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アラサー男子が語る、懐かしドラマレビュー③「花より男子2(リターンズ)」(2007)

第1話だけ、謎に生田斗真出てたよね。

1作目のレビューはこちら。


前作の大ヒットで製作費大幅アップ、NYロケから始まるド派手な今作。
平均視聴率・最高視聴率共に前作を大幅に超える大成功を収めた。
前作に比べて明らかに垢抜けイケメン集団っぷりが増したF4の存在感と、女優として一段階上のステージに上ったにも関わらず芋臭さを残した井上真央の役作りが実に見事で、メインキャスト陣の演技は文句のつけようがない。

特にF4の髪型・衣裳のアップデートっぷりは半端じゃなく、ルックスの完成度はそこらのアイドルグループよりよっぽど高い。
4人が画面に映っているだけでも女性視聴者は満足だろう。実際、僕も満足だった(?)。

道明寺の天然っぷりや花沢類のミステリアスっぷりは前作よりさらに拍車がかかっているが、それが更に漫画的ラブコメの面白さを高めており、中盤から徐々にギアがかかってきた前作とは異なり序盤からパワー全開の出来。
ちなみに、西門と美作の良いやつっぷりにも磨きがかかっているのでそのあたりも注目。

加藤夏希が演じる、今作でつくしの恋のライバルとなる大河原滋も憎めないナイスキャラ。
破天荒だけど芯がしっかりしており、恋敵なのになぜか嫌いになれないこのキャラクターを自然に演じるのはかなり難しかったはず。
彼女は女優としてもう少しブレイクしても良かった気がするなぁ。

前作で設定がしっかり刷り込まれた分、他にも西田やタマなど、サブキャラの良さが際立つ。
途中で西門メインのエピソードが挟まれるのも印象深い。
ここでもスポットの当たることのない美作さんは
若干かわいそうではあるが、本作から約10年後に演じた俳優に何が起こるかを考えるとこれも必然だったのかもしれない。

後半は原作の人気エピソードを次々投入することで前作のようなグダりを回避しているが、あまりにも急展開が多すぎてやや駆け足気味になった印象も否めない。

まあ、元々非現実的な設定だし道明寺が無一文になったり記憶がぶっ飛んだり雪山で遭難したりするのも割とすんなり受け入れられるんだけどね。

後半に登場する戸田恵梨香演じる海の極悪キャラっぷりは強烈で、ある意味道明寺ママよりインパクト大。
観ているだけではらわたが煮えくり変えるような
性悪キャラだが、これは戸田恵梨香の可憐なルックスと演技力が効力を発揮してのこと。
キャスティングとしてはハマっていたと言える。

こいつのせいでつくしと道明寺は死にかけてるわけで、(まあ、おかげで記憶が戻ったと言えなくもないが)ぬかるみにハマった車押したぐらいじゃ到底許されない。
いっそお前が会場まで車押せやと言いたくなるが、許してあげるつくしはほんと女神。

そこまで心が広いのはありえないっつーの!と言いたくなるところだが、この辺りこそ道明寺が認める所以なのだろう。

最終回の雪山遭難で初デートを思い出す流れ、プロムでのプロポーズやつくしとF4とのダンスシーンはやり過ぎなぐらい少女漫画要素盛り盛りでふが、この作品の空気感にはふさわしい。
完結作として、申し分のない終わり方でした。

また、第一作でも印象的だった主題歌・挿入歌が今作ではさらにレベルアップ。
嵐の「Love so sweet」は本作のOPにぴったりだし、宇多田ヒカルの「Flaover of Life」これ流しときゃなんとかなるとさえ思えるドラマチックさで、挿入歌としては最高クラスのクオリティ。

起用された2曲ともオリコン年間シングルランキングのTOP10に食い込む大ヒットを記録( 「Flaover of Life」 が年間2位、「Love so sweet」 が年間6位)。
音楽とドラマが相互に魅力を高め合っている、タイアップの理想的な形が実現している。

単品で観ても面白いドラマではあるが、前作で作り上げた路線の延長線上にあることで面白さが担保されていることを考えると、第1作がいかに偉大な作品だったかが伝わってくる。

途中で息切れすることなく勢いを保った点は評価できるが、“続編”という強みを最大限に利用した構成を考えると総合評価は前作と同じぐらい。

とはいえ、16歳の頃観ても今観直しても面白いのは素晴らしいし、放送当時はこの作品を観ていないと学校での会話についていくこともできないという影響力の大きさはすさまじかった。

井上真央・小栗旬・松田翔太を主演級のスターに押し上げ、松本潤並びに嵐を大ブレイクさせたこと、この作品の後を追うように少女漫画の実写化が急増したことを考えると、このシリーズがエンタメ界に与えた影響は計り知れない。

国内の連続ドラマ史を語るには視聴が必須となる作品。

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