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『ブリコルひらい』vol.02が刊行されました!
『ブリコルひらい』vol.02が刊行されました!
今回は「逆襲の小松川」と「喫茶店をめぐって」特集の二本立てです。平井の本棚さん店頭もしくはHPから購入できます。vol.1も増刷しておりますので、あわせてご覧いただけると幸いです。
https://shelfhirai.thebase.in/items/73244923https://shelfhirai.thebase.in/items/73
東京のかなり右側の街
僕が平井という街に出会ったのは意外と古いけど、実は何年も何年も無沙汰をしてました。でも今年になってウェブの仕事で平井と再会し、その後に『散歩の達人』(交通新聞社)でかなり歩き回り、「やっぱり僕はこの街が性に合ってる」と思ったんです。「好き」っていうよりは、性に合うって。
とてつもないモノに出くわす訳じゃない、ベタな下町風情がある訳じゃない、名所旧跡も観光スポットもネットでバズるとこでもない、だけ
金魚とガソリンスタンド
金魚すくいをする場所の名は「ガソリンスタンド」である。そう思っていた。
平井駅南口を出て商店街をひたすら真っ直ぐ歩き、喧騒が遠のいたあたりで小松川地区に入る。さらに進むと、1軒のガソリンスタンドが現れる。駐車場とうっかり間違えてしまいそうな静かなスタンド。そこで、しばしば「金魚すくい大会」が行われていた。
もう20年以上も前のことである。今ではなぜそんなことになったのか、皆目わからな
Hirai_kingyo_layer
「平井は、どこにでもある郊外の街ですよ。」
古本屋の店番をしている時、このセリフをお客さんに対して何弁言ってきたか分からない。北西にそびえ立つスカイツリーを視界から外すと、街の色が透明になっていく感覚をよく覚える。再開発の真っ只中というが、果たしてこの街には何があるのか。街の魅力ってどう伝えればいいのか。
初めからぼやきで始まってしまい恐縮ながら、この手の自虐は平井住民の特権と思ってご容赦頂き
金魚の記憶~1970年代の平井随想
私の頭の中にはフィルムが入っている。静止画と映像、これを巻き戻し再生しながら記憶をたどる癖がある。Googleマップのストリートビューのポンコツ版。「金魚の記憶」と脳内検索すると、縁日、夜店の金魚すくいの映像が出てきた。
1970~76年頃の数年間だけ、平井4丁目にある道了寺の縁日では路地に夜店が出ていた。お寺さんに確認したら、徐々に画像のピントがあってきた。橙色の照明、射的、綿菓子、スーパーボ
平井でデジタル金魚が泳ぐ日
1.プライドオブ平井平井に住み始めて12年が経った。平井の近く、小岩~亀戸の総武線沿線ということでいえば20年になる。「平井に住んでます」と言ってもすぐに分かってくれる人はなかなかいない。だから「錦糸町・亀戸の隣にそんな場所があるんです」と言ったり、「ざっくりスカイツリーの方です」と言ったり、「江戸川区です」と言ったりすることもある。でも私は、そんな「知る人ぞ知る」場所であり、川と川に挟まれたゆっ
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