マガジンのカバー画像

作詞

8
言葉が溢れる、溢れて溢れてどうしようない。そんな時に書きたくなる言葉たち。それに、小説も。ちっぽけな話だから、それがいい。
運営しているクリエイター

記事一覧

相良とその彼氏と僕

相良とその彼氏と僕

親友の相良友子には彼氏がいる。男女共に分け隔て無く大人気の陸上部のエースだ。
そして、相良友子の親友の僕はどうだ。ガリ勉でギリギリこの高校に入れた。今では下から数えた方が早い。友子くらいだ。こんな僕に優しいのは。友子とその彼氏。例えばB氏とでも名付けておくか。僕はB氏が好きだ。汗を流しているとこも、友子からの差し入れの手作り弁当を嬉しそうに頬張るとこも。友子と、人目を気にしつつ相合傘をするとこも。

もっとみる
お前の屁

お前の屁

「なんだかお前の屁はいい匂いがするな」
真面目1本やりで相談にはよく乗るが、自分からはあまり口出しとかして来ない父が珍妙な顔で、俺に言う
「そうね、とても清々しい清涼な」
「そうそう。なんなら、いまの屁様よりお前の屁の方がいい匂いだ」
「お父さん、それは言い過ぎよ」
「いや、言い過ぎじゃない。」と、俺はギョッとする。も、もしかして
「次の屁様はお前で決まりだな」
「そうと決まったら、毎日さつまいも

もっとみる
ドア越しの恋人たち

ドア越しの恋人たち

今日は佐藤さんが配達の日。
僕の彼女は配達員をしている。

ピンポンが鳴ると麗らかで透き通った声で小林さん、お荷物ですと。僕も配達員さん、お疲れ様と。

彼女はいつもテキパキしている。普段から休みの日は僕の家でのんびりゴロゴロしている姿をお首にも出さない。

はい、どうぞ。そっと荷物が差し出される。そこに、僕はウルトラマンのハンコで小林と押す。いつか、配達員の名前も小林になるだろう。春には赤ん坊が

もっとみる
ss:お久しぶり

ss:お久しぶり

ひさびさに旧友に遭った。彼女とは会うではなく、いつも遭う。どんな時に、彼女に再会してもいつも思うのは未知との遭遇だ。なにが彼女をそうさせるのかはわからない。わかりたくもない。単純に、わたしの知己とは言い切れないなにか。友人ではなく、旧友。そんな間柄。

佐良。

大きな笑顔で彼女は不意にわたしを見つけたと、手を振り駆け寄ってきた。

たしかに、わたしは社会人で。佐良成祥と言う。だが、そのわたしの名

もっとみる
終わらない物語りを描こう。

終わらない物語りを描こう。

いま、君が言ったみたいに。

真っ白なカンバスに。

君が見たまま描けばいい。

それは、何にも負けない。

誰より強く果てしない。

きっと、そんな二人の物語りだから。

できることをしよう。

できることをしよう。

できないことはできない。

兎に角、

いま、できることを。
いま、考えていることを。
いま、素直に想うことを。

できることをしよう。

俳句とな

俳句とな

黒点と
白点眺むる
サングラス

昼の酷暑に
夜のツンドラ
ららら島国

美しき
獣と見紛う
流星群

見えなくて
障れもしない
この気持ち
あるあるあるさ
ないないないさ

光と影
どちらが主?
わたしが自由?

無い物ねだり
ある物否定
ないないないさ
あるあるあるさ

暑い暑い暑い
そんな夜
熱帯夜

混合して
分解して
また溶け合って
似た者同士
混ざりて離れる

守破離せよ
守って破って

もっとみる
しかとしか

しかとしか

然し、は案山子。

鹿とは、鹿とし。

愛別離苦

Alice✴️