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おまんじゅうアイデンティティ
僕のおじいちゃんは和菓子職人だった。僕が小学生の時にもう亡くなっているので、「だった」と書いている。岐阜県恵那市の中山道の宿場町である大井宿で、小さいながら自分の店を経営し、生涯現役だった。3人の子供に大変だから後は継がなくていい、と言っていたようで、おじいちゃんの死と共に和菓子屋は無くなった。
僕は子供の頃から、沢山のまんじゅうを食べてきた。おじいちゃんと一緒に暮らしていたわけではないが、
記憶の中でどんどん美味しくなる/Sri Lanka/たびのきおく
人生で一番美味しいと思ったカレーは?と聞かれたら、決まって、「スリランカのおうちで食べたワタリガニのカレー」と答えている。思い出の中で更に美味しくなっているから、きっとこれを超えるものに僕は出会えない。
そのカレーを作ってくれた人。スリランカでお世話になったティッサさんが亡くなって、5年が経つ。最後に彼に会ったのはティッサさんが亡くなる2015年夏の終わり頃だった。
その年、僕は5年
チーズに詰まった誇りと喜びを知る/Italia/たびのきおく
2019年末から2020年始に、3週間かけて巡るイタリア縦断の旅に出かけた。ナポリから入国し、ローマ・フィレンツェ・ボローニャと都市部を経由しながら北上し、ソレント、トスカーナ、パルマにてアグリツーリズモ(農家民宿)に泊まった。レモン農家、ワイナリー、チーズ農家に滞在して、どこも学び多しだったが、結果としてパルマにて自分が味わいたかった経験ができた。これからの持続可能な生き方について考える土台に
もっとみるどの世界でも母ちゃんは優しい/Guatemala/たびのきおく
世界のいろんなところを旅して気づいたことがある。どの世界でも母ちゃんは母ちゃん。母ちゃんは優しい。温かい。世界中、特に田舎にいけばいくほど、それを感じる機会がある。
2013年の9月、大学生だった僕は、学生最後の夏に2ヶ月かけて中米縦断の旅に出かけていた。メキシコからパナマまで。その2つ目の国がグアテマラだ。2ヶ月で、航空機代が10万くらいなのを別にして、旅予算は10万。楽しい貧乏旅行だ。メ