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Ⅱ 低学年で覚えて欲しい対人スキル 28 トラブルのときの対処法 その3

2️⃣ 自分で解決できないことは、先生に相談しにいく   
  【解説】 

 解決できないということは、自分に知識やスキルや情報が足らないのが原因です。それなのに「自分で解決しよとするから、二次的被害をもたらす」とその1の【解説】で書きました。

 これを防ぐには、「人に頼む」のが一番いい解決方法だと教えることです。なぜなら、頼んだ人が「解決するための知識やスキルや情報を持っている」からです。学校では、それは「先生」です。だからこの2️⃣をルールとして補助項目に入れています。本人は助けてもらいながら、先生からその知識とスキルを学べばいいのです。

 ここで困るのは、凸凹タイプは上手く先生に頼めないことです。コミュニケーションが苦手な子が多いからです。
 友達に悪口を言われたとき「先生、~君が悪口を言ってきた」と言ってきます。これは、頼んでいません。事実を報告しているだけです。しかも、タメ口です。
 このルールを守らせるためには、相談して頼むときの正しいコミュニケーションを教える必要があります。つまり、頼むための【セリフ】を教えるのです。

  「先生、~なんです。何とかしてください。」
  「先生、~なんです。どうしたらいいですか?」
  「先生、~なんです。助けてください。」

という【セリフ】が使い道が多くていいでしょう。これを「覚えて」を使って覚えてもらいます。ポイントは、復唱です。

こうなる前に、先生に相談する

 上記の例を使って、教え方の【セリフ】を書きます。

【セリフ】先生と子どもの「やりとり」を使っています。

児童「先生、橋本君が僕のこと『デブ。デブ』ばっかり言ってくる。」
先生「そう、それは大変ね。嫌でしょうね。」
児童「先生、無視?」
先生「だって、あなたは私になにも頼んでないよ。」
児童「えーっ、悪口言われたよ。」
先生「そうだね。先生に何かして欲しいの?」
児童「橋本君に、悪口をやめさせて欲しい。」
先生「それじゃ『橋本君が悪口を言ってくるので、何とかしてください』と
  先生に頼まないとだめだね。」
児童「そう言うの?」
先生「その言い方も違うね。『そう言うんですか?』だねだよ。じゃ、さっ
  きの言い方で頼んでください。」
児童「橋本君が悪口を言ってくるので、何とかしてください。」
先生「分りました。それはひどいね。どんなことがあっても、悪口は言って
  はいけないね。さぁ、橋本君のところに行って話し合いましょう。橋本
  君にも、なにか言い分はあるかも知れないらね。」

3️⃣の【解説】は、その4に書きます。

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