53. 居場所を重ねて、私をつくる
コロナ禍が始まる2020年の秋から、文章教室に通っている。1年目は東京の道玄坂にある100人余りの教室で、自分の書いた作品を出版社の元編集長が、3時間で約10本の作品を講評していくというスタイルだった。ここは、ミステリーなどエンタメを柱とした学校であり、文章の書き方を習うというよりは、企みがある、謎がある、仕掛けが面白いもの。あるいは視点が新しかったり、社会を風刺する、そういった作品が評価されていた。生徒が書いたものを、もっと面白くするためのアイデアを指南するというスタイル