くにん
今ではなく、人と精霊が身近であった時代。ここではなく、ゴビの赤土と砂漠の白砂が広がる場所。中国の祁連山脈の北側、後代に河西回廊と呼ばれる場所を舞台として、謎の遊牧民族「月の民」の少年少女が頑張る長編ファンタジー物語です。「竹取物語」をオマージュしています。
くにんの「短編・掌編小説」を集めております。
くにんの「詩」を集めております。
くにんの閑話です。エッセイ調だったり論文調だったり。性格診断なんかもあったりします。
大震災と戦争の合間。ヒトもヒトでないものも落ち着かないでいる帝都を舞台にした、「魔法探偵」諏訪部涼魔の活躍譚です。
みなさん、こんばんは。くにんです。 今冬一番の寒波が襲来しているとのこと、寒いです…
羽磋は顔を上げて、濃青色の球体となった母親を、正面からしっかりと見つめ直しました。そう…
自分がそういう弱い面を持っていることを、羽磋は身をもって知っていました。この旅に出る直…
もう羽磋は、自分の指一本でさえ、自由に動かすことができなくなっていました。 なんとか…
「そうですっ、そうなんです!」 母親が投げつけて来た言葉からは、羽磋の言うことがとても…
これは、遠い遠い国の昔々のお話です。 その頃はまだ、電灯はおろかガス灯も発明されてお…
もちろん、そんなことがあって良いはずがありません。それを止めるために、一刻も早く、地上…
でも、地下世界に天井があるということは、その上には地面の層があるということを意味します…
「ははぁ、なるほど・・・・・・」 ヤルダンは砂岩でできた台地が複雑に入り組んだ地域です。そこ…
「もう一つ付け加えさせていただきますと・・・・・・。王柔殿、理亜はあまりに良い子過ぎませんか?…
王柔の様子を見た羽磋は、少しだけ可笑しくなりました。 「あまりにも突拍子も無さ過ぎて・…
「理亜の身体の中に、理亜とあの昔話の少女の二人分の心が入っているのですか? 幾らなんでも…
せっかくのこの機会は逃せません。羽磋は胸に手を当てて高まりつつあった動悸を鎮めると、大…
その少女が地下世界に入り込んできた時から、ぼんやりとした意識の中ではありましたが、母親…
「いた・・・・・・」 羽磋の口から、小さな声が漏れ出ました。 ずっと彼は必死になって、濃青色…