Kazuho Matusmoto

東京で演劇をやっています。平泳ぎ本店というカンパニーを主宰しています。俳優・演出・制作…

Kazuho Matusmoto

東京で演劇をやっています。平泳ぎ本店というカンパニーを主宰しています。俳優・演出・制作・着ぐるみ・かえるetc...

マガジン

  • シアター・ホームステイinアトリエ銘苅ベース

    2022年4月に全国小劇場ネットワークのシアター・ホームステイにて那覇市、アトリエ銘苅ベースに滞在したときの記録です。

最近の記事

  • 固定された記事

Profile2022

以前書いたプロフィールからやや時間が経ってしまったので、加筆・修正しました。(2022/3/9) ●松本一歩 Kazuho Matsumoto 1989年生まれ 愛知県出身 平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co.主宰 俳優・演出・制作・ドラマトゥルク ●演劇に関わるこれまでのいきさつ高校3年の文化祭でクラスでミュージカル『アラジン』を上演(ジャファー)、俳優として出演。時期を同じくしてYou Tubeでラーメンズの動画に出会い「これは」と思い演劇を志し上京するも、大学の新

    • 関越道を飛ばして/あるいは、角栄がつくった上越新幹線に乗って

      今年の5月に第3回新潟劇王に参加します。 https://niigata-gekiou.studio.site/ ふだん東京に暮らして演劇活動をしていて、なんでまた、昨年に続いて二年連続で新潟へ行こうと思ったのか。 問わず語りで、すこし書いてみたいと思います。 Why Niigata? 昨年の新潟遠征は、ひとことでいうととても素晴らしいものでした。 5月の新潟の抜けるような青い空や、りゅーとぴあの周りのずば抜けた環境の素晴らしさやそのスケール、目にするもの、口にす

      • 熊本訪問記 かくして私は盆の下部構造に触れる。

        昨年(2022年4月)の全国小劇場ネットワークによるシアターホームステイという企画で沖縄は那覇・銘苅ベースに滞在していた折、週末にINDEPENDENTという一人芝居のショーケースが開催されており、その上演を拝見する機会がありました。 沖縄県の劇作家、俳優の方々による作品がずらりと並ぶ中、そこに唯一の県外勢として参加されていたのが熊本県を本拠とする不思議少年の劇作家・大迫旭洋(おおさこてるひろ)さんで、北九州の飛ぶ劇場の俳優、葉山太司さんと『そのころ』という作品を上演されて

        • 広背筋、たたかう。

          こどもというのはほんとうにワンダーで、大人では思いもよらないようなことをしたり、大人がとうの昔に忘れてしまったような感覚をとおしてこの世界を見ていることを教えてくれたり、かと思うとときにびっくりするくらい大人びたことを言ったりしたりして、日々接するわたしたち大人のことを驚かしてくれる。 過日、かれこれ2年目の付き合いになるそのちびっこと戯れあっていたところ、彼がふとポンポンと私のおなかを叩いたかと思うと「デブなんかきらいだ死んじまえ!!!」と吐き捨てて、走り去っていった。

        • 固定された記事

        マガジン

        • シアター・ホームステイinアトリエ銘苅ベース
          8本

        記事

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス⑧(最終回)

          最終日、のその前に。シアター・ホームステイinアトリエ銘苅ベースもいよいよ最終日となりました。 ここまでお読みいただいた方は、もしかするともうお気づきかもしれませんが、沖縄滞在は最高に楽しいです!!! いい劇場も、楽しい場所も、見るべきものもたくさんあります!!!それになによりみなさんもとてもやさしい!!! 今回格安航空券で手配したので、東京からの航空券も往復で15000円ほどでありました。 帰りは偏西風に乗って羽田まで2時間で着きますし、体感時間でいうと利賀村へ行く

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス⑧(最終回)

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス⑦

          滞在七日目。 沖縄へ来てから毎日動き回っていたこともあり、この日はすこしゆっくりとしたスタートにしました。 銘苅ベースの安和学治さんのお兄さんの朝彦さんが経営されるカフェでこちらのレポートを書いたり、5月の新潟劇王の会場となるりゅーとぴあの下見をオンラインでしたりして過ごしました。 夕方に、銘苅ベースの新垣七奈さんに教えてもらった、沖縄屈指のおすすめスポットであるという嘉数高台(かかずたかだい)公園へ。 浦添市の住宅街の中にあるこちらの公園は沖縄戦で激戦地となった場所

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス⑦

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス⑥

          滞在五日目のことをすこしと、六日目について。 沖縄での「内地」という言葉をなかなか使い慣れずに、沖縄の方のことをさして「内地の方」と言ってしまうという、痛恨の誤用をしていたことに気が付いて悶々としていたりします。 五日目。 この日は割合ゆっくりと過ごすことができ、国道58号を北上して、ずっと行ってみたかったシーサイドドライブインへ行ったりしました。 栄町市場で迷子になるなど。 つづいて滞在六日目。 この日はわが街の小劇場さんを見学させていただきました。 私自身、

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス⑥

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス⑤

          前回からひきつづき滞在四日目、なはーと別注編です。 那覇市にできたピカピカの新しい劇場であるなはーとは、外壁や場内の各所に沖縄の伝統的な花ブロックの紋様があしらわれ、とにかくかっこいいです。 外壁の花ブロックの曲線は、琉球の城(ぐすく)の城壁をイメージされているのだそう。 たしかに首里城でも城壁がうつくしいゆるやかな曲線を描いていました。 なはーとの総合プロデューサーに就任された崎山敦彦さんは、KAATで仕事をされていた時(2012年~)には快快さん、悪魔のしるしの危

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス⑤

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス④

          滞在四日目。 沖縄の猫は顔立ちがりりしく、人懐っこい感じがします。 この日は当山さんにアテンドしていただき、午前中にひめゆりピースホールの見学へ伺いました。 ひめゆりピースホールがある栄町市場は、地元の皆さんをして「何度行ってもぜったいに迷う」と言わしめるカオスの街。 元々”ひめゆり”ことひめゆり学徒隊の母校である、沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校跡に建っていたところが沖縄戦で焼け野原になり、戦後そこへ市場が立ち、飲食店が並び、遊郭や学校が建ち、都市計画というも

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス④

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス③

          滞在三日目。 午前中には劇場スペースをお借りして、空間をひとりで使って鍛えることができました。(むちゃくちゃ贅沢なことです。) 昨年、ここ銘苅ベースでも「『スズキ・トレーニング・メソッド』を考える演劇キャンプ2021」が開かれたり、当山さん自身も宮﨑のこふく劇場さんの現場で俳優として数か月にわたってトレーニングをされたりした経験があるとのことで、スズキ・メソッドは全国各地で、世代をこえていろんな演劇人にとっての「肉体の共通言語」になっているのだなということを感じました。

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス③

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス②

          滞在二日目。 昨日の夜に当山さんと安和さんから伺った、地元のスーパー、ユニオンへ買い出しに出かけました。 「♪おきなわ、みんなでおっきなわ」というテーマソングの中、うわさに聞いていたお惣菜コーナーの充実ぶりを横目に見ながら飲料水や食料を買い込み、外へ出たついでにすこし海の方へ向かってみました。 (ユニオンのテーマソング、「沖縄、みんなで沖縄……?」と怪訝に思っていたところ、「沖縄、みんなで大っきな輪!」という形で韻を踏んでおられるとのことでした。) 空港からほど近い浜

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス②

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス①

          全国小劇場ネットワークの「シアター・ホームステイ」という事業で、横浜・若葉町ウォーフの佐藤信さんから紹介して頂き、沖縄、那覇市のアトリエ銘苅ベースへ1週間滞在させて頂くことになりました。 (念のため)松本一歩です。俳優、劇団主宰(平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co.)として主に東京で活動しています。若葉町ウォーフで清水宏さんの『戯曲の真相』という作品を、制作としてお手伝いさせていただいていたご縁から巡りめぐって、今回の滞在の機会に恵まれました。うまれてはじめての沖縄です。

          シアター・ホームステイinアトリエ銘苅べ―ス①

          セミダブルのマットレス、1.95メートル

          「マスクしてるし、これまでも罹らなかったし、ワクチン接種も始まったし、これからもまあ手洗いうがいしとけば大丈夫だろう」と思っていた矢先、「ドゴッ!!!」と殴り倒されるみたいに罹ってしまった。 ぜんぜん元気だったのに。 全方位に迷惑をかけ、いろいろと途方にくれてしまった。 日にちが経って、すこしずつ元気が戻ってきたので、流行り病に臥せったことのあくまで個人的な記録として(そして半ば行き場のない愚痴として)、書いておく。 発症初日と前触れ「あ、なんか身体がだるいぞ、筋肉痛

          セミダブルのマットレス、1.95メートル

          唐戯曲を読む!第4回 『蛇姫様』(特別ゲスト:中野敦之)レポート

          唐戯曲を読む!第4回 2021年3月21日19:30-21:30 『蛇姫様』(特別ゲスト:中野敦之[演出家・劇団唐ゼミ☆主宰]) こちらは資料として、当日の講義のノート(板書)を簡単に書き起こしたものです。 会の雰囲気を伝えるものとしてお楽しみ頂ければ幸いです。 【作品基本情報】『蛇姫様』 1977年4月17日初演 初演は福岡から関東へ上がってくるツアーだった。 注目すべきは紅テント10周年の公演であるということ。 紅テント最初の公演は『腰巻(月笛)お仙』@新宿花園神社

          唐戯曲を読む!第4回 『蛇姫様』(特別ゲスト:中野敦之)レポート

          唐戯曲を読む!第5回 『ジャガーの眼』(特別ゲスト:タニノクロウ)レポート

          唐戯曲を読む!第5回 『ジャガーの眼』(特別ゲスト:タニノクロウ[劇作家・演出家・庭劇団ペニノ主宰]) 4月11日 19:30-21:30 こちらは資料として、当日の講義のノートを簡単に書き起こしたものです。 会の雰囲気を伝えるものとしてお楽しみ頂ければ幸いです。 【タニノさん 次回公演情報】 タニノクロウさん×KAAT 演劇界の鬼才、タニノクロウが初めてKAATに書き下ろす最新作! 『虹む街』 2021年6/6-20@KAAT 中スタジオ https://www.kaa

          唐戯曲を読む!第5回 『ジャガーの眼』(特別ゲスト:タニノクロウ)レポート

          お風呂場の話。

          「ガコォォンッ!!!」という大きな音がして、振り返るとシャンプーの最中、頭が泡泡になったYさんがカランの前でひっくり返っていた。 「えっ(死んだか!?)」と思い、すわと湯船に立ちすくんだ私もまた素っ裸だった。 泡まみれのYさんはよろよろと右を振り返り、そして左を振り返ったところに私が呆然と突っ立っていた。 目を見合わせると、Yさんは唐突に大きな声で「ハッハッハッ!!!!」と笑い始めた。 「え、なっ、大丈夫ですか!!?」と、取るものもとりあえず声は掛けてみたものの、Yさ

          お風呂場の話。