【短編小説】骨まで凍る(2)
「じゃあ、今日から僕が使ってる罠を見てもらいながらね、少しずつ勉強していってください。まあ、僕がやってるのもお手本とは程遠いんだけど」
山下さんは軽トラックの荷台から年季の入った背負子を引っ張り出して背負った。背負子にはシャベルや工具、ロープといった罠猟に必要な道具が整然とまとめられている。
「よろしくお願いします」
ついに狩猟免許を取ってから初めての猟期を迎え、俺は緊張していた。
移住前はごく普通の会社勤めをしていた。趣味でハイキング程度はしていたものの、実のところ狩