ハルシャ

読んでいて気持ちいい文を書きたいです。

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マガジン

  • 怪恐分裂

    この世で起こる、怪奇、奇妙、恐怖などの話達。 それらはやがて分裂し、人々を誘惑する。 それをカイキョウブンレツと言う。

最近の記事

怪談界における島田秀平の役割

ヘラヘラ話すな、ネットから話を拾ってくるな、芸人崩れ。 そのように散々の言われようをされる怪談の語り手がいる。 その名も島田秀平。 お笑いコンビ、号泣で活動していたが2007年解散。 現在、ピンで活動し占い、都市伝説、怪談などを扱っている。 島田秀平氏の手相占いは有名で、手相ブームを巻き起こした。 そんな島田秀平氏だが、彼は怪談界またオカルト界において重要な役割を担っている。 その役割とはスピーカーと言えばよいだろうか。 怪談を怪談界、オカルト界以外の多方他方へとばらまく役

    • 死のカウントダウン

      帰りの電車を待つとき、ぼーっと線に従って待つ。 スマホを触る気力もなくなっていて反対側のホームにいる親子連れやペットボトルを咥えたまま歩く女子高生、頭にだけ太陽があたっている会社員をみながら待っていた。 私は思った、待つときというのはスマホを触ることがデフォになっている現在で、ただ突っ立ているのは何か気まずい。 手は迷子になり目線を上に向けたらヤバい奴と思われるのではないか? そんなことが頭の中によぎり次に見たのは時刻である。 あと二分、その短いようで長い、その時間が見えた私

      • 作業の虫

        暗くて静かな時。 いろいろとパソコンで作業をやる。 今日も暑くて、扇風機を近くに置いて作業をしていた。 風なんて入ってこないがカーテンを全開にする。 庭がまる見えで、木はじっと固まったままで、しんと静まり返っていた。 部屋の明るさは、そのまま静けさと暗さのはびこる庭へと投げかけられ草々の様子がはっきりと分かるようになっていた。 部屋にはカチャカチャというタッピングの音だけが響いて、それが暗い庭へと消えていった。 そうしているうちに、静けさを守った庭の深淵から音が聞えてきた。

        • 近づく夏の中

          太陽が沈みゆく時。 高台から見た遠くの山々には重い雲が覆いかぶさっていた。 富士山も今日は、その雲に隠れている。そのあたりは雨だろうか。 ここは晴れていて、暑さを含んだ風が半袖から露わになる肌を撫でていく。気持ちの良い夕方である。 夏はもうすぐである。 青暗くなって、それも過ぎて、あたりは暗くなった。 暖かい風が庭へと吹き込み木を揺らし、洗濯物を落としていく。 汚れたシャツを溜息まじりで洗濯機の中へと放り込む。 風は止まないで、また洗濯物を揺らし落とそうとしている。 部屋に戻

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        • 怪恐分裂
          8本

        記事

          【死刑にいたる病】謙虚に生きようと思った話

          ※ネタバレ注意 前々から気になっていた映画「死刑にいたる病」を遅いが見に行きました。 結論から言うと、かなり面白い味わい深い作品に仕上がっていました。 演者さんの演技、ストーリー、テンポの良さもバッチリで今年一番の映画と思いました。 あらすじ この物語は、主人公の大学生に、顔なじみであった元パン屋の店長、現拘留中の男から手紙が届くというところから始まります。 主人公は三流大学に通っている(大学の描写を見る限りかなりの大学w)今の自分に満足しておらず榛村の手紙を読み、榛村が

          【死刑にいたる病】謙虚に生きようと思った話

          【怪恐分裂】ハロウィン

          今日は10月31日、ハロウィンだ、いつもこの日になると思い出す あれは息子が小学二年の頃だった。 いつもなら午後5時に帰ってくるはずの息子が帰宅して来ないので私は心配になり動揺していた。 あたりは暗く、6時半を過ぎ、警察に連絡をしようとさえ思った矢先、玄関から音が聞こえて確認して見てみると、息子が立っていました。 「どうしてこんなに遅いの⁉︎」 私は動揺しすぎて怒鳴り声を上げてしまいました。 「ハロウィンパレード行ってたんだ」 「どこの?」 「分からない、迷ったんだ」 「嘘じ

          【怪恐分裂】ハロウィン

          【怪恐分裂】災

          僕が高一の時に中学時代の先生が亡くなった。 死因は知らせてもらえなかったが早朝に亡くなったらしい。 中学以来の友達から、そう連絡が来て、明日に葬式があるとのことだった。 翌日、先生の家に行った、懐かしい顔が連ねていて、そこから少し昔話に花を咲かせながら列に並んだ。 そして、自分の番がやってきて棺の中にいる先生を覗き込んだが顔には白い布が被せられており先生の死顔は見ることができなかった。 中学の同級生達は号泣していた者が多数だった。 僕も先生が亡くなったのは確かに悲しかったが僕

          【怪恐分裂】災

          【怪恐分裂】まっくら

          私が仕事から帰ってドアを開けると、そこはまっくらだった。 もちろん電気は消して出勤したが、そんな感じのまっくら、じゃなかった。 もし、それだとしたら外の光が部屋を多少、照らすはずだ、だけど部屋は全てがまっくらで何も見えないし、そこに広がるのは闇だけだった。 私はパニックになり後ろを向いた、そこには、まっくらな中にポツンとドアが浮いているように存在していた。 私は、すぐに部屋を出てコンビニで自分を落ち着かせにいった。 30分くらい時間を潰して、家に戻る。 恐る恐るドアを開けると

          【怪恐分裂】まっくら

          【怪恐分裂】塊

          とある市で奇妙でグロテスクな物が発見された。 第一発見者は 「最初は綺麗な立方体だからブロックか何かと思ったよ、それで近づいたら、あれだったら本当にビックリしたよ」 と吐きそうな顔で話していた。 それは人の死体の塊だった。 何名かの死体で構成されており綺麗な立方体を作っていて調べてみると全部、その市で行方不明になった人だった。 誰が何のためにこんな事をしたのか分からないが何体かの死体で綺麗な立方体を作るには何tものプレス機を使わなけばいけないらしい。

          【怪恐分裂】塊

          【怪恐分裂】気球おじさん

          とある町で、ある中年男性が気球を自作して世界一周の旅に出ると宣言して話題になった。 皆からは「気球おじさん」の愛称で呼ばれ町の人気者だった。 そして、やってきた気球の旅、法に触れるが、それをなんとか避けて、気球おじさんは空へ飛びたった。 結果、気球おじさんは行方不明になってしまった何ヶ月経っても、他の国や地域に降り立ったという話は聞こえてこなかった。 皆は気球おじさんがいなくなったことを悲しがり気球おじさんは町の伝説のようになっていった。 そんな何年も経ったある日、とある畑に

          【怪恐分裂】気球おじさん

          【怪恐分裂】クラスメイト

          俺が小学六年くらいの頃は、いわゆるオカルトブームてやつだった。 皆、超能力開発とか、こっくりさんとかに本気で熱中して口裂け女に本気で怖がってた。 そんな俺も、あの頃はオカルト好きで、特にUFOに目がなかった。 よく夜に友達と地元の山に登ってUFOがいないか空を見た。 その、よくUFO探しを一緒にやってたのが友達のA君だった。 A君はUFOが大好きで、クラスでUFO好きとして皆によく知られていた。 A君は、ほぼ毎日、一人でも山や人気のいないところに行ってUFOを探していた。 あ

          【怪恐分裂】クラスメイト

          【小説】人魚の私は泳げない

          私は人魚、だけど泳げない。 前までは魚と遊んで、サンゴの周りで暮らしていた。 楽しい日々を送っていたけど今、私の前にあるのは、乾いた海。 私は人魚、だけど泳げない、一生。

          【小説】人魚の私は泳げない

          【小説】AI教祖

          「宗教というものは人を救う時もあるが、人に利用され人を害する時もある」 「なるほど、博士、それで今回のAIを作ったというわけですね」 「そうだ、たびたび起こるのは教義の修正、改革である。そのせいで元々の教えから全く違う物になって、そして宗派で対立が起き人が害されるのだ」 「宗派を分裂させないように、不死のAIに教祖を任せて、平和を維持させるとは、全くいい考えですね」 博士と助手の前には大きな精密機械があった、これがAI教祖なのだろう。 「しかし、博士、こんな大きな機械に人はつ

          【小説】AI教祖

          【小説】まれびと

          東北の山奥に寂れた村があった。 季節は冬で、皆は家の中に入って暖をとって夜を過ごしていた。 ある家ではお爺さんが孫たちに怪談を聞かせており、ある家では娘たちが民謡を歌っていた。 平和な時を各々の家で過ごしている、その時だった。 クマが現れたらしい、山に最も近い家から悲鳴が村中に響いた。 村の人々は驚き、男達は武器となる物を持ってその家へと直行した。 男達は雪道を踏みしめながら思った。 縁起の悪い物ではないかと。 やがて、その家が見えてきた、戸は全開にされており明かりが漏れてい

          【小説】まれびと

          【小説】地下鉄殺人の傍観者

          あれは、俺が電車の無い田舎から都会に引っ越した時の話である。 最初思ったのが都会というのは、ごちゃごちゃとしている、ということだった。 特に地下鉄が、俺にとっては複雑で難解な物に映った。 それをダンジョンと言ったのは上手い例えだろう、俺も共感した。 それと同時に、都会という複雑的な物は田舎には無いなとも感じたし、都会には田んぼも山もない、全く似た物が無い。 そう俺は思っていたが、あれに遭ってからは都会と田舎は似てるもんだと感じた。 俺が急ぎ足で大学に向かう時、焦ってしまい自

          【小説】地下鉄殺人の傍観者

          【小説】太陽に本【自動タイトル】

          万物と会話ができる男がいた。 その男は歩いていると空高く飛んでしまった。 それは、遥か彼方、上の世界、暗い世界が広がっていた。 男は飛ばし飛ばされ太陽の近くまでやってきた。 男は太陽と会話した。 「君、太陽だね」 「あぁ、そうだが人と話すのは久しぶりだ」 「そうだろうね僕は太陽と話してみたかったんだ」 「そうかい、ずっと僕は燃えてるだけだ」 「君、本は読めるかい?」 「さぁ、分からない」 「これを読んでみてよ」 「ほー本か意外と面白いな」 太陽は読むのをやめない、顔が赤く興奮

          【小説】太陽に本【自動タイトル】