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心にギャルを持とう/『何者』朝井リョウ

心にギャルを持とう/『何者』朝井リョウ

心にギャルを持とう

一見意味不明な言葉だが、これを心に決めたのは朝井リョウの「何者」を読み終わった時だった。

今作の文庫本のあとがき(解説)は三浦大輔さんという劇作家の方が執筆していた。

「何者」の話の大事なピースは、ツイッター(現X)だ。ツイッターの裏垢だ。
フォローよりもフォロワーの方が何人多いとか、いいねが何個でバズってるとか、承認欲求を掻き立てて若者の手からスマホを離させなくするツー

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もう何も口に出せない…/『正欲』朝井リョウ

もう何も口に出せない…/『正欲』朝井リョウ

「この小説を読み進めてしまったら、明日を生きれなくなるのではないか」

そんな気持ちを常に抱きながら、最後まで読み終えた。
終えた後も、私は明日をどう生きればいいか、分からなくなってしまった。
怖かった。今も怖い。

私にとって正欲とは?
あなたにとって正欲とは?
あの人にとっての正欲とは?

私はこれから先、他人と何を話せばいいんだろうか?
正欲を押し付けないようにするにはどうすればいいんだ。

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Fカップの話/『火花』又吉直樹

Fカップの話/『火花』又吉直樹

“Fカップの話”

なんていう風に題してみたけれど、
決してこの小説は
そんな巨乳好きのための物語ではない。

ただ、又吉直樹という者が
この小説に置いてきた

“Fカップ”

が、
この本を読んだ人々にあまりの衝撃を与え、

いつまでも
頭から離れないようにしてしまっている。

『火花』の表紙のイラストを見るだけで、
初めて読んだ時に喰らった衝撃が
まるでついさっき受けたかのように
思い出される

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タイトルに騙された/『早く家へ帰りたい』高階杞一

タイトルに騙された/『早く家へ帰りたい』高階杞一

初めて詩集を読んだ。

2週間前に初めて世界一の古書店街といわれる神保町へ行ってきました。

「絶対に1冊だけ、普段買わなそうな本を買って帰ろう」と決めていた。

半日、神保町の街をふらふらした私が最後に手にした本がこれだった。

『早く家へ帰りたい』高階杞一

家は“うち”と読みます。
「はやくうちへかえりたい」です。

買った理由は2つ。

①装丁が良かった。
全体が布地の様な素材で、題名の文

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罪悪感との向き合い方ー”過ち”を犯してしまった時あなたはどうする?/『君たちはどう生きるのか』吉野源三郎(漫画・羽賀正一)

罪悪感との向き合い方ー”過ち”を犯してしまった時あなたはどうする?/『君たちはどう生きるのか』吉野源三郎(漫画・羽賀正一)

『君たちはどう生きるか』はどんな本?

一言でまとめるのであれば、

一、「立派な人間になる」とはどういうことか?

二言でまとめるなら、

一、「立派な人間になる」とはどういうことか?
二、”過ち”を犯してしまったとき、罪悪感との正しい向き合い方とは?

三言でまとめるなら、

一、「立派な人間になる」とはどういうことか?
二、”過ち”を犯してしまったとき、罪悪感との正しい向き合い方とは?
三、

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感情の言語化、誰かを選ぶということ/『傲慢と善良』辻村深月

感情の言語化、誰かを選ぶということ/『傲慢と善良』辻村深月

人の感情を言語化し、読者へイメージさせる力が素晴らしい本に出会った。
辻村深月という文章家に惹き込まれる一冊だった。

と評論家のような書き出しをしたものの、私自身「読書」というものを約25年間おそらく真面目にしてこなかった人間なので、こんなに信用のならない感想など他にないだろう。
もともとじっとしてるのが苦手な性格で、活字をじっと読む習慣もなかったため読書はしてこなかった。(漫画は読むけれど)

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