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最後に見つけたのは、自分の居場所。「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」感想

おかえり、そしてさよなら。
ありがとう、インディ・ジョーンズ。

STORY:考古学者で冒険家のインディが、人間の想像を超える力を持つといわれている秘宝「運命のダイヤル」を追う。ところが、そんな彼の前に、同じくその宝を狙う元ナチスの科学者・フォラーが立ちはだかる。

“時間”をコンセプトにしたアイデアに脱帽

あのインディ・ジョーンズが、15年振りにスクリーンに帰ってくる。
そう聞いたとき、「どうやって?」と思った人も多いと思う。

そもそも、15年前のシリーズ4作目「クリスタル・スカルの王国」も3作目「最後の聖戦」から19年振りの続編だった訳ですから。

インディを演じるハリソン・フォードも4作目時点(66歳)でもう動ける年齢じゃないと言われていたのに、80歳になってどう作るのか、という話になってくる。

今回の「運命のダイヤル」は、そんな世間の声を逆手に取った作品。
衰えまくったインディの姿を敢えて強調し、彼が生きる理由を見つけるまでを描いた物語です。

このコンセプトが、実に見事でした。
5作目となる今回まで”時間”というテーマが残っていたのは運命か、必然なのか。
インディが時を経て衰えていることが、物語にバチっとハマっている。
2023年の映像技術と、ハリソン・フォードが80歳であることが必要な作品に仕上がっていたことを、まず評価したいと思います。


見所満載だが、脚本は若干緩慢

本作は全編に渡ってアクションが盛り込まれており、観客に退屈な時間を与えないように作られています。
しかしながら、逆にそれが緩慢。
というか、見どころをぶち込み過ぎて全体尺が長過ぎる。
もうちょっとカットして、尺を2時間少々に収めていれば評価は今以上に上がったと思います。
どう考えても、2時間34分は長過ぎる。
傑作だった1〜3作目は全部2時間前後だった訳で、本シリーズにそれぐらいの尺が合っていることは明白だったと思うんですけどね。

中盤にある水中のアクションシーンは見づらかったし、そのちょっと前のカーチェイスも長過ぎる。
あの辺のくだりをうまく切っていれば、2時間10分ぐらいになりそうなんだけど。
勿体無いなーと思っちゃいましたね。

ちなみに、後半のトンデモ展開は個人的には結構アリでした。
前作「クリスタル・スカル」あれをやっちゃった以上、禁じ手なんてないようなもんですから。笑


まあ、なんだかんだグッとは来ちゃうよね

まあ、悪いことも書きましたけれども。
やっぱ終わり際はグッと来ちゃいましたね。

全く前情報を入れていなかったので、あの人の再登場を予想していなかったんですよね。

「誰のために生きる?」というインディの切ない問いかけに、ああいう形で答えが出るのは本当素敵以外のなにものでもなかったですね。

冒険の果てに、インディが大切なものを見つけて。
彼らしさが詰まった本作のラストカットは、やはりグッと来るものがありました。

そもそも、ハリソン・フォードがいくつになろうと彼がハットを被ってムチを振り回し、「レイダース・マーチ」が流れたらインディ・ジョーンズの世界が永遠に続くことは僕らファンにとっては変えようのない事実で。
あの姿を再びスクリーンで見ることができただけでも価値のある作品でした。

あと、全然関係ないんですけどインディの息子であるマットが設定上不憫な扱いを受けててちょっと笑ってしまいました。
本来笑っちゃダメなんですけどね。
演じてたシャイア・ラブーフ、素行悪いもんなぁ…


という訳で、映画としては70点ぐらいなんですけどインディ・ジョーンズファンなら絶対観た方が良い作品でした。

大画面でハリソン・フォードのインディが見れるのは、間違いなく本作が最後。
前半はCGを駆使して制作された若いインディも見れて、一粒で二度美味しい。

ファンなら迷わず劇場へ。

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