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女殺し屋映画『ベイビーわるきゅーれ』『バレリーナ』『ガンパウダーミルクシェイク』

女殺し屋が主人公の『ベイビーわるきゅーれ』、『バレリーナ』、『ガンパウダーミルクシェイク』を観た。邦画、K映画、米国映画だ。監督名、主演名は面倒なので割愛。Wikipediaで調べてください。

結論から言うと、『ベイビーわるきゅーれ』が一番おもしろかった。一番安っぽくてプロダクションバリュー的にアレだったけれど、内容はピカイチ。ギャグもおもしろい。日本人にしか分からないギャグかも知れないけど、笑わせた者勝ち。とにかく女子二人組の関係が面白い。バイトで上手に人間関係を作れる相方と、バイトで疎外感を抱く相方。で、疎外感を抱いた方は嫉妬する。相方のコミュ力と、相方を他人に取られることに嫉妬する。自分の不甲斐なさも感じる。そういった殺し屋映画にふさわしくないサブプロットが、迫り来るピンチを最大値にまで押し上げているから、まあ面白い。もう一度言っておくけど、殺し屋の話だよ? ドルチェ&ガッバーナの香水のせいだよ?

『バレリーナ』はおもしろかったし映像も綺麗だった。けれど、死んだ友人との関係がさほど強そうに思えなかった。この関係で復讐するかなと思った。あと、敵が弱すぎる。あるいは主人公が強すぎる。ジョンウィックとかイコライザーとかあんな感なので、飽きないが、ピンチというピンチがあんまりなかったからハラハラドキドキが少し足りない気がした。

『ガンパウダーミルクシェイク』は主人公と子供が力を合わせて運転するところは必見だと思う。それ以外はダルかった。冒頭のダイナーからダルかった。タランティーノが絶賛しているらしいけど、タランティーノの見る目も枯れたのか? と思うほどダルかった。最後の戦いとか、どうでもいい。どうせ勝つし。上記の二作品もどうせ勝つとは思っていたけど、『ガンパウダーミルクシェイク』は始まった瞬間、どうせ勝つし、と思った。上記の二作品と比べてダラダラ戦っていると感じたし、コミック的で痛みが伝わらない「アチョー的香港映画」みたいな気がした。記号的な暴力だった。そして一番気になったのが、てめえの父ちゃんを殺した女を毛嫌いしない子供。そこの戦いはないのかい。
女殺し屋ってこんな感じだよね、図書館の司書がこうだったら面白いよね、歯医者が闇医者だったらワクワクするよね、みたいな感じで作ったと思うんだけど、期待を裏切られるほどの設定ではなかった。

全体的に、拳銃を持つ女はセクシーだと感じた。三作品を通じて殺しとスイーツの対比はお約束なんだと思った。ケーキ、チョコミントアイス、ミルクシェイク。勉強になった。何の勉強かは分からないけども。

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