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「カレーにそれを入れるの?」という思い出

 また、書きたいお題が見つかったので「発達相談員の育て直し《4歳から6歳》」の連載を1回だけ休みにして投稿します。

 「カレーにこれを入れる」という題です。この題を見たときに、急に大学時代に知り合ったインド人の留学生のKumar君のことを思い出しました。彼に日本語を教える代わりに、私は英語を教えてもらっていました。

 そんなある日、Kumar君が言い出しました。

Kumar「日本は大好きだが、一つだけ気に入らないがあるね。」
やまと「それは、何なの?」
Kumar「カレーが美味しくないんだよ。」
やまと「えー、学食のカレー美味しけどな。あれ、エスビーカレーやで。業 
   務用だけど。」
Kumar「全然だめ。でも、一ついい方法あったね」
やまと「へー、どうするの?」
Kumar「今から、食堂に食べに行こう。見せてあげるね。」

 学食に行って二人でカレーを注文し、それから彼が取った行動が、当時の私には衝撃的でした。

Kumar「これを入れるんですね。」

 と言って、テーブルにおいてあった「うどん用」の一味唐辛子の蓋を取って、全部カレーにかけてしまったのです。そして混ぜました。カレーは、いつものウコン色を通り越して凄まじい赤色をしていました。

これを1瓶入れると本場インドカレー

Kumar「これで、このカレー、インドと同じ味ね。」

 彼は、その真っ赤なカレーを美味しそうに食べ始めました。私は、「毎回これをされたら、学食は一味代が高く付くなぁ」「あっ、この一味唐辛子もエスビーだ」「カレー+一味唐辛子で=本場インドカレー」とつまらないことを考えながら一味唐辛子なしのカレーを(やっぱり、勇気が湧きませんよね)食べていました。

 その後、30歳くらいのときに、カレー粉の辛味成分と一味唐辛子の辛味成分が同じカプサイシンだと分かり、大いに納得しました。だから、家庭を持って子ども用の甘いカレーが出てきたときは、私も一味唐辛子をかけて食べるようになりました。その習慣は(子どもたちが大きくなって甘いかれーが食卓からきたのに)、Kumar君の思い出と共に、還暦を遥かに過ぎた現在まで続いています。

#カレーにこれ入れる

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