小さい頃はすぐに眠れていたのに、
いつから寝つきが悪くなったんだろう。

一人暮らしになって、上手くいかない仕事のことや、当時付き合っていた人の事で悩んでいるうちに、だんだん寝つきが悪くなった気がする。人よりよく夢も見るし、それが大抵悪夢だから、朝起きても疲れていることが多かった。

その時見る夢は、仕事でミスをする夢か、付き合っている人に対する叶わない願望(？)みたいなのが夢で実現されて喜んでいて、起きたらがっかりする、みたいな内容だった。

今、前に比べてだいぶすぐ寝られるようになって、(相変わらず夢見る頻度は高いけど)
ほんとうに、睡眠には、ストレスとか不安が関係していたんだなあと思う。
今も、たまに昔のことが夢に出てくるけれど、起きたらちゃんと安心する現実があるから、全然平気になった。

彼と一緒に眠るときは、特に眠りに落ちるまでの時間が速い。
しかも、彼はほんとうに、おやすみと言ってから、眠りに落ちるスピードが早くて、彼の寝息を聞いたり、呼吸をするたび上下に動く身体を見ていると、自然と安心して、いつのまにかわたしも眠っていることが多い。



一度眠ってしまうと、抱きしめても、手を握っても、二の腕に口をつけても、全然起きないから、ちょっと寂しくもあるけれど、
好きなだけ、安心できる身体に触れていられるから、逆にそれも好きな時間なのだ。

昔、夜眠れない時にしていた、かなり深夜からの散歩や、コップ少しのホットワイン、ベランダに出て下や外を眺める時間や、SNS、眠れると話題の音楽を何周もしてしまうこと、それらの色んな事を、今ほぼしなくなった。

以前は、楽しくて幸せなときと、そうじゃないとき、それが繰り返し続いていたから、良い時もすでにその後来る悪い時の予感で、ずっと、ほのかに不安だったのだ。(それでもその時はいいと思えるくらい、その環境にいたかったのも事実)

“心が安全で安心できる生活”に大切なことって、なんだろう、という質問をされたら、今なら答えられる気がする。

昔は、「周りの大切な人が最終的な味方でいてくれたらそれで安心できる、それで良い」と思っていたけれど、それは日々の安心にあまりつながらなかった。

生きていると、それだけで小さなストレスとか、たびたび発生する不安とか、嫌な気持ちになることとか、そういうものに沢山出会って、
やっぱり最終的な大きな存在って必要だけど、そんなことより、日々の小さなことを一緒に対処してくれる存在の方が、まずは必要な気がするのだ。(わたしの場合は)

何か大きな問題とか、将来を左右する不安とか、そういう物ももちろん一緒になって考えてくれないと困るけれど、そういうものって、最終的には自分で決めて動くものだと思うから。
だから、大きなことの解消よりも、日々の小さいけれど積もっていく物の破壊の方が、心の安心には大切な気がする。

それは、1人だと放っておいてしまいがちで、我慢してしまいがちで、手をつけようとした時には、結構大きくなっていたりすること、ない？

小さな嫌なことやストレスを、忘れさせてくれるだけで良い。一緒にいるだけで元気になれたり、寝る前の少しのおしゃべりで笑い転げたり、おやすみを言う時にホッとできるだけで、十分過ぎる。



そういうのって、一時的な処方箋にすぎないけど、人生って、それの積み重ねが大事じゃない？
いつも、わたしが色んな人から、色んな場面で、沢山吸収してきてしまう小さなことを、彼が少しずつ溶かしてくれる。
してもらってばかりじゃなく、私も彼にとって、そうだといいけれど。

最近も、仕事の関係でちょっと参ることがあって、特にそれを話していなかった。

他人のことなのに、自分のことみたいに辛くなっていた。

でもそれって、考えても仕方ないことで、わたしも自分の仕事として引き受けた以上、責任を持ってやっていくしかないことだった。
だから、前向きに明るく考えて、切り替えていくしかなかったのだけど、1人ではなかなかそれができなかった。

週末、彼と会って、特にこのことは話さなかったけれど、寝る前にくだらない話をして、なにか訳のわからないことで笑って(もう忘れたくらいくだらない事)、ベッドのぬいぐるみでふざけたり、ひっついておやすみって言って、それだけで「まあなんとか頑張ろう」とリフレッシュできた。すごい。

とんでもなく心惹かれる人や、人生を左右する恋もいいけど、全部経験した上で、
今の人との幸福が、とんでもなく大切で、手放してはいけない自分の一部な気がする。

空気が美味しい、みたいな事と似ている。
息がしやすい。
よく眠り、すぐ眠り、わたしを元気にしてくれる魔法を使える人の横で、わたしもよく眠れ、息をする。ずっと、隣でそうしていきたい。

睡眠、安心、一緒に眠る人、だいじ！！！