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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】花粉症 秋と春は何が違う!?

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

まだまだ、体温を超えそうな暑さの毎日が続いており、秋といわれてもピンとこない日々ですが、秋も半ばにさしかかり、既に暦の上では『白露』にあたります。
白露は、朝の草花に露が宿り始める頃、 昼夜の気温差が大きくなるこの時季に、朝晩に空気が冷やされ露を結ぶ時季のことです。

気温差が激しくなってくるこの時期になると、春先と同様に、風邪ではないのに体調が優れず、鼻がムズムズして鼻水が出たり、目が痒くなったり、というように秋の花粉症の症状に悩まされる人が出てくるようになります。

筆者の鍼灸院の女性患者さんの中にも、そういった訴えがちらほら聞かれるようになってきましたが、実際に発熱や喉痛などの風邪症状がないことから、秋の花粉症かもしれないね、と話しをしながら慎重に診断をすすも、鍼灸治療にあたっています。

 今回は、この『秋の花粉症』についてとりあげます。
東洋医学的にみて、秋の花粉症はなぜおこるのか、春花粉症と秋花粉症の発生メカニズムの違いはなになのか、を探っていきたいと思います。

では、最後までどうぞよろしくお願いいたします。


1.花粉症と鍼灸について

まずは、これまでのおさらいです。
以前、『【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】花粉症と鍼灸https://note.com/ayajazari/n/ndaea8e90b543) 』の記事の中では、
 1.花粉症とは
 2.症状
 3.花粉症のしくみ
 4.花粉症の原因
 5.現代医学によるアプローチ
 6.鍼灸によるアプローチ
 7.東洋医学における花粉症とは
 8.鍼灸治療における花粉症の診断
といった内容で、
現代医学・東洋医学の両面における花粉症に関する基礎知識、花粉症に対する鍼灸によるアプローチ、について取り上げました。
まだ、読んでいないという方は、ぜひそちらを一度お読みくださいね!!

では、次に今回のテーマにはいりましょう。

一般的に、花粉症が出やすい季節は春と秋といわれていますが、東洋医学的なメカニズムの観点から、両季節の花粉症の共通点・相違点を探っていきます。

2.春の花粉症と秋の花粉症の共通点

春と秋の花粉症の東洋医学的なメカニズムの共通点は、『感冒』が関与しやすいという点にあります。
季節の変わり目は、気候が変動しやすく、春風・秋風・木枯らしなど、風が舞いやすくなります。
風は寒さ、熱、湿気などを一緒に運ぶことから、外邪(風寒、風熱)が身体に入り込み、身体の上部にある『肺』の臓に影響を及ぼします。
東洋医学の五行で、肺は鼻と深く関係をすることから、鼻詰まり、鼻水、くしゃみの症状がでやすくなります。
特に風熱の場合には、熱による症状として、眼の痒みと目の充血がおこりやすくなります。

春と秋ともに外邪(風寒、風熱)が身体に入り込みやすくなりますが、身体のバリア機能(=衛気と呼ぶ)の低下に関して、両者には違いがあります。
春は衛気が巡りにくくなることが原因となりやすい、一方、秋は衛気が弱ることが原因となりやすいです。

感冒が原因であると診断がついた場合には、外邪を身体から取り除くようなツボを選び、鍼灸治療を行います。

なお、漢方では、葛根湯、麻黄湯、桂枝湯などが一般的には風邪に効果的として市販でも購入することができるようになっていますが、それぞれ少しずつ作用が異なります。
実は、これらの漢方薬は、体力の有無、発汗の有無などを参考に正しい診断の上で服用しないと、効果がないばかりか体力を低下させて症状の悪化を招くこともあるようです。
ぜひ、医師・薬剤師に相談の上で購入、服薬するようにしましょう。

3.春の花粉症

春季の花粉症のメカニズムにおいて注目すべきは、『肝』の臓です。
現代社会は精神的なストレスに溢れかえっており、何かというとストレスという言葉がついてまわります。
また、新型コロナの流行をきっかけにテレワークやリモートワークが一般化し、買い物もネットショッピングで済ますことができるようになってきており、外出をして身体を動かしたり、運動をして遊ぶ時間は大幅に減ってしまっています。
結果、身体を動かして気持ちよくストレスを発散できる場所や時間がなくなってしまい、常にストレスを抱えてすごしている状態にあるといえます。

そういった精神的なストレスは肝鬱気滞をひきおこしますが、春は自然界の木気が盛んとなる季節であり、肝鬱気滞が一層助長されます。
肝の働きが正常でなくなることで、体内の気の巡りが悪くなることから、他の臓の働きにも影響が出てきます。

肺の臓に影響を及ぼすと、肺と関係する鼻の症状が出やすくなり、鼻詰まり、鼻水、くしゃみを発症します。
鼻詰まり、鼻水の症状は、体内で処理しきれなくなった余分な水分が足陽明胃系の経絡(ツボをつなぐ線路)を上って鼻の穴からあふれ出てきている、として考えます。
体内における余分な水分は内湿といい、胃腸の弱り、もしくは冬の間の食生活の乱れにより冷たいものを食べすぎたりすることで生成されやすくなります。

また、肝鬱気滞がすすみ、気の巡りがさらに悪くなると、体内で過剰な熱が生成され、眼の痒みと目の充血がおこりやすくなります。

肝に原因があると診断がついた場合には、肝に関連した、診断に適するツボを選び、鍼灸治療を行います。

4.秋の花粉症

秋季の花粉症のメカニズムにおいて注目すべきは、『脾』の臓です。
秋は、夏の暑さにより体力を奪われがち、夏バテというような症状が出るのもこの頃ですが、東洋医学では暑邪によって気を傷ったといいます。
また、夏の間に、辛いもの、冷たいアイスクリーム、飲み物、ビールなどを食べすぎたりすると、胃腸が弱りやすくなります。

東洋医学の五行では、肝と脾の関係は、木と土にたとえて説明がされます。
木は土の中に根を張り栄養を養うという関係にありますが、そのバランスが崩れると、土が弱まわって木が強まるという、対等でない異常関係が作り出されます。
そして、脾の臓が弱まり、肝の臓が強まることから、秋に花粉症の症状が出やすくなります。

肝と脾のバランスの崩れに原因があると診断がついた場合には、肝または脾に関係する、診断に適するツボを選び、鍼灸治療を行います。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、東洋医学的なメカニズムの観点から、春と秋の花粉症について、両季節の共通点・相違点をみてきました。
実際には、原因がズバリ一つだけに特定されることは少なく、いくつかの原因が複雑にからみあって症状をひきおこしているケースがほとんどですので、素人判断せず、ぜひ東洋医学の専門家に相談してみてくださいね。
また、東洋医学においても、鍼灸治療により花粉症に対する治療が可能なことはご理解いただけたでしょうか。
鍼灸治療によって花粉症を改善して、秋の行楽シーズンを快適に楽しく過ごしませんか?

今回はここまでとなります。最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

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