荒川出版会

「心理学を考えること、心理学を通じて考えること」を目的とした任意団体です。「正解」では…

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「心理学を考えること、心理学を通じて考えること」を目的とした任意団体です。「正解」ではなく「正解(仮)」を作ることを心がけて活動しています。

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  • Re:mind Vol.1

    荒川出版会、初書籍『Re:mind Vol.1』(りまいんどぼりゅーむいち)の一部を公開しています。各記事の概要は随時、更新していきます。 創刊に寄せて(全文公開) 目次(全文公開) 各記事(編集部員による概要)

最近の記事

気恥ずかしい対話、あるいは「裸の王様」を乗り越えるには?:「関係性のデザインを考える──グループ・ビルディングの心理学」事後レポート

 こんにちは、荒川出版会の古川です。  2024年3月21日、新進気鋭の社会心理学者をお招きして「関係性のデザインを考える──グループ・ビルディングの心理学」というトークイベントを開催しました。  登壇者は以下の通りです。 ・秋保亮太(あきほ・りょうた)さん ・宮前良平(みやまえ・りょうへい)さん ・仲嶺真(なかみね・しん)さん  秋保さんは産業・組織心理学、グループ・ダイナミックスの専門家、宮前さんはグループ・ダイナミックス、災害復興の専門家、荒川出版会の会長である仲

    • 【質疑応答の一部公開】秋保亮太×宮前良平×仲嶺真「関係性のデザインを考える──グループ・ビルディングの心理学」#荒川出版会240321

      先日、『関係性のデザインを考える──グループ・ビルディングの心理学』と題して、秋保亮太氏、宮前良平氏、仲嶺真でトークイベントを開催しました。 このトークイベントでは、「私たちはどのように他者と付き合えば、より良い関係性を作れるのでしょうか? 良い関係性とは一体何なのでしょうか? そもそも私たちは良い関係性を作る必要がどこまであるのでしょうか?」という問いに対して、社会心理学の立場からどのように応えることができるのかを目指して開催されました。(事前レポートはこちら) 本イベ

      • 【大胆アイデア大歓迎!】平日夜の読書会──チームを良くするために

        *このイベントは、オンラインのみの開催です。 申込はこちら。 チーム・ダイナミックスを活用したチーム作りをしよう! チームを作るのは簡単ではありません。人を集めたらチームになるわけではないですし、有能な人々を集めたら優秀なチームになるわけではありません。どうすればチーム一丸となって素晴らしい成果をあげることができるのでしょうか。 チーム・ダイナミックスは、チームとして最高の成果をあげる方法を考えるのに役立ちます。本書『チーム・ダイナミックスの行動科学──組織の生産性・安全

        • Re:mind Vol.1 目次

          創刊に寄せて(仲嶺真)・・・2 特集 心理学の未来・・・8 独立研究者という文化的実践(朴東燮)・・・10 がんばれサイコロジスト ふらふら道中 僕がアイドルになった理由(須藤竜之介)・・・46 S-Pモデル私案──科学を血肉にして動き応答し続ける実践家の集団(小田友理恵)・・・70 研究の中で「私」が何を感じ、その後に実践者と何を見つけたのか──責任、意図(意志と自由)、「むりやりんく遊び」(北本遼太×遠藤賢二)・・・90 挑戦的心理学のいくつかの挑戦(ロイス・ホルツマン

        気恥ずかしい対話、あるいは「裸の王様」を乗り越えるには?:「関係性のデザインを考える──グループ・ビルディングの心理学」事後レポート

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        • Re:mind Vol.1
          4本

        記事

          【読書初心者大歓迎!】平日夜の読書会──心のケアを考える

          *このイベントは、オンラインのみの開催です。 申込はこちら。 心のケアはみんなのものである!悩み相談を受けたら、話を聞き、アドバイスをし、時には助けます。落ち込んでいる人には、遊びに誘って気晴らしをしようとしたり、安心してもらうために「大丈夫だよ」と声をかけたりします。私たちはふだんから心のケアをしています。 一方で、臨床心理士や公認心理師など、専門家として心のケアに取り組んでいる人もいます。 私たちの心のケアと専門家の心のケアは何がどのように違うのでしょうか、あるいは

          【読書初心者大歓迎!】平日夜の読書会──心のケアを考える

          私たちは他者とよい関係をつくれるのか──「関係性のデザインを考える──グループ・ビルディングの心理学」事前レポート

          私たちは他者とどのようによい関係をつくれるのでしょうか。 多くの人が気になる、重要な問いの一つです。社会心理学はこのような問い(人間の社会性とは何か)に応えようとしてきました(亀田達也『大学4年間の社会心理学が10時間でざっと学べる』KADOKAWA、2023年)。 社会心理学の起点は1908年と言われることもあります(サトウタツヤ「起源神話?1908年は社会心理学が始まった年?!」心理学ワールド、2008年)。そうであれば、社会心理学は100年以上にわたり「人間の社会性

          私たちは他者とよい関係をつくれるのか──「関係性のデザインを考える──グループ・ビルディングの心理学」事前レポート

          秋保亮太×宮前良平×仲嶺真「関係性のデザインを考える──グループ・ビルディングの心理学」

          本イベントは、会場での観覧とインターネット配信との、ハイブリット配信型のイベントです。購入するチケットにお間違えのないようご注意ください。 学生の方は、オンライン視聴チケットが無料で購入可能です。詳細は「チケットについて」をご参照ください。※ 大学院生は無料チケットの対象外です。 イベント概要荒川出版会 社会心理学イベント第二弾!!  昨年3月に開催され、白熱した議論が行われた「社会心理学者は歴史といかに向き合ってきたか?」に引き続き、日常生活に根差した社会心理学につい

          秋保亮太×宮前良平×仲嶺真「関係性のデザインを考える──グループ・ビルディングの心理学」

          2024年の荒川出版会の抱負を語る

          はやいもので、年が明けてからすでに1か月が経ってしまいました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。 この記事では、荒川出版会の仲嶺真が2024年の活動の抱負について、遅まきながら語りたいと思います。 出版・販売活動2023年は荒川出版会初書籍『Re:mind Vol.1』を刊行しました。荒川出版会はその名の通り、Zineを出版しようという活動が団体発足のきっかけになっています。足掛け2年で『Re:mind Vol.1』の刊行にこぎつけました。 2024年は『Remind

          2024年の荒川出版会の抱負を語る

          【盛大な誤読大歓迎!】平日夜の読書会──関係性から考えるものの見方に触れる

          *このイベントは、オンラインのみの開催です。 申込はこちら。 今話題の「社会構成主義」!実に堅苦しい名前ですが、実際は面白くて、いろいろな場面(ビジネス、人間関係、教育)で活かせる考え方です。「関係性から考えるものの見方」とも言われています。 <帯文を書かれた篠原信先生による社会構成主義の紹介:存在を変えようとするのではなく、硬直した関係性に変化をもたらす> 本書『関係の世界へ』は、関係性から考えるものの見方 a.k.a 社会構成主義 のいちばんやさしい入門書。社会構成

          【盛大な誤読大歓迎!】平日夜の読書会──関係性から考えるものの見方に触れる

          2023年の荒川出版会を振り返る

           例年に比べて暖かい年の瀬ですが、いかがお過ごしでしょうか。  2023年も残すところあとわずかですね。  この記事では、荒川出版会の北本遼太が2023年の活動を振り返りながら、今年1年間の活動記録を報告します。 出版・販売活動 まずは何といっても、荒川出版会より初の書籍『Re:mind Vol.1』が刊行されました。詳しい内容は、記事紹介のnoteをご覧いただいたり、実際に手に取っていただければと思います。購入はコチラ。  Re:mind は、心に関する議論を心理学

          2023年の荒川出版会を振り返る

          誰かが犠牲になることなく、“弱さ”を見せあえる環境をいかにつくるか:「新自由主義保育からの脱出──豊かな保育環境をみんなでつくるためには」事後レポート

          皆さん、こんにちは。荒川出版会の水島です。 2023年10月21日、「新自由主義保育からの脱出──豊かな保育環境をみんなでつくるためには」と題した、保育者の労働問題に関するトークイベントが行われました。 登壇者は、蓑輪明子さんと北本遼太さん。蓑輪さんは、保育士の労働調査で脚光を浴びた労働問題の専門家。北本さんは、社会物質性アプローチを用いて実践的な介入を行う発達心理学者であり、保育者養成校の教員でもあります。 労働論×心理学。2つを掛け合わせたとき、保育現場の多忙さや余

          誰かが犠牲になることなく、“弱さ”を見せあえる環境をいかにつくるか:「新自由主義保育からの脱出──豊かな保育環境をみんなでつくるためには」事後レポート

          豊かな保育環境をみんなでつくるためには──「新自由主義保育からの脱出」事前レポート

          「新自由主義」、「保育」、「保育環境」、「脱出」…。  聞いたことはあるけどコムズカシイ単語が並んだ、とっつきにくいイベント名だと思われるかもしれません。  でも、このイベントでは皆さんの(保育者の方や子育て中の方以外も!)生活やお仕事にとても深く関わる話が出来ると確信しています。この事前レポートでは、とっつきにくいイベント名が実は日常生活とリンクしていることを出来る限りコムズカシイ話は抜きにお話ししたいと思います。  それではテーマとなっている新自由主義とは何か?  い

          豊かな保育環境をみんなでつくるためには──「新自由主義保育からの脱出」事前レポート

          独立研究者という文化的実践(朴東燮)

          ※ 以下は、独立研究者という文化的実践(朴東燮)前半部の概要を編集部員(仲嶺真)がまとめたものです ※ 本文中の太字(ボールド)は、同記事からの引用です。 独立研究者が語る「知」の本質2016年3月に大学教員を辞職して独立研究者になった。周りからは「なんで辞めたの?」とよく聞かれるけれど、本人としては「なんとなく」としかいいようがない。理由のよくわからないままに続けていると、「なんでこんなことをしているのか」と、自分でも必死に理由をさぐる。そう、「理由」というものはしばしば

          独立研究者という文化的実践(朴東燮)

          特集 心理学の未来

          特集を起案したとき、「研究」という文脈で「心理学の未来」を構想していた。科学か物語か、質か量か、あるいは、それらの混合という方向か。振り返ってみると、そういった「研究」の未来を考えるために、本特集を構想していたように思う。 しかし、結果として集まったのは、そういった「研究」という文脈を超えて、そもそもの心理学の未来を構想しようとする論考であった。「研究」という枠組みにおさまらない、社会の中での「心理学の未来」を論じたものである。ゆえに、当初書く予定だった特集の前書きをそのま

          特集 心理学の未来

          『Re:mind Vol.1』の一部を公開します

          荒川出版会初の書籍『Re:mind Vol.1』(りまいんどぼりゅーむいち)を先日刊行しました。すでに数名の方にはご購入いただきました。ありがとうございます。 『Re:mind』は、心をもういちど考え直すために、を合言葉に作られています。心について関心のある方ならどなたでも、読むこと、読んで考えることができることを目指して、ひろく心についての論考、コラム等を集めています。 しかし、創刊号ですし、またネットだけの販売であることから、中身がいったいどうなっているのか、確認する

          『Re:mind Vol.1』の一部を公開します

          心理尺度の適切な利用を考える──「心は測れるのか」事前レポート

          「心は測れるのか」というテーマは、とても大きなテーマです。たとえば、カントは「心理学は科学になれない。なぜなら、”心”に数学を適用できないからだ。」と言いました。そして、心理学の科学化(数学を適用することはその一つ)は、これを乗り越える形で行われてきており、「心を測る」というのは、ある意味で、心理学の根底にある問題意識だったわけです。 出典:サトウタツヤ「心理学は科学になれない イマヌエル・カントが言ったことについてのメモ」https://psych.or.jp/inter

          心理尺度の適切な利用を考える──「心は測れるのか」事前レポート