見出し画像

何を作るのか、なぜ作るのか

これまでこのブログでは一体何を作ろうとしているのかを明かしてきませんでした。そろそろオープンにしてもいいかなと思い書いてみようと思います。

端的に言うと、ミャンマー人向けの「転職求人サイト」です。はい、正直に言ってサービスとしての新規性はあんまりありません。いわゆる新興国向けのサービスとしては基本中の基本のようなものです。僕はあんまり奇をてらうのではなく、着実に伸ばしていける分野のサービスを作りたかったんですね。

基本中の基本ですから、既に何社も市場に参入しています。例えば現在ミャンマーで転職求人サイトのトップ3としては以下があります。

MyJobs.com.mm

work.com.mm

JobNet.com.mm

いずれも日本でいうとリクナビNextやDODAのような総合サービスを展開しています。しかし、ミャンマートップのMyJobsでもアクセス数は日本の中堅サイトの10分の1くらいの規模しかない状況。ミャンマーの人口は日本の半分もありません(約5,100万人)が、さすがにこの規模はまだまだ小さすぎると言えます。ミャンマー人自体がまだネットで仕事を探すことに慣れていないという現実あり、これからネットを自在に操れる若い世代が増えることで市場はどんどん大きくなると予想しています。そんな中であれば、まだまだ参入しても勝てる可能性があるだろうと。

参考までに、日本の状況がよく分かるこんな記事を見つけました。

求人サイト全690種!おすすめ求人サイト比較・一覧!

いや、僕も驚きましたが、日本には690サイトもあるんですね。これでも本当に全てを網羅されていないのではないかと思うところもあり、驚愕でしかありません。もちろん全てのサイトで採算が取れているかというと怪しいと思いますが、それでも日本は市場自体が巨大なのでこれだけ手を変え品を変えて様々な転職求人サイトが並存できてしまうのです。

ミャンマーの実情としては、肌感覚ではヤンゴンがほぼ求人市場の7割くらいを占め、その他はマンダレー等の大都市・中堅都市といったところでしょうか。今後民主化が更に進み、ヤンゴン以外の都市でも求人が爆発してくる5年後くらいが市場拡大のキーになるのではないかと感じています。

では一体なぜ転職求人サイトをやるのか。

理由はいくつかありますが大きなものを。

(1)自分の実体験として、やはり人材というのは最も大切なリソースであって、優良な人材をいかに確保するかが事業成功のキーになることに気付いた。これは当たり前のことなのですが、日本で働いている上ではあまり実感できなかったのです。なにせ、大企業に所属しているので社内のスタッフも基本的には優秀ですし、取引をさせて頂く企業もやはり優秀な人たちでした。しかしミャンマーは違う。地頭は悪くないのですが、我々Expatsと同様の思考回路で仕事ができるリソースというのは非常に限られてくる。それはやはり環境や経験が育むもので、できるだけ多くのミャンマー人を日系企業をはじめとした外資企業に送り込み、ミャンマーの将来を担う優秀な人材を増やしたいという思い。

(2)ベンチャーコミュニティを育てる上での最善の道は人を育てることだと考えた。私自身がネット業界の一端で仕事をしてきたので、ベンチャー企業がいかにエキサイティングで社会にインパクトを与える存在かを身を持って知っています。僕はミャンマーでも優秀な若者が自分たちのアイデアや技術を使って大きく社会を変えていく様を見てみたい。そのためのベンチャーシーンを育てたいと考えました。しかし、実情はそれとは程遠い。IT系のスタートアップ情報を発信しようと試みたWebメディアはいくつか見つけましたが、やはり記事の数としても事業を維持していく程の規模を維持できなかったようで、更新が滞っているメディアばかり。唯一息をしていそうなのはPhandeeyarというキュレーターくらいでしょうか。これを見て、おそらくまだ「その時期」ではないんだろうな、と思ったのです。では何をするべきか/何が自分にはできるのか。その一端の答えが「より良い企業に優秀な人材をできるだけ多く送り込む」ことによるミャンマー経済の発展を、そして、それらの企業を卒業して自ら事業を立ち上げる起業家の出現を後押しすること。それができる手段として先ずは転職求人サイトを運営することを選択したのでした。これは遠回りではありますが、自分としては一番いい選択肢だと思っています。

ということで、先ずはこの転職求人サイトの開発をとことん楽しみたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?