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「紙の本」の底力

先週末、行ってきました。

全50ブースに56の出版社・新刊書店・古書店。壮観の一言でした。意外性と感嘆と予期せぬ出会いのオンパレード。本好きの方にはぜひ一度体験してほしい。

かつて東京ビッグサイトで「東京国際ブックフェア」が毎年7月に開催されていたことをご存知でしょうか? それと「文学フリマ」を足して2で割ったような規模と雰囲気でした。

「東京国際~」では某ブースで丸一日レジに入ったことが何度かあります。スタートから終了まで列が途切れなくてかなり大変でした(某・有名女優を接客したことは一生の思い出です)。

今回の「BOOK MARKET」はあくまでもイチ来場者としての参加だったので気楽に楽しめました。自分が書店員であることやnoteをやっていることは話していません。変に気を遣わせたら申し訳ないし。

戦利品は↓の三冊。

以前に紹介しましたね。亜紀書房のブースで購入。篠崎にある本屋「読書のすすめ」のサイトで知った本です。そちらで買うつもりでしたが目に入った瞬間「あっ!」となってしまって(清水さん、ごめんなさい)。

皆さんは「オラクル・ボーン」ってわかりますか? 私は知りませんでした。児童書風ファンタジーでありつつ大人の知的好奇心を刺激してくる稀有な一冊。亜紀書房の本では、片岡義男さんの短編集「これでいくほかないのよ」や若松英輔さんの詩集もオススメです。

ポルトガルの絵本です。世界13言語で翻訳されているとか。アノニマ・スタジオのブースで購入。初めて名前を聞く出版社でした。「ごはんとくらし」をテーマに本づくりとは興味深い。私にとっては未知に近いジャンルです。

どの本もそうですが、絵本を買う際は特に「タイミング」を大事にしています。呼ばれるというか波長がピタリと合う瞬間があるのです。感じ取ったらそのままレジへ、を習慣にしています。

短編とエッセイ。灯光舎のブースで購入しました。2019年にできた京都の出版社らしいです。

装丁がクールなので手に取り「どうしようかな」と一度戻しました。すると店員さんが「中島敦の妹さんのエッセイが入ってるんですよ」と紹介してくれて。その瞬間インスピレーションが動き、買うことにしました。

ちなみにミステリィ作家の折原一(おりはら いち)さんが妹さんのご子息(つまり中島敦の甥っ子)で、彼から掲載の許可をもらったそうです。どこかで聞いた名前だと思ったのですが、2018年の本屋大賞で「超発掘本!」を受賞していました。

改めて「ごくありふれた『紙の本を買う』行為もひと工夫を凝らせば『ハレ』になり得る」と学びました。そして内容だけではなく、装丁を眺め、感触を楽しむ目的でも買いたくなる本がたくさんあることに驚きました。もちろん電子書籍には電子書籍の良さがありますが「紙の本」という文化が秘める底力みたいなものを久しぶりに全身で味わった気がします。

仕事のスケジュール次第ですが来年も行きます!! ありがとうございました。

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