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日常を整える喫茶食堂kenohi、2021年の振り返り。

東京の住宅街にある、個人飲食店。
2021年の収支や起こったこと、感じたことを振り返ります。
自分のための備忘録的なものなので「学びのまとめ」的な記事ではありません。

〇私について

私は、東京の武蔵小山で小さな喫茶食堂 kenohi を一人で営んでいるひかると申します。新卒入社したIT系ベンチャーに3年務めたのち、2019年4月にオープンしました。

最近の私。自分の写真が全然ない…
お客さんが描いてくださった「kenohiらしいシーン」の絵

気弱で、臆病で、自信がない。
慎重で、気がまわる(周りを気にしてしまう)、繊細な人です。
トラブルが大の苦手で、嫌なことが続くと「明日は天井が落ちてくるかも…」などと本気で考えてしまいます。

コツコツ少しずつ、毎日決まったことを続けることが得意です。
大人数より、一人や二人が好きです。
自分に嘘をつくと、暫く元気がなくなります。
誰かに命令されることや、高圧的だったり権威的な人は苦手です。

料理やお菓子作り、読書、文章を書くことが趣味。
でもそんなに拘りはない。深く深く潜るような、何かにのめり込むような経験はこれまでありません。

野望も目標も夢も、特にありません。
大きな目標のために我慢や無理をして必死に取り組むよりも、
「今日も良い一日だったなあ」と毎日思えるような日常を続けていきたい人です。

自分が自分らしく生きていくために、2019年の私、そして今の私にとってもkenohiが必要だったのだと思います。

詳細はこちらをどうぞ。

〇kenohiについて

2019年4月10日にオープンして、約2年半が経ちました。
今もkenohiを営業して、生活できていることに自分が驚いています。

振り返ってみると「ふつう」の営業ができていたのは1年弱。
2020年3月末ごろから、コロナ下での営業を約2年。もはや今の日々が「ふつう」になっています。

kenohiのコンセプト

kenohiは「私自身があったら嬉しいと思う」お店です。

自分にとって、もう一つのリビングのように一人で心地よく過ごせる場所。

「プライベート」ではなくて「パブリック」。
一人だけど、独りではない。程よい緊張感と、安心感のある空間。

店員に気を遣われない、基本的には放っておかれる。
入りたくて入ったあなたと、やりたくてやっている私とが対等なお店。

日常の一人遣いに特化した、おひとりさまのためのお店です。
普段の暮らしを、心や頭や身体を整えるお店でありたいと考えながら運営しています。

詳細はこちらに。

▼過去2年の振り返りはこちら

・2019年4~2020年3月

・2020年1~12月


1. 2021年にあったこと

大きな変化は3つ。

(1)お客さんが減った
6月から少し減り、8月にガクッと減りました。
減った要因はなんだったのか。コロナのせいにするのは簡単ですが、そうとは限りません。

私の接客が悪かったのか、提供していたモノの質が落ちていたのか、ルールが多くて厳しい面倒なお店になったからか、そういった可能性も十分にあります。

(2)開店以来はじめて長期休業をした
少しでも安心して過ごしてもらいたいし、私自身がきちんと対策をしたかったので、感染防止対策は厳しく実行していました。

初めましての方には、必ずお席でお願い事を説明しています。

店頭に掲示している注意書き
Google Mapの説明文にも、面倒くさそうな説明を書いています

極端な例だと、

・「こんなもの意味ねーから!」と入店早々にパーティションを叩きながら叫ぶ人(退店してもらいました)

・入店した瞬間にマスクを外す方(当店のお願い事を説明すると「めんどくさ」と仰って帰られました。)

といった精神を削られることが増えました。
まあ、ここまで辛いことは滅多にありませんが、小さなストレスは毎日のようにあります。

うっかりしてしまうのも、わかります。
感染防止にどこまで意味があるかわからないのも、わかります。
注意書きを貼ってあるだけで実行されていないお店が多々あることも、わかります。

それでも、私自身も、kenohiでゆっくりしたいと思っている方にも、安心して過ごせるように徹底してきました。

徹底する上で、特にマスク着用について何度も何度もお声がけをするのが辛かったです。

そういったことで疲れてしまって、お客さんがガクッと減ったのを機に9~10月はお休みしました。

(3)休業明けに、営業体制を変えた
10月末に営業再開した際、私が気持ちよく営業を続けていくために、色々と変えました。主に2点。

・原則おひとりさまのためのお店に(これまではお2人、時には3~4人の方も受け入れていました)

・営業日を減らした(週休2日から週休3日に)

これによって売上は落ちこんだ一方で、精神的にはかなり落ち着きました。幸せに日々を過ごせています。

〇各月にあったこと、一覧

▼1月
・Antonicさんのマルシェ企画に参加
・展示『半径2km』facelighterさん

▼2月
・展示『.+(dot plus)』nyancameさん
・展示『ニャンカメレポート いきなり海外編』nyancameさん
・Antonicさんのドルチェ企画に参加
・「考えを整理する面談(仮)」をお試し開始

▼3月
・スタジオ貸しの開始
・展示『四季折々の喜』まりこさん

▼4月
・展示『イタリアを楽しもう! in kenohi』sashaさん
・VAN LIFE COFFEE の間貸し営業開始

▼5月
・金継ワークショップの実施 atelier OREEDSさん
・味噌作りワークショップの実施 ふくふくゴハンさん

▼6月
・展示『ぽっちゃん と スースー 原画展』オトノエさん
・梅酒/梅シロップワークショップ ふくふくゴハンさん

▼7月
・展示:『旅のスケッチ⇒ベトナム・ハノイ』コジマチさん

▼8月
・金継ワークショップの実施 atelier OREEDSさん
・間貸し営業2店舗(ふくふくゴハンさん、VAN LIFE COFFEEさん)とも終了

▼9月
・お休み

▼10月
・~10/27お休み
・10/28~営業再開。週休3日、おひとりさまのためのお店に変更。定食の野菜を無農薬無化学肥料栽培のものに変更。メニュー刷新。
・SEE YOU in the MORNINGさんの間貸し営業開始
・ひかるの個人活動「あわいの時間」開始

▼11月
・展示『a message for myself ~十年前の私へ』 Sayaka Uedaさん
・「あわいの時間」でゆるカメラ散歩の実施
・「あわいの時間」でインスタライブ配信の実施 with きしょーさん

▼12月
・展示『そして今日も日が暮れる』 facelighterさん
・最終営業日の翌日、余り物忘年会の実施

2. 2021年当初に書いた「大事にしたいこと」振り返り

記憶になかったが、1年前に書いていた

元記事はこちらです。
大事にしたいこと、無意識にですがちゃんと大事にできていました。まあ「今年はがんばるぞ!」といったものでもなく、むしろ自分を守るために「死守するんだ…」に近い内容ですが。

一方で、収支は予想以上に落ち込んでしまっています。プラスマイナスゼロなんてとんでもない、ですね。
収支については、後述します。

3-0. 2021年収支概要

これから様々な切り口で、収支を振り返ってみます。

※前提として売上目標はありませんし、拡大や成長も目指していません。収支は状態を知るための体温計のようなものだと捉えています。

▼収支表

2021年各月
2021年総計

※減価償却、棚卸しについては記載なし
※些末な費用、あまりにイレギュラーな費用については記載なし
※借入の返済は厳密には経費ではありませんが、毎月発生するコストとして便宜上記載しております
※上記と同様に便宜上、私の給料を人件費として記載しております

○トータル収支:¥10,931,007 (前年比488%)
 ・売上:¥18,704,789 (前年比193%)
 ・費用:¥7,773,782 (前年比104%)

○トータル収支(協力金除外):-¥2,547,393 (前年比-546%)
 ・売上:¥5,226,389 (前年比67%)
 ・費用:¥7,773,782 (前年比104%)

2019年、2020年に続き2021年も黒字となりました。
しかし、前年前々年と違って協力金や助成金がなければ赤字でした。

・協力金&助成金計:約¥13,500,000

収支から協力金等を差引いても黒字だった2020年と比べて、協力金を除けば約250万円の赤字となった2021年。自力の売上だけでは成り立たなかった一年は、オープン以来初めてのことでした。

▼概要

<収入>
協力金を除外した上での売上が昨年比33%減、店舗売上にしても37%減で済んだことは、幸運としか言いようがありません。
飲食、という業種で考えると50%以上減少してもおかしくなかったと思います。売上減少の主要因は、客数減と営業日減です。

1~5月までは2020年と変わらない、危機感を覚えない収支。
6月に一段、8月にもう一段ガクっと売上が下がりました。
曜日だと、土曜日以外は昨年比で12~28%売上減少。
時間帯で見ると、朝の売上が13%伸び、夜は16%減少。

また、飲食店以外の活動の売上は微増しました。

<費用>
昨年比104%となりました。
10月に起きた設備トラブルによって、消耗品費・修繕費が嵩んだ割には増えなかった印象です。
それでも、現在の自力での売上を考えると人件費(売上の42%を占めている)は削る必要があると感じます。仕方ない面があるとは思いつつも、協力金がなくても暮らしていけるという状態が望ましいと考えています。
人件費=売上の30%を基準に考えると、約13万円/月。(より一般的なのは20%でしょうが、kenohiは30%で計画をひいています。)

来年の自分の生活費は、1年目と同じ18万円/月に戻そうと思います。

3-1.収支の推移

青が売上、赤が費用、緑が収支です。

2021年収支推移:協力金込み
2021年収支推移:協力金除外

協力金を含めるか否かで、ずいぶんと変わります。
黒字の月がほとんどの「込み」と、全月赤字の「除外」。
事実として協力金を含めた数字やグラフは載せつつも、考察や所感については協力金を除外したものについて書こうと思います。

売上に大きく影響を与えたであろうトピックを書き加えてみます。

先に1年の流れを総括すると、苦しい一年でした。
初月の赤字から始まり「こういう月もあるよね」と思っていたら、1年間赤字が加速し続けました。

===

1~9月は多少の途切れはあれど、殆どずっと緊急事態宣言等の期間でした。
収支で見ると赤字になってはいますが、1~5月までは許容できる範囲(目安として売上50万円以上、収支-10万円以内)でした。大幅な客数減などもなかったです。

2月の費用が大きくなっているのは、レンタルスタジオのポータルサイトの1年分の掲載費(約13万円)を払ったためです。

6月に、雲行きの怪しさを感じました。お客さんが減ったかな?と数字を見なくてもわかるくらいに、明らかにヒマでした。
そのまま7月も減少傾向のまま「まあこういう時期もあるよね」と静観していると、さらに8月にガクっと売上が下がりました。

2020年以降、業態からなのか、静かなお店だからなのか、リピーターさんが多いからなのか、宣言等の影響を強く感じた(宣言直後に客数が減る等)ことはこれまでありませんでした。他に要因がある可能性も大いにあるのですが。

9月、10月はほぼ全日休業していたので当然の結果です。
11月以降は、営業日を減らした影響と、おひとりさま限定のお店に転換した影響で売上が下がっています(2022年1月現在も)。

3-2.店舗売上

〇トータル
2021年:¥4,490,214
2020年:¥7,101,823

昨年比63%となりました。37%減。

〇各月

店舗売上 黄色:2021年 赤:2020年 青:2019年

店舗売上は5月を除いて昨年を下回りました。
店舗売上は、営業日数による影響が大きいので純粋に比較したり考察できることはあまりないのですが、結果としてはこうなりました。
2019年、2020年の店舗売上を超えた月は5月のみです。(2020年5月は、扁桃炎で体調を崩してお休み多くなったので、ですね)

※各年全体の平均値はこちら
2019年:¥469,741
2020年:¥591,819
2021年:¥374,185

売上/営業日数 黄色:2021年 赤:2020年 青:2019年

1営業日当たりの売上を見てみます。
こちらを見ても、ほぼすべての月で2019・2020年を下回る結果となりました。健全さの基準にしている2.5万円と比較してみると、超えている月は2月・4月のみとなっています。
ちなみに、9・10月で少し持ち直しているのは休業前/休業明けの駆け込み的な需要(ありがとうございます…)の影響です。9・10月はそもそも営業日数が少ないので、イレギュラーな客数増の影響が大きいのです。

※各年全体の平均値はこちら
2019年:¥25,636
2020年:¥26,522
2021年:¥21,569

客数/営業日数 黄色:2021年 赤:2020年 青:2019年

こちらは1営業日当たりの客数です。
オープンした2019年は3ヶ月目の6月から知人や新店舗需要(おそらく)が落ち着いたためか、ガクっと落ちました。同年9月以降は常に約20人以上のお客さんが毎日いらっしゃっていましたが、2021年8月に15人になっています。
2020年比で-3人。13%の減少です。

※各年全体の平均値はこちら
2019年:21人
2020年:23人 
2021年:20人

客単価 黄色:2021年 赤:2020年 青:2019年

こうして振り返るまで、日販減少に関して客数減が主要因だと思い込んでいたのですが、客単価も減少していました。(なんのために毎月数字を見ているんだ…)

2020年比での減少幅は-64円。6%の減少です。これをどう捉えるとよいのか、難しいんですが。ただ、方針として単価を上げたいと思っていないので、5%程だと特に気にしていません。もちろん、これが30%減、50%減といった具合だと話は変わってきますが。

2021年10月からの一部の飲み物の価格改定(飲み切りやすい量に減らして600円→550円に)や、小食の方にも召し上がっていただきやすい軽食メニューの追加の影響も考えましたが、影響が出るほど期間が経っていません。
(というか創業時は750~800円程で見積もっていた…お食事と一緒に飲み物、あるいは飲み物と一緒にお菓子を頼んでくださる方が想像以上多いのです。ありがとうございます…。)

※各年全体の平均値はこちら
2019年:¥1,209
2020年:¥1,155
2021年:¥1,091

3-3.店舗売上:曜日別

曜日別売上・営業日数
曜日別シェア

土曜日が売上全体の3割を占めています。
水金は横並び、木曜日が少し大きいです。
火曜日は、営業日数の割には売上の大きい曜日でした。

曜日別日販(2021年、2020年)

まず2021年の数字を見ると、平日は、どの曜日も大差ないという肌感でしたが、きちんと差がありました。土>>>木>火>水>金 といった感じでしょうか。日曜日はそもそも定休日でワークショップ等で飲食物を提供した際のみ、売上が発生するので他曜日より少なくなっています。
(日曜・月曜は2020年5月から定休日。火曜日はややこしいのですが、2020年5月~2021年9月まで営業していて、2021年10月から定休日。)

2020年と比較すると、土曜日のみほぼ変わらず。平日は12~28%減少しています。平日の売上に課題あり、というところでしょうか。また、やはり日曜休みは手痛いというのもわかります。

曜日別客数/営業日(2021年、2020年)

2021年は 土>>>木=火>水>金 の順にお客さんが多いです。
平日は10~20%減少しています。土曜日はほぼ変わらず。
日販とほぼ同じ傾向ですね。思っていたよりも減少幅は少なく感じる。(あとで推移を見ますが、2021年でも上半期と下半期で差があるからでしょう)

曜日別客単価(2021年、2020年)

曜日による差異はあまりありません。kenohiは、何曜日でもメニューも価格も同じで、利用方法(日常を一人でゆっくり過ごす)も変わらないので、差はないだろうなあと思ってはいました。

昨年比だと木・土を除いてどの曜日も約10%、最大でも約130円の減少です。

日販減の要因としては、客単価減少の影響は少しはあるものの、主たる要因としては平日の客数減だということがわかりました。

曜日別売上/営業日

ここからは1年間の推移を確認します。

大きなトレンドとして、土曜日が右肩下がりになっています。
1月当初は約4.3万円だった日販が、最終的には約2.5万円に。

平日は、かなり見づらいですね…。土曜日のようにわかりやすい傾向は読み取れません。
強いて言えば、5~8月は減少傾向にあるでしょうか。
上がったり下がったりを繰り返しています。月によりけり、という感じです。

土曜・平日 売上/営業日

平日でひとまとめにすると、ほぼほぼ土曜日と同傾向にあることがわかりました。また、曜日別の客数/営業日については売上と同傾向だったので、省略します。

3-4.店舗売上:時間帯別

時間帯別:売上・客数・客単価・1人あたりの販売商品数

7時台、21時台はイレギュラー対応なので考慮しません。(開店前のテイクアウトorそもそも21時台に営業していた日が少なかった)

時間帯別シェア

11~14時がピークということがわかります。
また、朝、昼、夕、夜と各時間帯をまとめてみると下記のようになります。

お昼時の売上が約半分を占めています。
カフェ業態としては、夕方よりも朝が大きいのは意外な感じがします。
2つ前の表を見ると、単価も夕方より朝の方が大きいですね。
2020年と比較してみます。

2020年との比較:各時間帯のシェア増減

やはり朝が伸びています(売上+13%)。
また、夜が下がっています。
昼・夕方は、ほぼ変わらずでした。

次に、各曜日の時間帯別来客数を確認してみます。

特定の曜日の、さらに特定の時間帯が、全体と異なる傾向があるかを確認してみます。
昼>朝>夕>夜 という順位は各曜日ほぼ変わらずでした。
傾向そのままに、土曜日は各時間帯の来客数が多くなっています。

3-5.店舗売上:その他

〇イートイン・テイクアウトの割合

全体売上のうち各々が占める売上の割合

店内利用が9割、お持ち帰りが1割でした。
店内利用しつつお帰りの際にテイクアウトも、というのは「店内利用」に含まれています。厳密に、税率別売上を確認してみましたが、ほぼ変わらずでした(89%:11%)

2020年のデータも確認しておきます。

全体売上のうち各々が占める売上の割合(2020年)

最終着地(総計)は ほぼ変わらずでした。そもそも店内利用を重視しているのですが(いま現在もそうです)、お弁当は2020年春にお弁当をはじめた際「飲食業を助けよう!」という世の流れがありましたが、それはkenohiでは夏前には過ぎ去りました。
というより、かなり疲弊してしまって、力をいれないことにしました。告知もほぼしてません。お持ち帰りできることを知らない人のほうが多いと思います。

なので、2020年6月くらいから現在まで、基本的にはリピーターさんだけが使ってくださっている結果のテイクアウト約10%です。

客数全体のうちの 各属性の客数の割合

会計時に、主観で入力してデータを取っています。
といっても、お顔が分からない方には「以前にも来てくださいましたか?」と来店時に聞く(初めての方には、お店のルールを口頭で説明するため)ので、ほぼ正確だと思います。

概ね、リピーターさん80%、初めましての方20%でした。
グラフにありませんが、通年でみてもそうでした。
この数字自体をどう評価するのか というのは難しいですが、リピーターさんに支えていただきつつ、ほどよく新しい方がきてくださっている状態だと思っています。

既存100%も、新規100%も望ましくありません。
2021年は特に、リピーターさんの引っ越しは多かったです。
リモートワークが可能になったり、ライフスタイルの変化(結婚、子育て)に伴い東京を離れた方が多数おりました。

(一方で、内見後にkenohiに来てくださって気に入ってくださり、近所に引っ越しを決めてくださったような猛者もいらっしゃいます。また、kenohiの近くから、kenohiの近くの別のおうちに引っ越した方も…嘘みたいな本当の出来事。嬉しいです、本当に。)

ちなみに、ユニークの数字ではありません。なのでリピーターさんが何人いるのか、というのはわかりませんし、1日に複数回いらしてくださる方は重複してカウントされています。

2020年版

2020年から概ね変化はありませんでした。
と、このデータを見て思い出しました。元々リピーターさんは60%~70%だったのですが、2020年春の初めての緊急事態宣言を境にリピーターさん比率が80%くらいになったのでした。

遠方の方お断り、電車を乗ってのご来店お断りをしていた時期もありました。それでご新規の方が減少したのでした。


〇滞在時間

1会計ごとの平均滞在時間(テイクアウト除く)

通年で、平均1時間20分となりました。
各月に大きな変化は見られません。

2020年の平均滞在時間は1時間30分程なので、10分程短くなっています。私の体感としては、オープン以来滞在時間にはあまり変化はないように思います。

〇カテゴリ別・商品別

2021年はカテゴリの内訳を変更しました。

カテゴリ別シェア(2021)

・お食事:900円~ の定食やカレーなど
・飲み物:ノンアルコールドリンク。コーヒー等
・軽食:300円~ の小定食やトースト、お菓子等
・アルコール:アルコールドリンク
・物販:珈琲豆やグッズ、展示者さんの作品等

カテゴリ別シェア(2020)

2020年の内訳は下記のとおりです。

・飲み物:ノンアルコールドリンク。コーヒー等
・食べ物:お菓子を除く軽食と、カレーや定食などのお食事
・お菓子:お菓子
・パーティ:貸切利用や、読書会等
・物販:珈琲豆やグッズ、展示者さんの作品等
・アルコール:アルコールドリンク

内訳の違いを配慮したうえで、2020年と比較しての変化はたいしてないという印象です。

アルコールを提供できない時期は多かったですが、そもそも普段でも注文は少ないです。
ざっくりとした売上の内訳は、お食事40%、飲み物40%、軽食20%というのは変わりません。肌感とも一致しますし、今後も変わらない気はしています。
読書会や黙々作業会等、好評の企画は時世を考慮して控えていましたが、2022年は再開したいですね。
売上云々というよりも、初来店のきっかけになったり、お客さんとの関係性が深まるのが嬉しいからです。

商品別売上・注文数(2021:売上金額降順)
商品別売上・注文数(2020:売上金額降順)

こちらも、眺める程度ですが…。
全体的に、特筆すべきところはないと思います。

先ほどのカテゴリ別のところで引っかからなかったのですが、こちらの定食やカレーの数字を見ると食事のご利用が減ったなと感じます。ブレンドの減少数と比較すると余計にそう思います。

割合も大事ですけど、実数値も大事ですね。危ない。
飲み物販売数は増えていて、お食事販売数が減っていますね。

これは大きな変化でした。

〇キャッシュレス決済比率

決済方法シェア(売上金額)

※2020年2月にレジアプリを変更した影響で、微妙に時期がずれています
※merpayはd払いも含みます

肌感でも「電子マネーが増えたな」と印象はありましたが、実際に増えていました。(+5%)

不特定多数がいらっしゃるお店というよりは、特定少数の方がいらっしゃるお店なので「誰が何を使うか」の影響が大きいとは思いますが、参考までに。paypayが大きく伸びている点が、特筆すべきところでしょうか。

3-6.その他売上

店舗(飲食代)以外にも売上(雑収入)はあります。

〇トータル

■2021年
・協力金、助成金込:¥14,214,575
 - 上記除外:¥736,175
 - 売上全体に対するシェア:14.0%

■2020年
・協力金、助成金込:¥2,594,493
 - 上記除外:¥658,493
 - 売上全体に対するシェア:8.5%

何かを努力した結果、というわけではありませんが昨年よりもシェアが伸びたのは良かったです。飲食業の負担を減らしていきたいです。kenohi(店舗)は収支+-0は目指しつつも、必要以上に気にせず伸び伸びやっていけたら一番良いので…。

2020年よりも、金額的にもシェアとしても増加しました。

内訳は下記です。

店舗外売上 2021年

店舗外売上の半分は定休日に借りてくださる方のご利用(間貸し)が占めています。次いでnote(主にサークル)の売上。

それぞれの項目を補足します。

撮影貸しは、掲載費用(約13万円/年)の元が取れなかったので、解約を決めました。
展示は、店内壁面をギャラリーとして貸し出しているのでその利用料です。
イベントは、出張カフェやkenohiでのワークショップ等。
シェアサイクルを停められる場所を店前に設置しているので、毎月定額で収入があります。

面談は、定休日に予約制で実施しているもの。件数は2だったので、これも今後のやり方を考えねばなりません。告知の仕方が悪いのか(というか、全然告知してない)興味がないのか。

3-7.支出

2020年、2021年支出

昨年比104%で微増となりました。

営業日数の減少、客数の減少に伴い仕入れは26%減。
一方で設備トラブルの影響で消耗品費、修繕費も増加しました。

4. あとがき

これを最後に、これまで続けていた月次・年次の収支振り返りは辞めにしようと思っています。

単純に、自分が経理を続けられるように、外部に発信することで自分を律しようという気持ちで始めたnote。
もう、ここに発信しなくても続けられるからです。

そして、あまりに個人的でニッチな領域で、特に読んでいる人にとってメリットもないのでは?という疑問も生まれてきました。
これは、例えば「今月こうだったから来月はこうしよう!」「その結果どうでした」というPDCAを回すわけでもないので、毎月の内容にあまり変化がなく、データを載せるだけでは読み応えもないのでは…と思うからです。

やりたいことが、奇跡的に誰かのためになればラッキーという気持ちで公開していましたが、あまりにもニッチで参考にならないだろうという判断です。

===


2021年、開業してから一番不安な気持ちで過ごした年でした。

世の中が大きく変わった2020年、kenohiは有難いことにあまり変化もなく、そして自分の気持ちがハイになっていたこともあり、麻痺していたところもあったともいます。

ああ、本当にこの日々が日常になったのだと実感する2021年。
そして、(自力での)赤字続きの日々に、今後の不安が大きくなる。また気楽に外出、外食できる世の中になったとして、お客さんが戻るかなんてわからない。

くわえて、そもそもこの状況下で営業することや、続けていくことに意味があるのか…なんて考えたりもしました。目に見えてお客さんが減った夏のこと。コロナのせいなのか、自分の至らなさのせいなのか、需要がなくなったのか、答えはなかった。

その瞬間はとても苦しいのだけれど、自分の気持ちや考えがわかったときに嬉しさを感じる。
あの長期休業は必要なお休みだったのだと思う。

また、不安と同じくらい、大きな感謝を感じる日々でした。
長期休業の際、本当に気持ちが折れてしまいそうになりましたが、お客さんや友人、そして妻のおかげでなんとか再開することができました。

今、状況は変わっていなくとも、不安を過剰に意識せずに、幸せを感じながらkenohiを運営することができているのは周りの人のおかげです。本当にありがとうございます…。


===


kenohiにいると心が安らぎます。
リラックスできるのだけれど、少しだけ背筋が伸びて、こうしてnoteを書いたり読書に集中できたり。私にとって、良い時間が過ごせる場所。

サービスもしないし、媚びることもない。
特別なものは何もなく、お願いごとも多い。

そんなお店なのに、ノーゲストの日がオープン以来一度もないこと。1日営業して、数人の方しかいらっしゃらない日もありましたが、数人もいらしてくださっているのです。

定食を924食提供したこと。
珈琲を1399杯淹れたこと。
自分にとってはそのうちの1杯、1食だとしても。
それが相手にとっては特別になりうることもあるから、これからも目の前の「お客さん」ではなく「あなた」と、一人一人と向き合い続けたいと思う。

===

(以下、noteサークル内のエッセイより引用)

「必要なくなること」が最終地点だよなあ、と思っている。
この資本主義時代に、馬鹿なことを言っていると自覚はしているのだけれど。

でも、無理に生き残ったり、続いていくことって本当に良いことなんだろうか?
コンプレックスを刺激したり、購買意欲を促進したり、そういうことがあまり好きではない。誰かが無理(不本意な長時間労働だったり、心が苦しくなる労働だったり)をして成り立つ仕事も好きではない。

kenohiだって、いつか必要なくなる時期が来るのかもしれない。
私が身体的・精神的な無理をしないと成り立たなくなることもあるのかもしれない。

そういう時に、無理に続けなくてもいいと思うのだ。
自動車ができて、馬車がなくなったように。

「kenohiが無ければ困る」と言っていただくことは、嬉しさと同時に少し怖かったりする。
私が過去に経験しているからか、鬱だったり、不安だったり、そういう相談も聞くこともある。

専門家ではないから、ただただ聞く。
アドバイスはできるだけ控えるようにしている。

ただ、相手の立場を想像して選択肢を考えてみる。
決めるのは相手だ。
相談の一人目に私を選んでくださることは本当に嬉しい。
けれど、頼れる人や場所が沢山あったらいいなと思う。
よく聞く言葉だけれど、依存先が沢山あるということが自立という意味では一番良いのだ。

友人から、ある時期だけ頻繁に連絡をもらったり会ったりして、SNSに元気な投稿がされる頃にはパッタリ連絡が来なくなったりすることがある。
正直に言えばちょっぴり寂しくはあるけれど、良かったなあと思う。

「kenohiがある(私がいるから)から辛いことがあっても大丈夫」 となるくらいなら、辛いこと自体がなくなって私やkenohiが必要なくなる方がいい。

そしたらまた、楽しいことを考えるよ。
必要とされるために、必死にならなくていい。 そのままで、ありたいようにあっていいんだと心から思う。

===

以上です。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
長くなってしまいました…。

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