リコ

短い言葉と、たまにイラスト(予告なく内容を修正・削除する場合があります) あんまり明る…

リコ

短い言葉と、たまにイラスト(予告なく内容を修正・削除する場合があります) あんまり明るくはありません。 元のブログ→泡の虹 http://mblg.tv/awaniji/  Twitter https://twitter.com/awanijiRiko

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初めまして

リコと申します。 今まで、ブログで短い言葉や、時々イラストなどを載せていました。 こちらでも、同じような内容のものを引き続き載せていきたいと考えております。 ブロ…

リコ
5年前
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 幾何学模様の青い柱から、気持ちを汲みあげて、言葉にする。細い管を、手探りで捧げ持って。空に弾けることはできなくても、例えば棚のものを少しずらすような、そういう…

リコ
4年前
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 今の空を君が、何処かで同じように見ていたとして、それだけのことで君との間に繋がりを感じられるほど、僕は心が綺麗ではないし、広くもない。そしてきっとだからこそ、…

リコ
5年前

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 いつでも歌が聞こえるような気持ちになるのは、本当にそうであることを望んでいるからなのだろう。誰かに自由でいてほしい、そういう権利を、期待できる世界であってほし…

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5年前
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 どうして君の声だけが、世界から浮きあがって聴こえるんだろう。鳥のさえずりとも、鈴の音とも少し違って、けれども川のせせらぎと、会話ができてしまいそうな声。そのこ…

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5年前
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 窓の隙間から滑りこむ、遠くの車の音を聴いていた。タイヤのゴムとアスファルトが、互いに相手を引っかき合って、海鳴りの様に泣いていた。潮の香りが恋しくて、ベランダ…

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5年前
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5年前

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 どうしてもと君が言う時、僕の世界に、美しい海が広がる。水平線を柱にして、赤や黄色のビー玉が散らばって、足の裏に白い砂が、温度を持って溢れ出す。願いごとも、軽口…

リコ
5年前

660

 どんなに暑い季節でも  フローリングは冷たいし  雨が降れば 風が吹いて  人間の体と 心はもろい  色々なものを背負わされて  色々なものを 捨ててきた帰り道と…

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5年前

659

 このままきっと冬になる    僕が選んだひとつの道から  僕以外の全てが全力で  反対の方向へ 手首を引いて  その力の 源も意味も  見つけられないまま    そ…

リコ
5年前

658

 君の街におりる夜のとばりを  僕の、この手のひらだけが  ひけるとしたら、  他には何ひとついらない、  役目も よろこびも、  朝日でさえも。  君の心から  …

リコ
5年前
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 3人の僕が  別々の方向へ  歩いてゆこうとする  幻をみた  わざとじゃないから  引きとめられない  誰も 選べないから  何処にも行けない  眠れない夜は …

リコ
5年前

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 鳥居の先の長い石段に  吸い込まれてゆく様な日常を  多分僕も 君も  心の何処かに ぽつんと置いていて  けれども 意識に登らないそれは  静かに ひっそりと…

リコ
5年前
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 散らばる雲の端々に  淡くにじむ 夏の夕暮れを  僕は見るたび 大切に思って  そうして全て 忘れてきた  夜の気配が 街に染み込んで  紫色の香りがする  僕…

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5年前
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 君が心を打たれた  小説の一節よりも  百均で見つけた  雑貨だとか  友達と食べた  スイーツだとか  君の思う  イケメンの定義だとかの方が  ずっと 他人の…

リコ
5年前

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 天気雨に洗われた  夏の手前の夕方の空が  透きとおって きらきらして  少しだけ歪んだ 硝子瓶みたいだった  自分を生きられない 誰かの影を  美しい夜が拭い去…

リコ
5年前

初めまして

リコと申します。
今まで、ブログで短い言葉や、時々イラストなどを載せていました。
こちらでも、同じような内容のものを引き続き載せていきたいと考えております。

ブログの最初の記事にも少し書いてあるのですが、
元々ブログを始めたきっかけは、昔からたまに逆利き手で文字を書いたり、絵を描く練習をする時期があって、
ある日またなんとなく「逆利き手でノートに文字を書く」ということをし始めた時に、
書く文章が

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676

 幾何学模様の青い柱から、気持ちを汲みあげて、言葉にする。細い管を、手探りで捧げ持って。空に弾けることはできなくても、例えば棚のものを少しずらすような、そういう意志をもつだけで、回路が誰かと、繋がる瞬間だってある。待っている。小さいけれども何故かこんなに溢れている、そういうゴミを、思考の先の編み目のひとつが、散らしてくれる瞬間を。

675

 今の空を君が、何処かで同じように見ていたとして、それだけのことで君との間に繋がりを感じられるほど、僕は心が綺麗ではないし、広くもない。そしてきっとだからこそ、僕は空を眺めている。君が好きだと言っていた、あの青に溶けてしまいたいと、そんなことばかり考えている。
 知らなかったのだ、誰かを好きになった時、消えてしまいたい気持ちになるなんて。

674

 いつでも歌が聞こえるような気持ちになるのは、本当にそうであることを望んでいるからなのだろう。誰かに自由でいてほしい、そういう権利を、期待できる世界であってほしい。気づいている、無いからこそ、欲しくなるのだということに。
 欲しがることも、諦めることも、正解も失敗も、選びきれないまま、結局夜は明けてゆく。

673

 どうして君の声だけが、世界から浮きあがって聴こえるんだろう。鳥のさえずりとも、鈴の音とも少し違って、けれども川のせせらぎと、会話ができてしまいそうな声。そのことに、まだ誰も、気がついていない声。僕だけが、知っているままならいいのに、と思う。いつまでも、最後まで。

672

 窓の隙間から滑りこむ、遠くの車の音を聴いていた。タイヤのゴムとアスファルトが、互いに相手を引っかき合って、海鳴りの様に泣いていた。潮の香りが恋しくて、ベランダの硝子戸を少しだけ開けた。何処にも届かない行為で、何処にも届かない願いだった。ただ、人間ひとりのひとりごとを、聞き流すみたいに受けとめるには、うってつけの閉じられた夜だった。

671

 どうしてもと君が言う時、僕の世界に、美しい海が広がる。水平線を柱にして、赤や黄色のビー玉が散らばって、足の裏に白い砂が、温度を持って溢れ出す。願いごとも、軽口も、約束に繋がるからだと思う。何かを契った思い出が、記憶の裏で色づいている。そしてそれは、見えないからこそ、あまりにも鮮やかだ。たった今目の前にいる、君の瞳よりも、ずっと。

660

 どんなに暑い季節でも
 フローリングは冷たいし
 雨が降れば 風が吹いて
 人間の体と 心はもろい

 色々なものを背負わされて
 色々なものを 捨ててきた帰り道と
 休日の夜に浴びる夜風は
 どうしてこんなに違うのだろう

 君なら 答えられますか
 もしも 答えてくれるのならば
 君が 答えられない問には
 僕が 答えても構いませんか

 人間は とても
 あやふやで
 曖昧で だから
 そ

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659

 このままきっと冬になる
 
 僕が選んだひとつの道から
 僕以外の全てが全力で
 反対の方向へ 手首を引いて

 その力の 源も意味も
 見つけられないまま
 
 そして 今度は
 有耶無耶のうちに 春になる

 だから多分 もうずっと
 僕は夏が恋しいのだ

 生まれてから 今に至るまで
 幻の季節を追いかけて

 幻の、海を
 太陽を 思い出を

 光だけを、追いかけて

658

 君の街におりる夜のとばりを
 僕の、この手のひらだけが
 ひけるとしたら、

 他には何ひとついらない、
 役目も よろこびも、
 朝日でさえも。

 君の心から
 導きだされた囁きが
 現実の大地を切り裂いて、

 ながて君の足もとをすくう、
 乾いた風が 僕の内側を駆けめぐる、
 僕はまた、君という不思議が
 花ひらくのを、観察する。

657

 3人の僕が
 別々の方向へ

 歩いてゆこうとする
 幻をみた

 わざとじゃないから
 引きとめられない

 誰も 選べないから
 何処にも行けない

 眠れない夜は
 かつて 遠くへ

 歩きだした君を
 思い出す

 歩きだした 僕を
 思い出す

 意識の気配が
 夢に漕ぎだして

 星のまばたきだけが
 ちらちらと 落ちてくる頃に

 アルミでできた大きな月が
 くるくる 満ち欠けする

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656

 鳥居の先の長い石段に
 吸い込まれてゆく様な日常を

 多分僕も 君も
 心の何処かに ぽつんと置いていて

 けれども 意識に登らないそれは
 静かに ひっそりと廻りつづける

 夜がきて 夢をみて
 目の前以外が塞がれて

 願望と 傷跡だけに
 引きずられている間ならば

 それはゆっくりと顔をのぞかせて
 僕を 飲みほしてくれるのかもしれない

655

 散らばる雲の端々に
 淡くにじむ 夏の夕暮れを

 僕は見るたび 大切に思って
 そうして全て 忘れてきた

 夜の気配が 街に染み込んで
 紫色の香りがする

 僕が閉じこもる 小さな箱の
 四隅に星が 染み渡る

 記憶の向こうに 何千ページ
 何人分もの 物語があって

 星が 夜が 夏の温度が
 他の季節を
 少しだけ多く 塗りつぶす

 その全てが いつか
 宇宙の色をした 君の
 瞳

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654

 君が心を打たれた
 小説の一節よりも

 百均で見つけた
 雑貨だとか

 友達と食べた
 スイーツだとか

 君の思う
 イケメンの定義だとかの方が

 ずっと 他人の興味を引けることに
 多分 君はもう
 気づいてしまっている

 それでも 君が
 最後まで手放さないものは きっと

 人に見せるために
 集めてきた何かより
 ずっとずっと 小さな
 たったひとつきりのものだ

 君の心に何

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653

 天気雨に洗われた
 夏の手前の夕方の空が
 透きとおって きらきらして
 少しだけ歪んだ 硝子瓶みたいだった

 自分を生きられない 誰かの影を
 美しい夜が拭い去る
 私は 私のサンプルを
 均等に集めて 休日を待つ

 嘘の甘さより
 無味無臭の本当が欲しい
 全てを 空白で塗りつぶす
 そんな生活を、人生を
 
 私は 今日も待っている