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ブランドアイデンティティを考える 2[YAMAHA]

企業・個人問わず、ブランディングを気にされる方へ。
ブランド構築のために重要な「ブランドアイデンティティ」というものの理解をより深めていただくために、会社事例を挙げてご紹介する第2段。
自社や自分を見られたいように見てもらう行為(セルフブランディング)において、ブランドアイデンティティの構築になるヒントとなる企業検証シリーズです。前回記事はこちらです


[事例2]

YAMAHA


私がこの会社に抱く印象はこれです。


「日本屈指のピアノメーカー。海外でも競争力あり。
ピアノを中心とした楽器製造販売以外に、教育事業にも力を入れている」


YAMAHAと言えば楽器をやらない方にはあまり馴染みのないブランドではないかと思いますが、「聞いたことがない」という方は逆に少ないのではないのでしょうか。ファンであるかは別にしても、その認知度の高さはピアノメーカーにおいてはKAWAIを抜いてトップだと認識しています。日本でピアノと言えば、YAMAHAかKAWAIの2大シェアとなります。
では早速YAMAHAの企業理念を見ていこうと思います。
こちらが企業代表メッセージです。

企業理念
「感動を・ともに・創る」
ブランドプロミス
Make Waves


以下前回記事と一部繰り返しの説明になりますが、企業理念というのものは、いわばブランドアイデンティティとイコールです。この会社のコアとなるコンセプトです。社会の中での存在意義、自社とは何かの紹介であり、メッセージです。
そして、ブランドプロミスといって公約しているのはブランド側が消費者へ向けた宣誓です。私たちは「これを」やります。という公言です。


上記の企業理念からは、人と寄りそう姿勢が感じとれます。
この「ともに・創る」とプロミスの「Make」いずれも「創る」を意味するワードですが、楽器というものは創作に関連性の深いものです。創ると示唆しているものは楽器製造だけでない、カスタマーとの「感動」に及んでいます。

企業側が理念に上げているものは「顧客との価値体験(カスタマーエクスペリエンス)の共創」です。こうした大企業というのは理念がとかく抽象的になりがちです。というのも、事業規模が大きく、多角化する範囲が広くなればなるほど理念に「具体性」を持つことが一つのリスクにもなり得ます
例えば、ちょっと考えてみましょうか。
YAMAHAこんな感じでしたらいかがでしょうか。

企業理念 例
「ピアノと・ともに・創る」


おそらく、ピアノ事業への認知度をあげる段階ではこれが「正解」なのかもしれません。というのも、ブランドが知られていない場合、そのブランドが「何を(私に)提供してくれるものか」わかりやすくしてあげることがファンを創る上で必要になります。
ですが、ここまでメガブランドですと、わざわざ「ピアノ」をうたわなくてもいいわけです。むしろ、事業の多角化をはかっている企業のためピアノに特化しているというみられ方は、他のグループ会社の株主にとって良いかは微妙ですし、ピアノ製造外の事業への認知度に影響するはずです。

ちなみにこちらがYAMAHAの事業展開です。
わたしが思っていた教育事業などは確かにあったのですが、弦楽器や管楽器・吹奏楽器まで製造していることは知りませんでした。ネットワーク製品やゴルフ製品に及んでは、え、って感じです。
これは図式的に以下になります。

YAMAHAの弦楽器や管楽器・吹奏楽器、
ネットワーク製品、ゴルフ製品製造ラインのブランドは
「わたしの中」ではブランド化していない

つまり認知度不足なのですが、YAMAHAから楽器演奏者、ゴルフ好き、ネットワーク関連のB to Bでアピールできれば良いと思いますのでブランド化の対象を「不特定多数」でなければ問題ないのかもしれません。

最後に。
みなさんが仮に事業規模がYAMAHAレベルでなくても、事業をされるのであれば理念をぜひ作ってください
理念がないブランディングありえません。


ブランドアイデンティティから
理念が生まれ、
ビジュアルが生まれ、
人の認知に至ります。



BI → CI → VI




最後にややこしいこと言いましたが、この流れは今度しっかり説明します。







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