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『ユメ消費』~コト消費の先にあるもの~

 日経電子版の記事【仮想アイテムが高額化 100万円のデジタルドレスも】に登場する9500ドルのデジタルドレスには驚かされます。実際に手に取ることの叶わない(もちろん着ることの出来ない)バーチャルなドレスが9500ドルとは……これは、もはや『コト消費』の先を行く『ユメ消費』と言えそうです……。夢を売ると言えば、SF映画の「トータルリコール」を思い出しますが、そんな世界に一歩近付いたかのようです。



 ここで、仮に『ユメ消費』なるものを他の消費形態と対比してみると――

▶消費の3形態

 形態・・・・・・・・所有か利用か・・・・・消費する世界

モノ消費・・・・・・・・・所有・・・・・・・・・・・・リアル

コト消費・・・・・・・・・利用・・・・・・・・・・・・リアル

ユメ消費・・・・・・・・・利用・・・・・・・・・・・バーチャル



 そこで、記事などから、この『ユメ消費』の特徴を整理してみると――

▶『ユメ消費』の特徴

(1)『バーチャル空間での利用』・・・ユーザーにとって、ネット上、
  バーチャル空間で(バーチャルアイテムを)利用することが、
  体験価値
となる。

(2)『リアルとは別のバーチャルマーケット』・・・ユメ消費のマーケット
  は、直接リアルなマーケットとは喰い合わないバーチャルマーケット
  としてのブルーオーシャン
。例えば、バーチャルアイテムとしての
  ファッションを持っていた(利用していた)としても、現実の服は
  必要。

(3)『バーチャルなエコシステム』・・・バーチャルアイテムを梃子にした
  バーチャルなエコシステム
が形成されるポテンシャルがある。

(4)『バーチャルアイテム専門のブランド』・・・バーチャルマーケットの
  拡大と共に、バーチャルアイテムを専門に扱うブランドが登場するかも
  知れない。例えば、様々なゲームに参加できるゲームのキャラクターを
  販売する会社や、バーチャル空間でのみ運転可能なスーパーカーの会社
  など……

(5)『バーチャルアイテムのリアル化』・・・バーチャルな世界でヒット
  したアイテムは、当然リアル化してもヒットする可能性がある。

(6)『バーチャルアイテムでテストマーケティング』・・・(5)は、裏を
  返せば、バーチャルアイテムでテストマーケティングが可能という事。
  バーチャルアイテムでテストできれば、大規模なフィードバック、精度
  の高いブラッシュアップも可能
となる。

(7)『カスタマイズ』・・・バーチャルアイテムは、リアルと比べて、
  カスタマイズも容易で、ユーザーのニーズをつかみやすい



 このような『ユメ消費』の特徴、ポテンシャルは、同時にいくつかの課題も提起しています――

▶『ユメ消費』の課題

(1)『本物』・・・バーチャルなアイテムの真贋をどのように説明(担保)
  できるか?

(2)『新品』・・・バーチャルアイテムは、時間と共に劣化するような
  プログラムを組まない限り劣化せず、ユーザーが飽きない限り、買い
  替え需要は発生しない


(3)『稀少性』・・・いくらでも「生産」できるバーチャルアイテムの稀少
  価値
をどうやって担保するか?

(4)『保管』・・・例えば9500ドルのバーチャルドレスをどうやって安全に
  保管するか?バーチャル貸金庫



 この新しい『ユメ消費』というバーチャルマーケットが、ユーザーの体験価値をセキュアに生み出し続ける為には、『ユメ消費』に最適化したプラットフォームの構築が不可欠のようです。


#COMEMO #NIKKEI

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