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同じ月

あなたが何も語らないのは

語れないわけがあるからで

そのわけはわからなくても

そのわけがただしいことはわかる

ぼくが何も尋ねないのは

あなたを信じているからで

つなぎとめるものはもう

ことばではないと知っている

はなればなれでも

はなしあわずとも

からだやことばじゃないもので

ぼくらはとわにつながっている

だいじょうぶ 

それはどんなかみさまにも

ひきさくことはできない

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サラリーマンより自営業のほうが幸福度が高いことと、人は好きなことしか熱中できないこと

サラリーマンより自営業のほうが幸福度が高いことと、人は好きなことしか熱中できないこと

※祝日は読む人が激減するので、個人的な話を。

橘玲の『幸福の「資本」論』がすごく面白かったので、僕に関係している箇所だけ、ここで紹介します。

まず、サラリーマンより、自営業の方が「幸福度」が高いそうです。

これ、自営業の方が、「やりがい」があったり「自分が好きなことができる」だけではなく、「時間(いつどれだけ働くか)」と「人間関係(誰と働くか)」を選べるから、なのだそうです。

人間は「親し

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いつもの道・いつもの樹

いつもの道・いつもの樹

6年前に、ご近所の河川敷に佇んでいるエノキの大樹を、一年間定点観測してみたことがあるのですが、この週末、久しぶりに行ってみると、伐採されて、切り株になっていました。在りし日をしのんで、2011年のブログから二つの記事を転載します。

さようなら。その節は、ありがとう。

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【いつもの道・いつもの樹】

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【鼓腹撃壌】(こふく げきじょう)

【鼓腹撃壌】(こふく げきじょう)

 ── 毎日の生活を楽しんでること ──

「鼓腹」は自分のお腹をぽんぽん叩くこと。「撃壌」は足でリズムをとること。二つ合わせて、なんの憂いもなく、毎日が満ち足りている様子を表す。

 昔、あまりにも昔のため、本当にあったのかどうかもわからないほど昔の中国に、政治にかかる費用をできるだけ節約して、その分、人々の税金を安くするなどして、人々が暮らしやすい理想的な国家経営を行ったと伝えられる堯(ぎょ

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それでもいいのです

【詩】

 

それでもいいのです
その沈黙が語る言葉に耳を傾け
わたしはいつかの野にあって
若紫の花を眺めます

暮れなずむ空一筋の
茜に引かれたその白線を追い
あなたはいつも西を向いて
片雲のようそこに在ります

それでもいいのです
街角ショーウィンドウに気持ち映し
自分を象る姿が独りでに
うらはらな時過ごしても

また暮れなずむ空今日も
欠けてゆく月にやはりわたしも
いつかの野にあり西を向く

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雨の日に風はあるか

新聞売り場の前でバスを見送る
きみではないものに照らされて夜の破片を踏んで風が起こる
そのときも不在は浅い記憶の井戸をからし
起き上がる横たわるが等価である河床をすべる
どの川もあふれることができる
そこに雨はあるか

三行で終わるはずだった坂を雨がながれおちる
わたしがだれかの代わりにきみをなぐさめ
気温のない季節を最小の愛があたためようとしている
橋をわたれば住んだことのない土地がはじまる

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