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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】髪の悩みと鍼灸治療

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

女性のからだには、年齢と共に様々な変化がみられます。
肌のたるみやハリの低下、肌あれ、くすみ、シミなどの肌の変化は、思春期以降、若いころから常に気にかかる人もも多いですよね。
同じように気になるのが抜け毛や薄毛、白髪などの髪のトラブルではないでしょうか?
個人差はありますが、30代の頃から髪が変わったと感じる女性が多いようです。
そして40歳を過ぎる頃になると、白髪や抜け毛が気になり始め、年齢を重ねるにしたがっていっそう髪の変化を感じるようになります。
『髪は女の命』といわれることもあるほどで、年齢の変化とあきらめられず、いくつになってもきれいな髪でありたいと願うものではないでしょうか。

そこで、今回は「髪の悩み」についての症状や原因、治療方法、食養生についてみていくことにしましょう。
また、後半のほうでは、東洋医学的には「髪」はどう考えるのか、髪の病と鍼灸治療についても取り上げます。

では、どうぞ最後までお付き合いください。


1.女性の抜け毛や白髪の原因

髪の毛は、からだを覆う皮膚が変化したもので、暑さや寒さ、衝撃などのように外から受ける刺激から頭を守る役割を持っています。
くせ毛の手入れや毎朝のセットの悩みの種となる髪の毛も、見た目だけでなくとても重要なことがわかりますね。

伸びるばかりに見える髪の毛ですが、実は一定の寿命があって時間が経てば自然と抜け落ち、代わりに新しい髪の毛が生えています。
抜け毛が多いと気になる方も、1日に80~100本は自然と抜けているので安心して下さい。

???では、なぜ、年齢と共に髪が薄くなったり白髪になったりするのでしょうか???

女性の髪の変化は、加齢や妊娠・出産によるホルモンバランスの乱れ、育児による睡眠不足やストレスなどが考えられます。
中でも女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには毛髪の成長を促進する働きがあるため、エストロゲンの減少に伴って髪質が変化していきます。また、十分に太く成長する前に抜け落ちるようになり、抜け毛が増えて薄毛も進行していきます。

エストロゲンの分泌量は30歳頃をピークにして年齢とともに少しずつ減少し、40歳前後から更年期に向かって一気に減少しますので、20代の頃はツヤツヤだった髪が次第にツヤがなくなったり細くなったり、人によっては地肌が目立つようになるのもこのためです。

また、老化によって髪の黒色の元となるメラニンを作るメラノサイトが色素を作れなくなってしまうと白髪として生えるようになります。

最近では、若年性更年期障害といって20代後半~30代の女性にも更年期障害のような症状がみられることがあります。これは無理なダイエットや生活習慣・食生活の乱れ、ストレスなどによってホルモンのバランスが乱れることが原因と考えられています。こうなると高齢の女性と同じようにメラノサイトがメラニン色素を作れなくなり、白髪も増えてしまいます。

髪の毛の主な成分はタンパク質です。また、ビタミンや亜鉛も必要です。過度なダイエットは女性ホルモンのバランスを崩すだけでなく、偏った食生活によってさまざまな栄養素が不足するため白髪や薄毛の原因になるので注意が必要です。

このように、女性の髪の悩みにはさまざまな原因が関係していますが、なかには病気が原因となっている場合もあります。急に白髪が増えたり体調の変化を伴う場合には医療機関を受診することも考えてみましょう。

2.髪の悩みを解決する食事

毎日の食事は髪の毛や体調に大きく関わってきます。
栄養バランスを考えることが重要で、以下のような偏った食事には注意が必要です。
① 糖分の摂りすぎ:血糖値の高い状態が続いて血行が悪くなると栄養が巡らず、髪の成長に影響を及ぼす可能性があります。
②タンパク質の不足:髪の主成分はタンパク質ですので、不足すると髪が作られにくくなります。
③ 脂質の過剰:脂質を摂りすぎると皮脂の過剰分泌を促す恐れがあります。頭皮に皮脂が貯まると、毛根が弱ったり毛穴が塞がったりして、髪の成長を妨げる可能性があります。
④ 亜鉛や鉄分の不足:髪の毛の生え変わりの周期が乱れ、抜け毛や白髪の原因となります。

ここでは、東洋医学的に髪の悩みを解決する効果があるとされている食材をご紹介します。

●ゴマ:特に黒ゴマに強精作用があり、肝や腎を丈夫にする「長生不老食」といわれています。 腎の働きを助けて髪の毛の発育を支えます。ただし、『本草綱目』には”生のゴマを食べると脱毛を引き起こしやすい”という記述が残っていますので注意が必要です。
黒豆、黒きくらげ、ひじきなどの「黒い食べ物」も黒ゴマと同様に腎を補う作用があり、髪の悩みを解決する効果が期待できます。

●やまのいも:肺や脾、腎に働き、からだを潤すことで老化を防止する食材とされており、抜け毛や髪の劣化にも有効です。

●クルミ:腎や肺に働き、滋養強壮や美肌、老化防止の作用があります。白髪を予防する効果が期待できます。

●みかん:肝に働き、気を巡らせる食材です。肝の負担はストレスを招き、抜け毛や白髪の原因となります。気の巡りをよくしてストレスを除くことで、髪のトラブルを予防できます。レモンやジャスミンなどにも同様の効果があり、レモンティーやジャスミンティーもおすすめです。

3.髪の悩みを解決する生活習慣

食生活以外の生活習慣の中にも髪のトラブルを招く原因が潜んでいます。
睡眠不足や喫煙、過度の飲酒などは健康に悪影響を及ぼすと言われていますが、髪にとっても同様です。

①睡眠不足は髪の成長を大きく左右すると言われていますので、十分な睡眠を心掛けましょう。
②タバコや飲酒を控えましょう。
③髪に必要な栄養素をとれるよう、バランスのよい食事を心がけましょう。
④運動を習慣にして血流を改善するのも効果的です。
⑤ストレスをため込まないようにリラックスできる時間を作りましょう。
⑥シャンプーが髪に合っていなかったり、正しく使えていなかったりすると頭皮や髪の毛がにダメージを与えてしまうので注意が必要です。

お気づきかもしれませんが①~⑤は肌にとっても大切な習慣です。
健康なからだをつくる生活習慣は髪にも肌にもいい、ということで、いつまでもきれいな髪を保つために規則正しい生活を心がけましょう。

4.東洋医学的にみる「髪」の病

では、次に、東洋医学的に考える、「髪」とその病についてみていくことにしましょう。

髪は、腎の臓と密接な関係あり、腎気(からだの成長や生殖に関わるエネルギー)の盛衰が髪の成長に強くかかわる、とされています。
また、髪は精血(エネルギーと血)により養われ、東洋医学的には「血余(けつよ)」と呼ばれることから、
①血の不足
②血の停滞
という血の濡養機能の低下により、髪の異常はおこりやすくなります。

髪に関する、東洋医学的な代表的病名としては、
①脱髪・髪堕
頭髪の脱毛症のこと
②毛髪変異・髪鬢頒白・髪無澤・毛焦
毛のやせ、抜け、ぱさつきのこと
③白髪・鬚髪早白・少白頭
白髪のこと
があります。

なお、血に関しては、以前に『【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】貧血の鍼灸治療と食養生』の記事の中で詳しく説明をしています。
まだ、読んだことがないという方は、ぜひそちらもお読みください!

5.東洋医学的「髪」の呼び名と臓腑経絡

東洋医学では、「髪」と一言で言っても、その部位により異なる呼び名をもちます。
漢字のテストではありませんが、こんなにいろいろな呼ばれ方をするとは興味深いですね!

①「髪(はつ)」 頭上の部分
 督脈、太陽膀胱経、少陽胆経、陽明胃経。
②「鬢(ひん)」 もみあげの部分 
 足少陽胆経。
③「髭(し)」  口ひげ
 手陽明大腸経。
④「鬚(しゅ)」 顎ひげ
 足少陰腎経、足少陽胆経、足陽明胃経。
⑤「髯(ぜん)」 頬のひげ
 足少陽胆経。
⑥「眉(び)」まゆげ
 手・足太陽系と手・足陽明経。
⑦「睫(しょう)」まつげ
 眼瞼の部分に付属するものであり、眼瞼の変化は多くは脾胃と関係する。

それぞれ部分に関連する経絡上の気血(エネルギーや血)の状態と髪の状態は関係をしており、気血が旺盛であれば毛髪の状態はよくなる一方、気血が減少すると、毛髪の状態は悪くなったり生えなくなったする、とされています。

6.鍼灸によるアプローチ

ここまで、東洋医学的に髪と髪の病ついてみてきました。
次に、東洋医学の手法のひとつである、鍼灸によるアプローチについてみていきましょう。

「髪の悩みも鍼灸で治療できるのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、病的な毛髪異常(細くなった・抜ける・パサつく)、病的な白髪(年齢的に不相応な病的な白髪)に対しては、鍼灸によるアプローチが可能となっています。

一般的な西洋医学的治療や育毛クリニックなどでの治療受けている方の中には、『全く変化が感じられない』・『一度は治癒したが、何度も繰り返している』・『薬や栄養剤に頼らずに根本的に解消したい』と考えていらっしゃる方も多いかもしれません。

一方、鍼灸治療の場合には、「髪のトラブルを引き起こしている根本原因」をみつけだし、それを正すことによって、症状を改善に導くとともに再発しにくい身体づくりをしていきます。

鍼灸で一度の施術に使うツボは1~3つで、施術時間は休憩含めて1時間程度です。
なお、鍼をする前には、予め、詳しく問診をする必要があり、その症状だけでなく、他にもある様々な身体の症状(愁訴、随伴症状といいます)、その人の体質や体格、その時の体調、施術をする時の季節、天気なども考慮する必要があります。

その上で、その人の身体全体の状態(脈、舌、顔色、身体の熱冷のかたより、身体の緊張、手足ツボの反応など)から、トータル的にみて、最も原因にふさわしいツボを選び鍼灸の施術をします。
そのため、症状や原因が同じでも、その時々で使用するツボも変えることが必要となります。

7.まとめ

以上、髪の悩み、その原因、食事、生活習慣における予防方法、東洋医学的なアプローチとして鍼灸治療について解説をしてきました。

いかがでしたでしょうか?今回はここまでとなります。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

https://ayakazari.com/

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考資料:『みんなの家庭の医学』Web版、髪に関する総合情報Webマガジン『カミわざ』、東方栄養新書、中国医学の身体論、鍼灸臨床能力(北辰会方式 実践編)

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