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耳听心受ーー「傾聴」することに快感を覚えちゃった話

(1214字・この記事を読む所要時間:約4分 ※1分あたり400字で計算)

【耳听心受】

ピンイン:ěr tīng xīn shòu
意味:耳で聞いたことを心に留めておくこと。


『「傾聴」することに快感を覚えちゃった話』

 普段から常に「傾聴力」を鍛えるよう心がけている。


 少し前までは、私も自分のことについてひたすらべらべらと話す実にうるさい人であったが、

「このままだといつかは愛想尽かされるのでは」

と不安になり、徹底的にお喋りの悪い癖を直そうと心に決めたのだ。


 そもそも、一方通行な話し方なんて「コミュニケーション」と言わない。

 相手が聞きたい・聞きたくないに関わらず、気が済むまで喋り倒すのは自己中心以外の何のものでもない。
 「貴方には興味無いけど、私のことをもっと知って!」と強要しているのと同じで、よくよく考えたらかなり傲慢な行為でもある。


 ーーと、いうことで。

 「聞こう!相手の話をちゃんと聞こう!」と、常に気をつけるようになった。


 ところが、この「傾聴」という行為。
 実に興味深いものなんだと、切々と感じている。


 まず、「話をちゃんと聞く」というのはただ無言でボーッと流し聞きすることではない。

・なぜその話をしたいと思ったのか
・話題から読み取れる関心ポイントは何なのか

……

と、発話の意図を汲み取る必要があり、加えてーー

・どのような気持ちがその一言の中に含まれているのか
・身振り手振り、声のトーンはどんな感じなのか

……

等々、細かい点にも心を配る必要がある。

 返事をする際も「どういう問いかけをしたら、もっと語ってくれるのだろう」と、要点をとらえることが大事だ。


 要するに、「しっかり聞いていますよ!興味ありますよ!」と誠意を持った態度でじっくり相手と向き合うこと。

 更にそこから一歩踏み出し、考えに寄り添い共感すれば、より深い会話が出来るようになる。


 自分の話をすることが大好きだった私にとって、最初、このように静かに相手の話を聞くことはとても大変だった。
 だが、今じゃ相手が口を開こうとすると「何を話してくれるんだろう」と、すごくワクワクするようにでさえなった。

 不思議なものだ。

 自分のことばかり話していた時は、ほぼ全く相手の話題に興味を持てなかった。
 けれど、「傾聴」を実践するようになってからは、相手に聞きたいことがたくさんたくさん出てくる。

 そして気になることを聞けば聞くほど、相手もどんどん楽しそうに話してくれる。
 そんな生き生きしている相手の姿を見ると、心が暖かくなって、こっちまで楽しくなっちゃう。


 これぞ「傾聴」の醍醐味!

 
 「相手を知る」というのは、こんなにも幸せなことだったのだ。

 私はもう「自分のことを知ってもらいたい」ことに必死だったあの頃には戻れない。


 ちなみに、大抵の人は自分の話を聞かれるのが好きらしい。

 「話し上手は聞き上手」ということわざがあるように、「傾聴力」があると、相手から

「話やすい!」

「一緒にいて楽しい!」

と思われるのだそうな。


 耳だけでなく、頭も心もすべて相手に傾ける「傾聴」。

 「傾聴」というのは、実に愛情深い行為でもあったのだ。


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