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家事育児をひとりで抱えこまなくていい理由

ワンオペ育児をがんばっておられる方が、少しでも楽になれるヒントがありましたら幸いです。

(「働くママ」「専業ママ」という言葉を使っていますが、性別を固定する意図はありません。
 ひとり親家庭の方には参考になりづらい点、ご容赦ください。)



家事育児の分担は?


家事育児を「パパ」よりも「ママ」がメインで担当しているご家庭が多いように思います。

私は「家事育児は自身が成長できる最高の機会」のひとつだと考えているので、ご縁のある限り、男女の別なく経験するのが〈当たり前〉の社会になることを願っていますが……

なかなかそうはいかないのが現状かと。

「パパは仕事で忙しいんだよ」
「ママは 時短勤務/働いていない じゃないか」
「子どもだって、ママのほうが好きなんだよ」
「仕事が休みの日くらい、ゆっくりさせてくれよ」

事情はいろいろありますよね。

でも、そうした事情って、この先もずーっと変わらないままでいいのでしょうか?

ケース1。働くママが3日間いなくなったとしたら?


(息子が小2・娘が年長のときから宿泊研修に定期的に参加するようになった自身の経験から、「もっとできることがなかったのか?」の視点で考えてみました)

幼い子どもがいる共働き夫婦において、「ママ」が3日間の宿泊研修に出かけるケース。

「パパ」「ママ」「子ども」それぞれにどんなメリットがあるかを具体的に考えてみましょう。

(どれもが家族みんなにとってのメリットなのですが、イメージしやすいように分けて記載しています)

◉ パパのメリット

・事前の練習として、短時間のワンオペ育児を経験する
➡︎ ひとりでなにもかもに対応する大変さを痛感する
 想定外のことが起こるとパニックになる自分に直面する
 ふだん育児をメインで担当している妻に感謝の気持ちが生まれる

・3日間ワンオペに集中できるよう事前に仕事を調整する
➡︎子どもの急な発熱時に仕事を休む可能性があることを想定して仕事の段取り力がつく
 仕事の「緊急度 x 重要度」を見極められるようになる 
「今やるべき仕事」に集中できるようになる
➡︎ 結果として仕事全体のパフォーマンスが上がる

・3日間ワンオペ育児に挑戦する
➡︎ 妻がひとりで担当していた "名もなき家事" の大変さに気づく
 トラブルなく日々を過ごせることが〈当たり前〉でないと気づき家族への感謝が生まれる
 やり遂げたことで自信がつく

◉ ママのメリット

・仕事に直結する学びに集中できる
➡︎ 家事・育児・仕事において複数のことを同時進行で取り組み続けてきた自分の無形の資産を再発見する
 学ぶ楽しさを再認識する
 この環境を整えてくれた家族や上司・同僚たちへの感謝が生まれる

・社外のビジネスパーソンたちと直接交流する
➡︎ 異文化交流からインスピレーションを得る
 共に学ぶ仲間ができる
(ワーママと過ごすことで他の研修生側にも気づきが起こる)

・研修の成果をエバンジェリストとして職場に還元する
➡︎ 新しい役割を通じて成長を実感する
 学びを生かす場があることへの感謝が生まれる

◉ 双方のメリット

・実家に協力を依頼してみる
➡︎ 「頼りにされて嬉しい」「遠慮せずに孫と過ごせて楽しい」など親から感謝される
 「どうせ無理」という思いこみが外れて選択肢が広がる
 実家に断られたとしても「諦めずにやってみる」経験ができたことが今後につながる

・ファミリーサポートなど家族以外の支援を検討する
➡︎「家族でなんとかすべき」という思いこみを手放せる
 家事代行を試すことで「価値のあるお金の遣い方」を実感できる

・ママの研修日に向けて家族で準備を進める
➡︎ 体調を整えるためにできることを総点検する
 家族みんなの計画力・段取り力・主体性が向上する

・家事育児を棚おろしして「当たり前」としてきた分担を見直す
➡︎ 長期的視野で見ると「自分でやったほうが早い」ことにもデメリットがあるとわかる
 手作り料理や毎日の掃除にこだわらなくてもいいと気づける 
 子ども最優先で「夫婦だけの時間」を後まわしにしていたことに気づける
➡︎ 結果として夫婦喧嘩のタネが解消され、より夫婦円満になれる

◉ 子どものメリット

・延長保育を体験する
➡︎ 縦割り保育などいつもと違う経験ができる
 お迎えが最後になる寂しさ&先生を独り占めできる喜びを知る

・ママと離れて過ごす
➡︎ パパとの絆が深まる
 自立心・自律心が育つ
 寂しさを感じるのも成長

・パパと2人で過ごす
➡︎ パパを独り占めできる喜びを知る
 頼りなげなパパを助けようとする思いやりが生まれる

数え切れないほどのメリットがあることがわかりました。

ケース2。専業ママがワンオペ育児を続けたら?


「お金になる仕事をしているから偉い」なんてことは、決してありません。

「家事育児も仕事」ということを踏まえた上で、「パパ」がお金を得る仕事に、「ママ」が家事育児に専念していると、どんなデメリットがあるかを考えてみましょう。

(どれもが家族みんなにとってのデメリットなのですが、イメージしやすいように分けて記載しています)

◉ パパのデメリット

・家事育児の大変さ&面白さがわからない

・母子ともに体調を崩したときなど、何をどうすればいいかがわからない

・子どもの日々の成長に立ち会う機会を逃して喜びを感じられない

・妻にやってもらうことが「当たり前」になり、感謝を感じづらい(感謝を伝える機会が少ない)

・「いつもありがとう」と妻に伝えないことが「当たり前」になり、大切な人が喜んでくれる幸せを感じられない

・家事育児を通して自分が成長する機会を逃す
(危機管理能力、観察力、洞察力、推察力、創意工夫する力、段取り力、応用力、思いやり、コミュニケーション力、マインドを整える力など)

◉ ママのデメリット

仕事で疲れているパパを気遣うあまり、ひとりでがんばりすぎてしまうと……

・自分をいたわることを後まわしにして、心身の回復が遅れる

・長期的視野で考えづらくなる
(短期的視野で考えて悪循環に陥りがち)

・「夫は家族よりも仕事のほうが大切なのでは?」という考えが頭をよぎって不安になる

・自分の気持ちがわからなくなる

・好きだったはずのことが楽しめなくなる

・子育てが辛くなってくる

・"小さな幸せ" を感じられなくなる

◉ 双方のデメリット

・「お金を稼いでいるほうがえらい」と考えるようになり、「何をしても何をしなくても自分には価値がある」と思えなくなる
➡︎特に妻の自己肯定感・自己重要感が下がる
 夫が「仕事をしない自分には価値がない」と考えて無理をしてしまうケースも

・ 互いに愛と感謝を伝えることがなくなってくる

・夫婦ふたりで対話する時間が持てないなど、大切な人を大切にする機会を逃す

◉ 子どものデメリット


・パパとの絆が深まらない

・ママがいつも大変そうで自分まで辛くなる

・「パパとママが幸せそうじゃないのは自分のせいなのでは?」と感じてしまう
(子どもって本当に親のことをよく観ていて、いろんなことを考えています)

「ワンオペ育児でも仕方がない」とそのままにしていたら、大変なことになりそうです。

プラスとマイナスは同時に同じだけあるけれど


今回はあえて、ケース1は メリット、ケース2は デメリットだけにフォーカスしました。

「メリットがあるのにチャレンジしないのは ❌」
「デメリットがあるのに現状を変えないのは ❌」
ということは、一切ありません。

どんな出来事にもメリット(プラス)とデメリット(マイナス)があるのですから、どちらを選んでも「いい/悪い」はないのです。

ただ……

もしもあなたが、
「本当はやってみたいけれど、家族がいるからできない」
と考えていることがあったり、
「そもそも、自分がやりたいことがわからなくなった」
という状態にあるのだとしたら、一度立ち止まってみるタイミングのように思います。

特にワンオペ育児が常態化している方は、ひとりでゆっくり休む時間を確保できるよう、
「何ができるか?」
を考えて、小さなことからでも試してみられてください。

どうか、ひとりで抱えこんで無理をなさらないように。

親が笑顔でいることが、子どもにとっていちばんの幸せです。
(子どもの前で泣いてはいけない、という意味ではありません)

ひとりでがんばらない


「誰かに頼る」ことを選択肢のひとつにしましょう。

パートナーや子ども、実家や友人にお願いしてみたら、
「お安い御用 ♪」
とサクッと助けてくれるかもしれません。

「本当は自分でやってみたかったんだ ♪」
と喜ばれることだってあるでしょう。

そして、「やらない」という選択肢も試してみましょう。

「やるのが当たり前」と思っていたことが、「誰も望んでいなかった」ということだってあり得ます。


「前にダメだと言われたから」
「話題にしたら不機嫌になられたから」
もしかしたら、いまは事情や反応が変わっているかもしれません。

人はいつだって変われます。
ということは、相手だっていつまでも同じままではないはずです。

あなたの心と身体が悲鳴をあげてしまう前に、いつもとは違う選択肢を試してみていただければと思います。


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