見出し画像

スモールマスのエコシステム~ユーザー一人ひとりのニーズを掘り下げる~

 日経電子版の記事【出版不況でも返本ゼロ 成長への解、規模にあらず
Neo economy(4)広がる異世界】は、この四半世紀で倍増した小売店の品目数に象徴される『スモールマス市場』(=マスではないものの一定の規模の見込める市場)の広がりについて改めて考えさせてくれます。



 所有より利用する事、体験そのものを重視するコト消費の世界に生きる第4次産業革命の時代のユーザーに受け入れられるプロダクト(モノ・サービス)を生み出すには、ユーザー一人ひとりの体験を見据えニーズを深堀りしていく姿勢が欠かせません。そこでは、もはやマスな市場の最大公約数となるようなニーズを模索する従来の手法は通用せず、プロダクトはきめ細かなニーズに対応して細分化されたスモールマス市場を形成するようになります。

 その意味で、成長のカギは、単純な規模の大きさにあるのではなく、スモールマスな最適解となるプロダクト(モノ・サービス)を生み出せるエコシステムにある、と考えられます――

▶スモールマスのエコシステム

(1)『ニーズを把握するための情報の収集と解析』・・・SNS・IoT・AIなど
   を活用したビッグデータの収集と解析。
 ⇩
(2)『新たな価値(=イノベーションのアイデア)を創出するための人の
   繋がり
』・・・ニーズを満たすアイデアとアイデアの結合を醸成できる
   ような企業の枠を越えた人の繋がり、ユーザーコミュニティー・
   オープンイノベーション・ダイバーシティなど。
 ⇩
(3)『商品化のための研究・設計・生産等の効率化(自動化)』・・・
   アイデアを商品化するプロセスを効率化して、時間と経費を圧縮する
   ためのテクノロジー(AIによる研究の自動化・コンピュテーショナル
   デザイン・3Dプリンティング・スマート工場・コボット・デジタル
   化など)。
 ⇩
(4)『ネットによる販路拡大』・・・SNS情報発信・比較的低コストの
   ネット広告・動画広告のAI自動作成・インスタ買いなど



 コト消費の時代の成長のカギは、ニーズの把握からネットによる広告にいたるあらゆるバリューチェーンが、マス市場ではなくスモールマス市場に最適化したエコシステムを形成しているかにかかっている、と言えそうです。




#COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?