の戯言は
本当に戯言だと思って自分でも無視して。

まずは家に帰ろう。
家に着いたらベッドにばたんきゅーしよう。

今週は頑張りすぎたよ。
最近、頑張りすぎだよ。
ここ1ヶ月ぐらい、ずっとずっと。
無理しっぱなしだよ。

せめて今日くらいは。
せめて今日明日くらいは。

自分のために休もう。
そうしよう。

ごめんね、彼氏。
今の私にはきっと、心の余裕がないんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?