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愛と怒りの赤 #12

起業家という道を経て、今は二作目の出版を目指して執筆活動に明け暮れる橋本なずなです。

皆さんは何色が好きですか?

私は視覚的に惹かれるものはピンク、持っている洋服に多いのは白と青など寒色系の色味。
けれど、私が最も好きな色は「赤」です。

理由は明快。
主人公の色だから。

大抵、戦隊モノの主役はメンバーカラーが赤だし、アイドルのセンターも赤を譲らない。
なんて理由から、私は高校で部活を立ち上げた時から赤にこだわってきた。
今でも赤一色のワンピースは私のお気に入りの一着だし、お正月に一目惚れして買った真っ赤な大きなリボンはいつだって私の心を上げてくれる。

主人公の「赤」
ちなみに、そんな私のMBTIは “ENFJ” ——— 主人公型。


母の葬儀の後日談。

実は、葬儀には母方の叔父、つまり母の弟が参列していた。

私は叔父に母の死を知らせていない。兄から訃報を訊いて顔を出してくれたのだろうが、私と叔父も以前に揉めていて、あまり良い思い出が無い。
けれど、言ってしまえば昔の話だし、今思えば大したことではなかった。

その日はお互いに割り切って関わっていたと思う。
告別式が行われ、母の会社の方々や、私の友人らがお焼香と挨拶を済ませてくれた後のこと。

叔父が言った。

『 今な、外にばーちゃんとじーちゃん連れて来てんねんけどな、最後に挨拶させたってもええかな? 俺が無理やり連れて来てん。ごめんやで 』

私は一瞬、口を噤んだ。嫌だと言いたかったから。

しかし私の左隣に座っていた父が思いもよらぬ言葉を発した。

『 うんうん。ええよええよ、最後に挨拶したってくれ 』


これはnoteでも書籍の中でも未だ深くは語っていない、母と祖父母の話。

兄が家出をしたのをきっかけに、母と祖父母の関係は酷くこじれた。
うわべだけを掬えば兄の味方に祖父母が付いた “だけ” のように見えるだろうが、渦中に居た私は知っている。
兄の家出にかこつけて、祖母が母をいじめていたことを。

いつかどこかで、より深く書く機会に恵まれれば良いと思うが、そのいじめは到底 実の親子 のなかで起こっているとは信じ難いものだった。
悲劇のヒロインに浸るつもりはないが、母が父に殴られる様や祖母にいじめられる様を見て育った私は、立派な精神的虐待を受けていたと思う。
母を守ろうとも小学生だった私は力が及ばす、自分の存在さえも無意味に感じられた。

だから、今こそ訴えたい。
私が心を病んだことを母のせいだと云う第三者が居るのだけれど、
私がそれを断固として否定してきたのは、母の陰に潜む “その他の大人たち” が諸悪の根源であると分かっていたからだ。

もちろん傷付いたのは私だけではない。
当時、兄を失って嘆く母を、祖父母は容赦なく追い詰めた。


あの頃に一度、母の心は殺されている。


それなのに、最後に挨拶だ何だとほざく叔父に、ましてや事情を知っているにもかかわらず『 ええよええよ 』なんて招き入れる父に、

私は心底失望した。

そしてその後の祖父母らの行動は、その失望をゆうに越えて来た。

祖父母の姿を見るのは、9歳の時以来だ。14年ぶり。
無理やり連れて来たそうなので、喪服でも無ければ数珠の一つも持ちはしていない。
トコトコと入って来てお焼香を上げて、棺の中の母に語りかけた。

まるで、悲しそうに。

別れを終えると親族者席に座る私には目もくれず、そそくさと会場を出て行った。
この時ばかりは本気で、手が出そうになった。
どの面下げて来てんだよって、悲劇風の演出すんなよって、
今にも殴りかかりそうな私の硬い拳を友人がぎゅぅっと握り押さえてくれていた。

怒りで涙が溢れてきて、葬儀の後、私は父に声を荒げ怒鳴った。


私の原動力は「愛と怒り」だ。
母を守る為に闘って、母に酷い仕打ちをした兄、父、祖父母を見返す為に己を売って生きて来た。

母が居なくなったって、この思いは消えない。私はお前らを絶対許さない。

これまでも、これからも。


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