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怪恐分裂

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この世で起こる、怪奇、奇妙、恐怖などの話達。 それらはやがて分裂し、人々を誘惑する。 それをカイキョウブンレツと言う。
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記事一覧

【怪恐分裂】明かりの間に

【怪恐分裂】明かりの間に

俺の仕事が終わるのは、いつも深夜を回っている。
今日も仕事を終え職場から自転車で暗い道路を駆け抜けて5分ほどで家に着く。
古いアパートで、よくある階段が外に剥き出したやつだ。俺の部屋は二階の真ん中で、ついたり消えたりする電灯がある錆びた階段をコツンコツンと音を立て二階へ昇る、蛾が死んでいた。
部屋のドアに201のかすれた文字。嫌なほど音を立てるドアノブを回して開けて入る。
部屋の中は当たり前、真っ

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【怪恐分裂】ハロウィン

【怪恐分裂】ハロウィン

今日は10月31日、ハロウィンだ、いつもこの日になると思い出す
あれは息子が小学二年の頃だった。
いつもなら午後5時に帰ってくるはずの息子が帰宅して来ないので私は心配になり動揺していた。
あたりは暗く、6時半を過ぎ、警察に連絡をしようとさえ思った矢先、玄関から音が聞こえて確認して見てみると、息子が立っていました。
「どうしてこんなに遅いの⁉︎」
私は動揺しすぎて怒鳴り声を上げてしまいました。
「ハ

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【怪恐分裂】災

【怪恐分裂】災

僕が高一の時に中学時代の先生が亡くなった。
死因は知らせてもらえなかったが早朝に亡くなったらしい。
中学以来の友達から、そう連絡が来て、明日に葬式があるとのことだった。
翌日、先生の家に行った、懐かしい顔が連ねていて、そこから少し昔話に花を咲かせながら列に並んだ。
そして、自分の番がやってきて棺の中にいる先生を覗き込んだが顔には白い布が被せられており先生の死顔は見ることができなかった。
中学の同級

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【怪恐分裂】まっくら

【怪恐分裂】まっくら

私が仕事から帰ってドアを開けると、そこはまっくらだった。
もちろん電気は消して出勤したが、そんな感じのまっくら、じゃなかった。
もし、それだとしたら外の光が部屋を多少、照らすはずだ、だけど部屋は全てがまっくらで何も見えないし、そこに広がるのは闇だけだった。
私はパニックになり後ろを向いた、そこには、まっくらな中にポツンとドアが浮いているように存在していた。
私は、すぐに部屋を出てコンビニで自分を落

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【小説】地下鉄殺人の傍観者

【小説】地下鉄殺人の傍観者

あれは、俺が電車の無い田舎から都会に引っ越した時の話である。
最初思ったのが都会というのは、ごちゃごちゃとしている、ということだった。
特に地下鉄が、俺にとっては複雑で難解な物に映った。
それをダンジョンと言ったのは上手い例えだろう、俺も共感した。
それと同時に、都会という複雑的な物は田舎には無いなとも感じたし、都会には田んぼも山もない、全く似た物が無い。
そう俺は思っていたが、あれに遭ってからは

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【怪恐分裂】塊

【怪恐分裂】塊

とある市で奇妙でグロテスクな物が発見された。
第一発見者は
「最初は綺麗な立方体だからブロックか何かと思ったよ、それで近づいたら、あれだったら本当にビックリしたよ」
と吐きそうな顔で話していた。
それは人の死体の塊だった。
何名かの死体で構成されており綺麗な立方体を作っていて調べてみると全部、その市で行方不明になった人だった。
誰が何のためにこんな事をしたのか分からないが何体かの死体で綺麗な立方体

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【怪恐分裂】気球おじさん

【怪恐分裂】気球おじさん

とある町で、ある中年男性が気球を自作して世界一周の旅に出ると宣言して話題になった。
皆からは「気球おじさん」の愛称で呼ばれ町の人気者だった。
そして、やってきた気球の旅、法に触れるが、それをなんとか避けて、気球おじさんは空へ飛びたった。
結果、気球おじさんは行方不明になってしまった何ヶ月経っても、他の国や地域に降り立ったという話は聞こえてこなかった。
皆は気球おじさんがいなくなったことを悲しがり気

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【怪恐分裂】クラスメイト

【怪恐分裂】クラスメイト

俺が小学六年くらいの頃は、いわゆるオカルトブームてやつだった。
皆、超能力開発とか、こっくりさんとかに本気で熱中して口裂け女に本気で怖がってた。
そんな俺も、あの頃はオカルト好きで、特にUFOに目がなかった。
よく夜に友達と地元の山に登ってUFOがいないか空を見た。
その、よくUFO探しを一緒にやってたのが友達のA君だった。
A君はUFOが大好きで、クラスでUFO好きとして皆によく知られていた。

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