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フランス革命前夜の壮大な物語‐遠藤周作氏の『王妃マリー・アントワネット』‐

みなさん、こんにちは!

今日は、以前から気になっていた遠藤周作さんの著書『王妃マリー・アントワネット』の感想について書きたいと思います。

ベルサイユのばらと同様、マリー・アントワネットがフランスに輿入れしてくるところから彼女の処刑までを史実に基づくフィクションとして描いていて、歴史上の人物と架空の人物との融合が素晴らしいストーリーになっています。

かなりの長編なので、面白くなければ途中で読むのをやめようかな、と思っていたのですが、最初から最後までストーリーに引き込まれ、全く飽きませんでした。

では、まずストーリーの大まかな感想をさらっと挙げてみます。

①とにかく登場人物が多い!
フランス革命期の歴史上の人物がほとんど登場している印象を受けました。マリー・アントワネット、ルイ16世、フェルゼンはもちろん、サド侯爵やカリオストロ伯爵、ジャンヌ、死刑執行人サンソン等が登場。
また、マルグリットやアニエス修道女等、架空人物も多く登場します。

②フェルゼンの影が薄い!
フェルゼンは、王妃がチュイルリー宮殿に幽閉される前後から、ようやく登場人物として表舞台に躍り出た感がありました。
ベルばらでは、ストーリーの最初からフェルゼンの存在感が大きいのに対し、ようやくヴァレンヌ逃亡前から、彼の存在感が増してきた、という感じでした。
フェルゼンは、マリー・アントワネットのことを早い段階から好意を持っていたのに対し、マリー・アントワネットは、フェルゼンのことを最初、弟のようにみていた(!)というのが新鮮でした。
彼女が幽閉されてから、ようやく2人の気持ちが通じ合うという展開です。
そして、フェルゼンは、生真面目で控えめな性格として描かれているので、表舞台に登場してからも存在感が薄いというか・・・またこのことも追々記事に書くかもしれません。

③マリー・アントワネットと対比して描かれるマルグリット
マリー・アントワネットと同い年のマルグリットは架空人物ですが、王妃とは真逆の人生を歩む女性として描かれています。
フランスにマリー・アントワネットが輿入れしてきた時、マルグリットは、馬車に乗った彼女をストラスブールの街で偶然見かけるんです。
生まれた時からなんでも持っていて、苦労することもなく、華やかなマリー・アントワネットに対し、親もおらず、大嫌いなおばさんにこき使われて働かなければならないマルグリット。
マルグリットは、容姿は王妃と似ているのに、王妃と正反対の人生なんですね。
彼女は貴族を憎んでいるので、革命が起こった時、革命に参加します。

マルグリットは、パリに出て一旦娼婦に身を落とすのですが、その後、サド侯爵を牢獄から救出する作戦に参加したり、首飾り事件の時に偽者の王妃になったり、革命が始まってからは、逆に王党派からヴァレンヌ逃亡の時に王妃の身代わりとして利用されたりと、波乱万丈な人生を送ります。

最後には、王妃の処刑の日、王妃救出作戦の一環として、王妃の代わりにマルグリットが処刑されそうになるんですが・・・。

長くなりそうなので、続きは次回の記事に書きたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

https://youtu.be/h2mpKw_wbt0


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